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(写真=PIXTA)


貸出動向:設備投資の動向がカギに

日銀が7月8日に発表した貸出・預金動向(速報)によると、6月の銀行貸出(平均残高)の伸び率は前年比2.6%と前月(改定値2.7%)から僅かに縮小した。

業態別の内訳では、地銀(第2地銀を含む)が前年比3.8%(前月は3.9%)、都銀等が前年比1.2%(前月は1.3%)とそれぞれ小幅に縮小した。

6月は円安が進行したため、外貨建て貸出の円換算額増加に寄与したはずであり、実勢として伸びがやや鈍化している。

ただし、これまで牽引役となってきたM&A向けや不動産向けは引き続き堅調とのことであり、中小企業向けが前年比プラスを維持するなど裾野の広がりも確認できる。銀行貸出の基調としての緩やかな増勢には特段の変化はないとみられる(図表1~4)。

銀行貸出残高の増減率

今後は、設備投資の動向が注目される。7月1日に公表された日銀短観における15年度設備投資計画は近年まれに見る大幅上方修正となった。今後、実際に設備投資が活発化し、資金需要に結びつくかどうかが、銀行貸出の増勢を左右する重要な要素となりそうだ(図表5)。

なお、5月の新規貸出金利については、短期(一年未満)は0.742%(前月は0.716%)と横ばい圏、長期(1年以上)は0.85%(前月は1.023%)と低下している。毎月の振れが大きい指標ではあるが、基調として上昇に転じた兆しは見られない。

市場金利の代表格である10年国債利回りは1月を底に上昇に転じているが、銀行貸出への波及は今のところ確認できない。銀行間の厳しい貸出競争や日銀による低利資金供給などが複合的に影響しているようだ(図表6)。

日銀短観 設備投資計画