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(写真=PIXTA)


先週の米国株式市場

■ギリシャ問題による下げを埋めきれず下落

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先週の概況

先週の米国株式市場はダウ平均が週間で216ドル安と前週に続き続落しました。6月28日の日曜日にギリシャのチプラス首相が債権団の提案を国民投票にかけると表明し、ギリシャのユーロ離脱の可能性が高まったことで世界的に株安が進んだ流れを受け、ダウ平均は29日に350ドルの大幅下落となりました。翌日と翌々日には反発しましたが、29日の下げを埋めるまでは至りませんでした。

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米国株式市場バリュエーション

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業種別リターン

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ダウ平均採用銘柄 週間騰落率ランキング

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■上昇

ダウ平均採用の30銘柄中上昇は3銘柄にとどまりました。業界再編が進むとの思惑が高まったことでトラベラーズ・カンパニーズ(TRV)は週間で1.3%高となりました。

■下落

ギリシャ問題の混迷が深まり、リスクオフムードとなったことで多くの銘柄が下落しました。原油安が進んだとあってシェブロン(CVX)は週間で3%近く下落しました。


先週発表された主な経済指標

■非農業部門雇用者数 6月 22.3万人増 市場予想 23.0万人増 前月 28.0万人増

■平均時給(前年比) 6月 +2.0% 市場予想 +2.3% 前月 +2.3%

2日に発表された6月の米国雇用統計は良い点、冴えない点まちまちでしたが、特段9月利上げ開始や年内2回の利上げの確度を高めるような強い内容ではありませんでした。非農業部門雇用者数は前月差22.3万人増と市場予想の22.5万人増を小幅に下回りました。あわせて5月分と4月分の遡及改訂が行なわれ、累計で6万人の下方修正となっています。

また、従業員の平均時給は24.95ドルで前年同月比2.0%増と市場予想の2.3%増を下回り、前月から横ばいでした。労働市場の質的改善を示す指標として期待が高かっただけに、やや失望が大きかったと言えそうです。

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今後発表される主な経済指標

■6月 ISM非製造業景況感指数 市場予想 56.4 前月 55.7

6日にISM非製造業景況感指数が発表されます。先に発表された製造業指数は市場予想を上回って前月から改善し、冬場の悪化からの改善傾向が鮮明となりました。

一方非製造業指数は、水準は製造業指数よりも高いものの、足下まで2ヵ月連続で悪化しており、景況感の悪化継続が懸念されます。市場予想では56.4と3ヶ月ぶりに前月から改善すると予測されています。

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マーケットビュー

■ギリシャの国民投票結果受けて調整必至も押し目買いの好機

先週のマーケットビューでは、ギリシャ問題の余波でダウ平均はいったん200日移動平均線までの調整が見込まれると記しました。やはり週初はリスクオフムードとなって200日移動平均を割り込む水準まで下落しましたが、その後やや値を戻し200日移動平均を上回って引けており、概ね想定通りの展開となりました。

今週の米国株式市場はギリシャの国民投票で緊縮策への反対が多数となったことで、先週同様週初は株価の下落が見込まれます。ただ、直近発表された米国の経済指標は冬場の落ち込みからの回復が鮮明となっています。

7-9月期以降は企業収益の回復が加速するとみられ、他国と比べて年初から出遅れが著しい現在の米国株に資金が回ってくるタイミングがそう遠くない時点で来ると考えています。

もちろん利上げを控えていることは米国株にとってはマイナス材料ですが、既に相応に織り込んだとみており、さらに今回の利上げ局面はゆっくりとしたペースでの利上げとなることが見込まれることから、利上げが今後も米国株の上昇を大きく阻害する可能性は低いのではないかと見ています。

今回一段の株価調整があるとしたら、それは押し目買いの好機であると考えています。

益嶋裕
マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部

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