Greek Bailout Fund   Indiegogo
(写真=HPより)

財政破綻を引き起こす政府が続出するという緊迫した事態に陥る可能性が増してきている。2012年にアルゼンチン政府が債務不履行に陥り、世界中を大きく騒がせた経緯もあり、同じような政府の債務不履行が連続で起きたとなれば、金融市場の混乱も招きかない。とりわけ今、焦点となっているのは、中米と欧州だ。

中米では、カリブ海に浮かぶ米自治領プエルトリコは700億ドル(約8兆6000億円)となる債務の返済が事実上不可能になったとして、債務不履行(デフォルト)を宣言した。プエルトリコが発行していた高利回りの債権の償還が困難となり、動揺する投資家も出てきた一方で、「保有する銘柄のポジションにとって好都合だ」と評価する声も上がっている。

さらに、ギリシャ政府の財政も、もはや待ったなしで、より大きな注目を集めている。6月30日期限のIMFに対する債務をギリシャが返済しなかったことから、IMFも支援を全面停止。ギリシャの国民は、自身の預金をおろすために、銀行のATMの前に列を作るが、引き出し限度額が設けられるなど厳しい状況が続いている。さらに、そもそも、銀行自身が閉鎖されたままとなっており、営業再開のめどもたっていない。

ギリシャ財政の救済策を決めるための、同国政府と債権団との協議も失敗に終わり、ギリシャのチプラス首相は支援条件を受ける是非を問う国民投票を7月5日に行う構えだ。今後ギリシャはどうなるのだろうか。今後の懸念と、経済復活の可能性を探った。


グレグジットあれば、ハイパーインフレの恐れ

ギリシャ政府の財政破綻が広く懸念されるのは、通貨・ユーロへも大きく影響する可能性があるからだ。同国がユーロに加盟していることから、そのまま財政破綻してしまうと、通貨・ユーロそのものの価値が大きく下落してしまうかもしれないからだ。ユーロ圏のほかの国々にも影響しかねず、格付会社もギリシャ国債の格付けを引き下げる動きを見せ始めている。

一部には、さらに踏み込んだ可能性として、ギリシャのユーロ圏からの離脱を懸念する向もある。言い換えれば、リスクを切り離すという考え方だ。

もしもユーロから離脱させられた場合、ギリシャは以前使用していた自国通貨「ドラクマ」を復活させることになりそうだ。そして、ギリシャは、ハイパーインフレに見舞われることだろう。これは先日ハイパーインフレによって価値がほとんど消滅してしまったジンバブエ・ドルが証明している。

実はギリシャは、通貨ドラクマを使用している時にも、幾度となくインフレに陥り、そのたびにデノミ(通貨の切り下げ)を行ってきた歴史がある。自国通貨の価値が大幅に下落してしまうのは、今回が初めての経験ではないということだ。ユーロ圏に留まるにせよ、離脱して旧同国通貨であるドラクマを再度導入するにせよ、ギリシャは経済復活への道筋をつけなければならない。