金融
(写真=Thinkstock/Getty Images)

7月14、15日の日銀金融政策決定会合は政策の現状維持となった。「2%の物価安定の目標の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで」、マネタリーベースを「年間約80兆円」増加させる現行のコミットメントを続ける。

日銀のコミットメントに反し、消費税率引き上げ後の需要停滞と原油価格の下落などにより、消費者物価指数の伸びが止まってしまっている。前年同月比では夏場には若干のマイナスまで落ち込む可能性がある。しかし、ここ数回の決定会合で物価が若干下落することを既に織り込んでいることを公表したが、追加金融緩和をしなかったことで、早期の追加金融緩和の可能性は低下している。

4-6月期の日銀短観では、製造業と非製造業とも景況感が改善し、設備投資計画が大きく上方修正され、企業活動が活性化してきていることも確認された。短観の結果でデフレ完全脱却へ順調な足取りを示していると日銀は考えたのだろう。

しかし、日銀が織り込んでいるとしても、実際に物価上昇率が一時的にマイナスになるなど停滞が続けば、状況が変化してくる可能性が高い。物価上昇率が停滞しているという報道が多くなることにより、期待インフレ率が低下するリスクが大きくなるからだ。

昨年10月に日銀がマーケットの予想に反して追加金融緩和に踏みきった理由を、「原油価格の下落は、やや長い目でみれば経済活動に好影響を与え、物価を押し上げる方向に作用する。しかし、短期的とはいえ、現在の物価下押し圧力が残存する場合、これまで着実に進んできたデフレマインドの転換が遅延するリスクがある」としていた。