imasia_16315874_S
(写真=PIXTA)


今週の特徴:コモディティ通貨の反逆

先週は、Fed高官のタカ派発言や米ISM非製造業景況指数の予想比大幅上振れを受けてドルが対円、ユーロなどで上昇したが、米雇用統計発表後にドルが反落し、結局ほぼ週初の水準に戻ったのが特徴的だった。

ドル/円は125円の重さが改めて意識されることとなった一方、ユーロ/ドルはレンジ観が強まった。他方、豪ドルは資源安・米ドル高基調の中でもあまり下落せず、むしろRBAのハト派度後退を受けて反発基調となったのが特徴的だった。

この間、ポンドは6日のBoE金融政策・議事要旨・四半期インフレ報告同時発表でインフレ見通しが下方修正されたことや、利上げ支持が9票中1票しかなかったことを受けて早期利上げ期待が後退し、大きく下落した。


来週の見通し:米国のローフレーション(低インフレ)

今週は米国と中国の経済指標が焦点となる。米国では、小売売上高(13日)やミシガン大消費者信頼感(14日)で米経済の牽引役である個人消費の強さを確認できればドル下支えとなる一方、輸入物価(13日)、コアPPI(14日)など川上のインフレ指標は低下予想となっており、ドルは引き続き高値圏ながら方向感が出にくそうだ。

他方、中国では主要経済指標(小売売上高、鉱工業生産、固定資産投資)が市場予想を下回ると、中国景気減速懸念が再び強まり、資源安を通じて豪ドルの上値を抑制するほか、下振れが大きいと投資家のリスク回避傾向が強まり、米利回り低下と共にドル/円にも下押し圧力がかかるリスクがある。

◆ドル/円

◇先週レンジ:123.80~125.07円(想定より狭いレンジに) (前週時点の予想:123.0~125.5円)

ドル/円は、4日にLockhartアトランタ連銀総裁が米経済が大幅に悪化しない限り9月利上げを支持するというタカ派的な発言を行ったことを受けて124円丁度近辺から124円台半ばへ上昇、そして5日発表の米ISM非製造業景況指数が60.3と市場予想を大きく上回り10年振りの水準へ改善したことから一時125円乗せへ続伸、更に7日の米雇用統計で非農業部門雇用者数が+21.5万人と市場予想を若干下回ったものの過去計数が上方修正されたことから9月利上げの確率が高まるとの期待から125.07円へ続伸した。

もっとも、その後は米雇用統計で平均時給の伸びが前年比+2.1%と市場予想を下回ったことが材料視されたためか、ドル利食いが優勢となり124円台前半へ大幅反落し、結局ほぼ週初の水準に逆戻りした。この間、米ISM製造業景況指数は52.7と前月および市場予想を下回り、米ADP民間雇用も+18.5万人と市場予想を下回っていたが、ドル安は限定的だった。

◇今週予想レンジ:123.5~125.0円

今週のドル/円の焦点は米経済指標で、小売売上高(13日)やミシガン大消費者信頼感(14日)で米経済の牽引役である個人消費の強さを確認できればドル下支えとなる。一方、輸入物価(13日)、コアPPI(14日)など川上のインフレ指標は低下予想となっており、ドルは引き続き高値圏ながら方向感が出にくそうで、124円台でのもみあいが続きそうだ。

米国では経済活動指標は概ね回復基調にあるにも拘らず、7月31日発表の雇用コスト指数(前年比+2.0%)、先週発表のコアPCEデフレータ(前年比+1.3%)や平均時給(前年比+2.1%)などで示されたようになかなかインフレが加速しない「ローフレーション(lowflation)」状態となっており、金融政策対応が読みにくくなっている。

なお、12日発表の中国主要経済指標の市場予想比下振れが大きいと、投資家のリスク回避傾向が強まり米利回り低下と共にドル/円にも下押し圧力がかかるリスクがある点は注意が必要だ。