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(写真=PIXTA)

欧州中央銀行(ECB)が16日、政策理事会を開催、政策金利の据え置きと月600億ユーロの国債等の資産買入れ継続を決めた。

前回6月3日の理事会以降、ギリシャ情勢は急展開したが、域内他国の国債利回りやユーロ相場への影響は限定的だった。声明文では、従来と同じ「景気回復の裾野が広がりつつあり、インフレ率は今後数年間で徐々に高まる」との判断が示された。

記者会見では15日のギリシャ議会での改革関連法案の成立を受けて、緊急流動性支援(ELA)の上限を向こう1週間で9億ユーロ引き上げたことも明らかにされた。ギリシャの銀行の営業の一部再開への道が開かれた。

ドラギ総裁がギリシャには「債務軽減(debtrelief)が必要」と述べたことは、ユーロ圏首脳が合意した第3次支援プログラムの想定よりも踏み込んだ措置がなければ、ギリシャの危機は繰り返されるとの懸念を示したと思われる。


金融政策は現状維持

欧州中央銀行(ECB)が16日、政策理事会を開催、過去最低水準での政策金利の据え置き(図表1)と月600億ユーロの国債等の資産買入れの継続を決めた。ECBの資産買入れは、国債が8割強、カバードボンドやABSで2割弱という配分で、当初予定通りのペースで継続されている。

7月9日時点で、15年3月以降の国債買い入れ残高は2163億ユーロ、14年10月以降のカバードボンドの買い入れ残高は982億ユーロ、ECBの資産残高は2.5兆ユーロを超える水準まで拡大している(図表2)。


ギリシャ情勢急展開も、ユーロ圏他国の国債利回りやユーロ相場、ユーロ圏経済への影響は限定

前回6月3日の政策理事会以降、特に6月下旬から、ギリシャ支援問題が軟着陸への期待を裏切る展開が続き、デフォルトと事実上のユーロ離脱懸念が迫ったが、12年と異なり、域内他国の国債利回りには殆ど影響が見られなかった(図表3)。

資産買入れプログラムは防火壁として強力な役割を果たしたと思われる。ユーロ相場も、支援協議の決裂や支援機関の改革案を拒否する国民投票の結果といった悪材料でユーロ安に振れる動きはあったが、量的緩和期待を織り込んだユーロ安進行の局面などに比べて、変動幅はごく小さかった(図表4)。

ユーロが経常黒字の通貨であることや、ECBの超低金利政策を背景に、キャリートレードの調達通貨として利用されていることが、リスク・オフになると逆にユーロ高に振れるということも影響したようだ。

今回の声明文では、ユーロ圏の景気・インフレ見通しについて、従来と同じ「景気回復の裾野が広がりつつあり、インフレ率は今後数年間で徐々に高まる」という判断が示された。

欧州中央銀行(ECB)