目標
(写真=Thinkstock/GettyImages)

6月30日に閣議決定した財政健全化計画では、「経済再生なくして財政健全化なし」との理念で、名目GDP3%成長という経済再生の目標と税収の増加により、2020年度までに財政プライマリーバランスを黒字化することを目指す方針を示した。経済再生を目指す政策運営を硬直的にしデフレ完全脱却とその後の堅調な景気拡大のリスクとなりかねなかった2018年度の中間評価と歳出抑制策は、拘束力の強くない目安と位置づけられた。

財政緊縮が景気拡大の妨げとなるリスクを減じる好ましい計画になった。2018年度の中間評価は1%の赤字(2015年度は3.3%程度の赤字)まで改善することを目安とし、歳出額は上限を設定しなかった。過去3年間の実質的な歳出の増加が1.6兆円程度であるとした上で、経済・物価動向などを踏まえ、「その基調を2018年度まで継続させていく」という目安になった。

同じく閣議決定された成長戦略の改定では、政策で取り組むべき対象がこれまでの需要不足から労働力不足による供給制約になることを意識し、そのボトルネックを作らないため、ロボットやビッグデータ、人工知能といったIT技術を促進し、企業の生産性向上を後押しする方針を出した。

実質GDP成長率が2%程度を上回ることを目標とし、現在1%を下回る潜在成長率を大きく引き上げることを目指す。これまでの成長戦略の着実な推進、更に踏み込んだ法人税率引き下げと投資・R&D減税(その他の増税でオフセットしないこと)、そして2%の物価目標の達成をより確かなものとするための追加金融緩和など、財政・金融政策によるサポートの継続により企業を刺激し続けることが重要である。