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(写真=Thinkstock/GettyImages)


変動幅拡大なら下限メド突破の可能性が浮上

◆7月の人民元相場(対米国ドル)は基準値・現物実勢ともにほぼ横ばいで推移した。米国では利上げ観測、中国では利下げ観測と、米中金利差拡大で元安・ドル高となり易い地合いだったものの、中国人民銀行が基準値を高めに設定したため横ばいに留まったと見られる。

◆当面の人民元(現物実勢)は引き続きボックス圏での推移を予想している(取引レンジは1米国ドル=6.12~6.27元)。引き続き米国では利上げが視野に入る一方、中国では利下げ観測がくすぶるため元安となり易いが、中国人民銀行が基準値を高めに設定することで弱含みでも急落しない展開が続きそう。但し、変動幅拡大なら下限メド突破の可能性が浮上。


7月の動き

7月の人民元相場(対米国ドル)は基準値・現物実勢ともにほぼ横ばいで推移した。基準値は当月高値が13日に付けた1米国ドル=6.1133元、当月安値が21日に付けた同6.1199元と小幅な変動幅に納まり、7月末は前月末比0.1%元安・ドル高の同6.1172元で終えた。

一方、現物実勢(スポット・オファー、中国外貨取引センター)は、1日に付けた1米国ドル=6.2019元が当月高値、7日に付けた同6.2100元が当月安値となり、その後は極めて狭いレンジ内で相場は膠着、7月末は前月末比0.1%元安・ドル高の同6.2098元で取引を終えた(図表-1)。

人民元(対米国ドル)の価格推移

米国では利上げ観測がくすぶる一方、株価が急落した中国では利下げ観測がくすぶっていたことから、元安・ドル高となり易い地合いだった。しかし、中国人民銀行が基準値を高めに設定し続けたことから、下値余地(許容変動幅の下限)も限られ、狭いレンジ内で横ばいとなった(図表-2)。

基準値

一方、世界の通貨の動きを見ると7月はドル全面高の動きとなった。主要通貨では欧州ユーロが米国ドルに対して前月末比0.8%下落、日本円が同1.2%下落となった他、新興国通貨でもブラジル(レアル)とロシア(ルーブル)が同8%超の下落、韓国(ウォン)とタイ(バーツ)が同4%超の下落となった(図表-3)。

変化率

ドル全面高の中で、中国の通貨(人民元)は米国ドルに対してほぼ横ばいで推移したことから、人民元には再び割高感がでてきている。