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(写真=PIXTA)

◆先週金曜は、豪小売売上高の予想比下振れや中国HSBCサービス業PMIの悪化を契機に豪ドルが急落し、対米ドルで0.7509ドルと年初来安値を更新したのが特徴的だった。

これまで豪ドルは中国の景気減速や株安の影響をあまり受けていなかったが、中国当局の株価下支え策にも拘らず下げ止まらないことから、豪州景気への懸念が高まった可能性はある。

◆他方、その他主要通貨は、米雇用統計発表を終え、米国市場が休場で、かつ週末にギリシャ国民投票を控えていることから全体的に小動きに留まった。

◆ドル/円も小動きだったが、欧州時間にかけてTsiprasギリシャ首相が前日のIMF分析を基に債務の30%削減や債務期限延長を求めたこと等を受けた欧州株安を眺め、122円台半ばへ軟化した。

◆本日は、週末5日のギリシャ国民投票の結果が未明に大方判明し、債権団の提案する緊縮案に反対が61%、賛成が39%と圧倒的な反対勝利となったことから(開票率約90%)、ギリシャのユーロ圏・EU離脱リスクの高まりが懸念され、ユーロが1%近く下落、ドル/円は122円台後半から一時121.70円へ急落した後、122円台前半で不安定に推移している。

豪ドル/米ドルは0.75ドルを割り込み一時0.7452ドルへ下落、全般的にリスク回避モードとなっている。少なくとも明日のEU首脳会議でEU側の対応が決まるまで不安定な状況が続き、円高・ユーロ安バイアスが続きそうだ。


昨日までの世界:嵐の前の静けさ(除く豪ドル)

ドル/円は、米雇用統計発表を終え、米国市場が休場で、かつ週末にギリシャ国民投票を控えていることから動意薄ではあったが、欧州時間にかけてTsiprasギリシャ首相が前日のIMF分析を基に債務の30%削減や債務期限延長を求めたこと等を受けた欧州株安を眺め、一時122.60円へ軟化した。

ユーロ/ドルは、週末のギリシャ国民投票を控えて積極的なポジション造成が手控えられたとみられ、ギリシャ関連情報や欧州株安やドイツ10年債利回りの低下などの影響を殆ど受けず、1.11ドル丁度前後の狭いレンジ内で横ばいだった。

ユーロ/円も、136円台半ばを挟んで方向感なく上下する展開となった。

豪ドル/米ドルは、豪小売売上高の予想比下振れ(前月比+0.3%、市場予想は+0.5%)や中国6月HSBCサービス業PMIの悪化(前月53.5、実績51.8)を契機に豪ドルが急落し、対米ドルで0.76ドル台半ばからNY時間にかけて0.7509ドルと年初来安値を更新し09年5月以来の豪ドル安水準となったのが特徴的だった。

これまで豪ドルは中国の景気減速や株安の影響をあまり受けていなかったが、中国当局の株価下支え策にも拘らず下げ止まらないことから、豪州景気への懸念が高まった可能性はある。

豪ドル/円は、アジア時間朝方の94円丁度近辺から一時92.09円へ2円近く急落した。


きょうの高慢な偏見:YESキリスト、NOでキリステ?

ドル/円は、ギリシャ国民投票での反対多数を受けて、リスク回避的な動きとなり、米中長期債利回りの低下の可能性を意識した円売りポジションの削減から下落、122円台後半から一時121.70円へ下落した。

その後122円台半ばへ反発しており、東京時間は本邦政府高官から「急激な変動は望ましくない」といった発言が出てくると一旦下支えされる可能性はあるが、欧米時間にかけて実際に米中長期債利回りが低下に向かうと、再び売り圧力を受け121円台へ下落しそうだ。

ユーロ/ドルは、週末5日のギリシャ国民投票の結果が未明に大方判明し、債権団の提案する緊縮案に反対が61%、賛成が39%と圧倒的な反対勝利となったことから(開票率約90%)、ギリシャのユーロ圏・EU離脱リスクの高まりが懸念され、週末の1.11ドル丁度近辺から早朝に1.0970ドルへ1.2%下落、下げ止まりの気配はない。

市場は賛成多数をメインシナリオとしていたことから、サプライズとなる。ユーロ圏は7日午後6時(日本時間8日午前1時)に首脳会合を開催、それに向けて6日午前にEU大統領、ユーログループ議長およびECB総裁で電話会議を開催する予定だが、EU側が対応方針を決定するまでは不安定な状況が続きそうだ。決定しても、いい方向に進展する可能性は低い。

ユーロ圏が強硬姿勢を貫き、ギリシャとの交渉を打ち切れば、ギリシャの混乱が急速に深まり、他国への影響が出てくる可能性がある。

EU側が再び新たな提案を出しそれに対してギリシャが国民投票を続ける、ということを繰り返せば、EU・ユーロ圏の政策的一貫性はある程度保たれるが不安定な期間が長期化し、ギリシャの債務返済期限が次々と到来することになる。

EU側が妥協すれば、加盟国に国民投票実施という最終兵器を与えることになり、今後加盟国に緊縮策を課するのが困難となり、EU・ユーロ圏の存在基盤が大きく揺らぐことになる。いずれにせよ、短期的にはユーロを買いにくい状況となりそうだ。

豪ドル/米ドルもギリシャ国民投票を受けて0.75ドルを割り込み一時0.7452ドルへ下落、先週金曜からの下落トレンドに拍車がかかっている。また早朝には原油価格も下落しており、ギリシャのユーロ圏・EU離脱の悪影響の広がりを懸念してコモディティ価格全般に下落圧力がかかるとすると、豪州の主要輸出品である鉄鉱石価格の続落につながり、豪ドル続落に繋がる。

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山本雅文(やまもと・まさふみ)
マネックス証券 シニア・ストラテジスト

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