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(写真=PIXTA)


今週の注目レポート・重要ニュース

■米国

先週の米国株式市場はダウ平均が週間で216ドル安と前週に続き続落しました。6月28日の日曜日にギリシャのチプラス首相が債権団の提案を国民投票にかけると表明し、ギリシャのユーロ離脱の可能性が高まったことで世界的に株安が進んだ流れを受け、ダウ平均は29日に350ドルの大幅下落となりました。

翌日、翌々日には株価は反発しましたが、29日の下げを埋めるまでには至りませんでした。なお、7月3日は独立記念日の振替休日のため休場でした。

◇米ISM製造業景況感指数

1日に発表された6月のISM製造業景況感指数のヘッドラインは53.5と前月の52.8から改善し、市場予想の53.2を上回りました。3ヵ月連続での改善となり、冬場の落ち込みからの改善が鮮明となりました。

指数の内訳を見ると前月から改善したのは「新規受注」・「在庫」・「雇用」の3項目で、「生産」・「入荷遅延」の2項目は前月から悪化しました。特に「雇用」が51.7→55.5と3.8ポイントの改善で、ヘッドラインの改善を牽引しました。

◇米雇用統計

2日に発表された6月の雇用統計で、非農業部門雇用者数は前月差22.3万人増と市場予想の22.5万人増を小幅に下回りました。あわせて5月分と4月分の遡及改訂が行なわれ、累計で6万人の下方修正となっています。

また、労働者の平均時給は24.95ドルで前年同月比2.0%増と市場予想の2.3%増を下回り、前月からは横ばいでした。労働市場の質的改善を示す指標として期待が高かっただけに、やや失望感が大きかったと言えそうです。

やむを得ずパートタイマーとして働いている人を失業者としてカウントして算出するU-6失業率が前月から0.3ポイントの改善を見せ、27週以上の長期失業者数が前月から38.1万人の大幅減少となるなど、良い内容も散見されたものの、全体としてはマーケットの利上げ開始の予想時期や今後の利上げペースを早める確度を高めるような強い内容ではありませんでした。

◇ISM非製造業景況感指数

6日にISM非製造業景況感指数が発表されます。先に発表された製造業指数は市場予想を上回って前月から改善し、冬場の悪化からの改善傾向が鮮明となりました。

一方、非製造業指数の水準は製造業指数よりも高いものの、足下まで2ヵ月連続で悪化しており、景況感の悪化が懸念されます。市場予想では56.4と3ヶ月ぶりに前月から改善すると予測されています。

◇6月FOMC議事要旨

8日に6月に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が公表されます。利上げ開始の時期やペースについて、どのような議論が行なわれたのか注目されます。

◇イエレンFRB議長発言

10日にイエレン議長の講演が予定されています。6月の雇用統計はさほど強い内容ではなかったとは言え、これまでどおり年内利上げ開始に意欲を示す内容となると予想されます。

■欧州

先週の欧州の主要株価指数はギリシャ問題の混迷が深まったことを受けて下落しました。ドイツのDAX指数は週初から大きく下落して始まると、30日には11,000ポイントの節目を割り込みました。

週の半ばにギリシャのチプラス首相が債権団の提案内容全般を受け入れる意向であると伝わり、反発する場面も見られましたが国民投票を週末に控えてその後は再び軟調に推移しました。

ユーロ/ドルは、ギリシャの国民投票実施方針を受けて週明けに1.11ドル台後半から1.09ドル台の安値をつけましたが、ドイツよりも米国の方が長期金利の低下が大きかったためか、すぐに1.12ドル台へ反発しました。

その後米経済指標の予想比上振れを受けたドル高もあって、1.10ドル台半ばへ反落しました。国民投票を控えていたとあって週末にかけては積極的なポジション造成が控えられたとみられ、1.11ドル丁度近辺での狭いレンジでの推移となりました。

なお、週明けにはギリシャ国民投票での反対多数の結果を受けて一時1.10ドル割れへ下落しました。

◇ユーロ圏消費者物価指数

6月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)は前年同月比0.2%の上昇と市場予想と一致し、2ヵ月連続でプラスとなりました。伸び率は前月の+0.3%から小幅鈍化しましたが、サプライズがなかったことからドイツの長期金利やユーロ/ドルへの影響は限定的でした。

◇EU首脳会合

7日にギリシャ国民投票結果を踏まえ、対応を協議する緊急EU首脳会合が開催されます。ギリシャ支援に向けた協議を終了させギリシャの経済的破綻やEUからの離脱に追い込むのか、あるいはギリシャ国民の更なる緊縮策への強い反対姿勢を考慮し、妥協案を提示し合意に向かうのか、EUの将来にとっても重要な決定となるだけに注目されます。

◇ドイツ鉱工業生産

7日にドイツの鉱工業生産指数が発表されます。市場予想では前月比0.1%増と小幅な伸びが予想されています。昨年10月に8月分が発表された際には同指数が前月比4%超の減少とネガティブ・サプライズとなったことが欧米の株価指数急落の要因の1つとなったこともあり、注目されます。