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(写真=PIXTA)


今週の特徴:トレンド小休止

今週は、前週のドル高基調が反転し、ドル/円が124円台での上値の重さが、ユーロ/ドルは1.08ドルの底堅さが意識されたのが特徴的だった。ポンドも、BoE利上げ期待の高まりを受けた上昇基調が、英小売売上高の予想外のマイナスを受けて大幅反落している。

他方、コモディティ価格の下落が続いたことから、カナダドルや豪ドルの連れ安も目立った。但しNZドルはRBNZが利下げを行い先行きの追加利下げを示唆したにも拘らず、決定前から反発基調となった。


来週の見通し:コミッティとコモディティ

来週は米FOMCと2QGDPが最大の注目点となる。

米FOMCではまだ利上げは予想されないものの、次回9月会合での利上げ開始に向けた明確なシグナルかある場合にはドル買いとなり易いほか、低成長だった1Qからの大幅加速が予想されている米2QGDPが市場予想(前期比年率+2.5%)を上回れば、FOMC声明が玉虫色でも利上げ期待が高まりドル高となり易い。

但しドル/円は124円台では本邦当局の円安牽制姿勢や追加緩和消極姿勢が意識され易い中で、125円を目指すには9月利上げ開始の明確なシグナルと米景気の2%台後半の高成長が必要だ。

逆にこれらがない場合、123円丁度方向への動きとなりそうだ。またコモディティ価格の下落がどこまで続くかも注目で、豪ドルなどコモディティ通貨への売り圧力が続きそうだ。

◆ドル/円

◇今週レンジ:123.57~124.48円(想定レンジ内)
(前週時点の予想:123.0~125.0円)

ドル/円は、21日までは前週以降のドル高地合いが継続し、一時124.48円へ続伸した。

もっとも、21日NY時間にかけては、米株安が下落に転じたほか、黒田日銀総裁がインフレが向こう数か月間に加速するとの見通しに加えて、現時点で追加緩和は不要との見解を述べたことも円買戻し材料となり、翌22日東京時間にかけて123.57円へ続落した。

その後は、22日の米中古住宅販売や23日の米新規失業保険申請件数など、米経済指標は市場予想比良好な結果のものが相次ぎドル/円は再三124円乗せをトライしたものの、124円台へ上昇するとドル売りが持ち込まれやすく、124円丁度を挟んだもみ合いで推移している。

◇来週予想レンジ:123.0~125.0円

来週のドル/円の焦点は29日の米FOMCと翌30日発表の米2QGDPだ。

今回FOMCではまだ利上げは予想されていないものの、次回9月会合での利上げ開始に向けた明確なシグナルかある場合にはドル買いとなり易いほか、低成長だった1Qからの大幅加速が見込まれる米2QGDPが市場予想(前期比年率+2.5%)を上回れば、FOMC声明が玉虫色でも利上げ期待が高まりドル高となり易い。

なお、最近注目が集まっているアトランタ連銀のリアルタイムGDP推計によれば直近7月17日時点で+2.4%と、市場予想とほぼ同じとなっている。

但し、124円台では本邦当局の円安牽制姿勢や追加緩和消極姿勢が意識され易い中で、125円を目指すには9月利上げ開始の明確なシグナルと米景気の2%台後半の高成長が必要だ。逆にこれらがない場合、123円丁度方向への動きとなりそうだ。

31日発表の本邦CPIでも、最近日銀は原油安の影響を除くためかエネルギーを除く指標を重視し始めているとみられる中で、CPI除く食料・エネルギー計数が前月(+0.2%)から加速するようだと、黒田総裁のインフレ加速見通しが再確認されるかたちとなり、ドル/円の上値抑制要因となる。

◆ユーロ

◇今週レンジ:1.0809~1.1018ドル、134.33-136.44円(想定レンジ内)
(前週時点の予想:対米ドル1.0750~1.110ドル、対円133.5~137.0円)

ユーロ/ドルも、週初は前週の欧州の株高・金利低下とユーロ安傾向が続き、21日早朝に1.0809ドルの安値をつけた。

もっとも、21日には米利回りの反落と共に急反発し、23日もギリシャ議会で第3次支援協議開始に必要となる第2弾改革案が可決されたことが好感されてか続伸し、1.1018ドルの高値をユーロ/円も、ユーロ/ドルと同様の動きとなり、134円台半ばでスタートした後に21日に135円台半ばへ上昇、23日には136.44円の高値をつけた。

◇来週予想レンジ:対米ドル1.0850~1.110ドル、対円135.0~137.5円

ユーロ/ドルは、ドイツ10年債利回りは低下方向にあるものの、米利回りの低下の方が大きくなっていることから、1.08ドル下抜けトライに失敗した後反発地合いとなっている。

来週は米FOMCと米2QGDPが注目で、9月利上げ開始の明確なシグナルや2%台後半の成長が確認されれば再び1.08ドル割れを試す展開となる一方、そこまで強い結果とならない場合には1.09~1.10ドルを中心とした方向感のない推移となりそうだ。

ユーロ圏では31日にHICP速報値が発表予定となっており、前日のドイツ分公表で伸びの加速がみられればユーロ圏分も同様の結果が予想されユーロ下支えとなるが、ECB量的緩和の早期終了期待を高めるほど強い結果は予想されない。

◆豪ドル

◇今週レンジ:対米ドル0.7299~0.7450ドル、対円90.47~92.26円(想定レンジ内)
(前週時点の予想:対米ドル0.720~0.750ドル、対円90.0~93.0円)

豪ドル/米ドルも週初にかけてじり安基調が続き、特に20日アジア時間には金価格の急落につれるかたちで0.7328ドルの安値をつけた。

21日には米ドルの全般的な反落を受けて0.74ドル台半ばへ急反発する局面がみられたが、その後は原油や銅など国際コモディティ価格の下落基調が続く中で、再び0.73ドル台半ばへ軟化、24日には中国CAIXIN製造業PMIが48.2と前月および市場予想を大幅に下回ったことから0.73ドル割れへ急落、年初来安値を更新した。

この間、豪2QコアCPIは前年比+2.3%と市場予想を上回ったが、RBAの目標レンジ内に収まっていることもあって豪ドル上昇は限定的だった。

豪ドル/円は先週以降の91円台を中心としたレンジ取引が続き、週初20日に91.00円へ下落してスタートした後、21日には92.26円へ反発し高値をつけたものの、週末にかけては再び91円丁度近辺へ軟化してきていた。そして24日には中国CAIXIN製造業PMIの下振れを受けて90円台半ばへ大きく下落した。

◇来週予想レンジ:対米ドル0.7250~0.7450ドル、対円89.5~91.5円

豪ドル/米ドルは、豪州経済指標はどちらかというと予想比上振れが多く短期ファンダメンタルズ面では強含み方向だが、カナダドルやNZドルなど他のコモディティ通貨安と米利上げ期待を背景とした米ドル高傾向の影響をより強く受けるかたちで、年初来安値の更新が続きそうだ。

引き続き、節目となる0.70ドルまで明確なサポート不在の中で、0.72ドルを目指す展開となりそうだ。豪州の材料は少なく、30日の住宅建設許可件数と31日の民間貸出統計しかない。30日にStevens・RBA総裁発言予定されているが、今週既に発言しており目新しい内容は予想されない。

(今週のレンジ実績は月曜から金曜昼頃まで、数値はBloombergより)

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山本雅文(やまもと・まさふみ)
マネックス証券 シニア・ストラテジスト

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