IPO(新規公開株)の全てがわかる7つのポイント

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2015年当初と比較して依然として高水準にある日経平均株価。しかし、中国株式市場の急落、ギリシャ問題などの外部環境の変化によって、上昇のペースは衰えている。

こうなると株式売買によって得られる利益は小さくなりがちだ。ところが、株価指数の上昇幅が小さい局面でも、大きな利益を上げられるチャンスがある。それがIPO株投資だ。今回は、IPOとは何なのかというところから、IPOの買い方や取扱証券会社ごとの特徴、当選確率を上げる方法までわかりやすく解説したい。

過去2年で勝率7割を誇るIPOとはなにか

IPO(Initial Public Offering : 新規公開株)とは、会社の株式を新たに上場することで、市場で自由に売買できるようにすることである。株式を上場するメリットとして、信用力が高まり、資金調達が容易になることが挙げられる。また、知名度が上がることで、製品が売れやすくなるなどの効果も期待できる。こうしたメリットを享受すべく、IPOが行われる。

【IPO株の入手には抽選が必要】
IPO株は、上場前に証券会社を通じて購入することが可能だ。ただし、IPO株の人気は高く、倍率の高い抽選に当選しないと購入できない。

抽選と聞くと面倒に感じるかもしれないが、IPO株は初値が値上がりすることが多く、大きな利益を得られる可能性を秘めている。実際、IPO株の勝率は、2013年で96.2%、2014年で69.4%と高い実績を残している。

また、銘柄によっては、事前購入価格の2倍以上の初値がついた例もある。したがって、短期、中長期のいずれの投資方針をとるにしても、IPO株を安値で購入するためには、上場前に購入することが望ましいといえる。

【IPO株の値上がり実績】
2014年7月に東証ジャスダック市場に上場した、居酒屋を展開する鳥貴族<3193> は、公募価格2,800円に対して、6,180円の初値がついた。1株当たり3,380円の利益であり、100株単位で購入することから、最低単元を購入していただけでも3,380×100=33万8,000円の利益が出たことになる。

さらに、2015年に入ってからも、インターネット上で雑誌の定期購読申込みサービスを展開する富士山マガジンサービス <3138> が、公募価格2,650円に対して6,000円の初値をつけ、最低単元の購入だけでも33万5,000円の利益を生みだせた計算になる。

【IPO株は利益を出しやすい】
このように、IPO株は勝率が高いだけでなく、一気に高額の利益を獲得できる可能性も秘めている。したがって、IPO株は人気が高く、抽選に当選するのが難しい一方で、当選しさえすれば簡単に利益を出せることが多い。

IPOは、2013年に54社、2014年59社で実施された。2015年に入ってからも、IPOは活発に行われている。7月には6件のIPOが実施された。IPO株を購入するなら、できるだけ多くの抽選に参加したほうが当選確率は上がるので、早めに抽選準備を始めるようにしよう。

IPOにNISAを使うと効果抜群

IPO投資を行うならば、NISAを是非活用したい。NISA(少額投資非課税制度)とは、個人の投資を後押しするために設けられた制度で、NISA口座で購入した資産については、値上がり益や配当金・分配金などが最長5年間非課税となる。そこで、NISAによる非課税メリットを最大限に享受するためには、大きな値上がり益が期待できる資産をNISA口座で購入すれとよい。

IPO株は、2倍以上に値上がりするケースもあることから、NISA口座で購入すると大きな節税効果が期待できる。また、NISA口座での投資は、損益通算ができないというデメリットがあるが、IPO株は勝率が高いので、損失が発生する可能性は他の投資と比べて小さく、損益通算ができないデメリットをそれほど意識しなくて良い。

そこで、NISAでIPO株を買う際には、IPO株の中でも特に値上がりしそうなものを選んで活用しよう。NISAの年間非課税枠120万円(2016年12月現在)は、一度投資をすると、売却しても回復しない。したがって、できるだけ大きく値上がりする銘柄に厳選して活用するとよい。とはいえ、NISA枠を出し惜しみしすぎて年末に余ってしまった場合、翌年に余った枠を繰り越すことはできないので注意が必要だ。

【関連記事】
なぜNISA(ニーサ)はIPOで活用すべきなのか?~活用時の注意点とは?~

IPO株の投資では初値予想が大切

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(写真=Thinkstock/Getty Images)

【IPO株で利益を上げるには初値予想が大切】
IPO株が上場し、最初に売買が成立した価格が初値だ。IPOの実施が決まると、銘柄ごとに、初値予想が行われる。IPO株に投資して利益を上げるためには、初値予想に注目することが重要だ。

初値予想が公募価格よりも大幅に高い場合は、当然利益を上げられる可能性が高い。しかし、初値予想が公募価格に近い場合は、抽選に当選した場合に本当に利益を上げられるのかどうか十分に吟味する必要がある。

【IPOの初値予想で注目するべきポイント】
そこで確認すべきポイントとしては、IPO実施企業の業績推移が挙げられる。売上高が順調に伸びているかどうかや、すでに黒字経営になっているか、自己資本比率は十分に高いかなどを確認するとよい。これらのポイントを確認し、企業の業績が良好に推移していると判断した場合は、上場前に株式を購入できるよう、抽選に申し込もう。

たとえ初値予想が的中し、公募価格からそれほど大きく値上がりしない場合でも、好業績なのであれば、初値で売却せず、保有し続けることによって今後の株価上昇が期待できる。

また、業績推移のみならず、売出株式数をチェックすることも有効だ。いくら業績が良好な企業であっても、売出株式数が多すぎると、供給過剰が原因で初値に下押し圧力がはたらく。業績推移を確認した後は、同種の企業のIPO実績などと比較し、売出株式数が多すぎないか確認しておこう。


このようにして、利益が出にくいと考えられるIPO株への投資を見送ることができれば、IPO株への投資による勝率や収益率を、さらに高めることができるだろう。

IPO株の買い方

【証券口座を開設する】
IPO株を買う際には、抽選に申し込む以前に、証券会社に口座を開設しておく必要がある。IPO株は、ネット証券でも多く取り扱われている。そのため、口座の開設や維持にコストがかからないネット証券を中心に開設しておくのがおすすめだ。

ネット証券の中でも、IPO株の取扱実績が豊富な証券会社として、 マネックス証券 が挙げられる。IPO株に投資するなら、少なくとも上記2社の口座は開設しておこう。

【購入したいIPO株の情報を調べる】
口座の開設が完了したら、IPO株の情報について調べておこう。各IPO株を扱う証券会社は都度限られているので、もし口座を持っている会社が含まれていなければ新たに取り扱い証券会社での口座を開設する必要がある。

特に、主幹事となる証券会社の口座を開いておくことは非常に重要だ。なぜなら、IPO株は証券会社ごとに割り当て数が決まっており、主幹事を務める証券会社に最大数が割り当てられるからだ。

【抽選に申し込む】
抽選申し込み期間が始まり、申し込みを行う際には、希望する購入数量と購入価格を入力する。購入価格は、値幅と刻みがあらかじめ決められている。IPO株は人気が高いことから、仮条件の値幅上限が公募価格となるのが一般的だ。IPO株の抽選に当選したければ、仮条件の値幅上限で抽選申し込みをしよう。

【IPO株を購入する際の注意点】
抽選日には「申込数量×公募価格」で求まる購入総額に対応する買い付け余力を持っておく必要がある。買い付け余力が不足している場合は、そもそも抽選する前から落選が決定してしまう。申し込みをしただけで満足せず、買い付け余力が十分にあるかどうかも確認することが必要だ。

特に、既に抽選に当選した銘柄がある場合には、証券口座内の資金の一部が拘束されており、買い付け余力が不足しているのに気付きにくくなるので注意が必要だ。

抽選結果が発表されたら、当落確認は必ずおこなおう。当選した場合には、購入の意思表示を行う必要がある。せっかく当選していても、購入の意思表示を指定された期間内に行わなければ、当選が無効となってしまうので注意しよう。

抽選申し込み期間が1週間程度ある場合でも、購入意思表示の期間は2日程度しかないことがある。購入意思表示ができる期間は短いと意識しておき、IPO株の抽選に申し込んだ際は、購入意思表示期間をメモしておいたり、毎日証券会社の画面をチェックしたりして、意思表示に漏れがないように心がけよう。
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IPO当選確率を上げる方法

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(写真=PIXTA)

IPO株は、当選しさえすれば利益が出る確率が高く、得られる利益額も大きい傾向がある。そのため、できるだけ多くの工夫を重ねて、IPO株の当選確率を高めたいものだ。

【IPO当選確率を上げる方法①:主幹事証券会社から申し込む】
IPO株の当選確率を高めるためには、まず主幹事となっている証券会社の口座を開いて応募することが有効だ。なぜなら、主幹事がIPO株のおよそ80%を引き受けるのが一般的だからだ。当選口数が最大であることから、主幹事証券ではIPO抽選の倍率が他の証券会社よりも低くなることが多い。


【IPO当選確率を上げる方法②:できるだけ多くの口座から申し込む】
主幹事のみならず、IPO株を取り扱うできるだけ多くの証券会社で抽選に応募することが望ましい。1社で当選したからといって、他社での当選確率が下がることはないので、運が良ければ複数の証券会社でIPO株の抽選に当選することも考えられる。

また、抽選に参加する口座数を増やす方法として、家族にも口座を開設してもらう方法がある。自分だけでなく、家族にもIPO株の抽選に参加してもらうことによって、抽選の参加口数を増加させ、当選確率を高めることができる。SBI証券や 松井証券 、マネックス証券では、親が口座を保有していれば未成年の子供の口座を開設することも可能だ。

【 IPO当選確率を上げる方法③ : 時間差を利用する】
抽選の時間差を利用することで当選確率を高めることもできる。 楽天証券 や松井証券、 GMOクリック証券 カブドットコム証券 では、IPOの購入申し込みをした後に抽選が行われる。そのため、SBI証券やマネックス証券などと抽選に時間差が生じ、同じ資金量でもより多くの抽選に参加できる。

【 IPO当選確率を上げる方法④ : SBI証券のチャレンジポイントを利用する】
加えて、IPO投資に繰り返しチャレンジすることで、当選確率が高まる証券会社もある。

SBI証券 では、IPO抽選に外れた場合、IPOチャレンジポイントが1ポイント加算される。このポイントを利用することで、IPOの抽選に当選する確率を高めることができる。SBI証券では、自社割り当てのIPO株のうち、70%を通常の抽選に回し、残りの30%を、落選者のうちでチャレンジポイントを多く使用した人から順に割り当てる方式をとっている。

したがって、IPOチャレンジポイントを大量に使用すれば、当選確率を高めることができる。あまり倍率が高くなりそうにないIPO株の抽選に参加するときは、IPOチャレンジポイントを使わずにためておき、大きな値上がりが期待できる銘柄が出てきた際には、一気に多くのポイントを使用して当選を狙っていこう。

このように、IPO株の当選確率を高める方法は多くある。これらの方法を組み合わせて、着実にIPO株の当選確率を高めていこう。努力が実って多くの利益が出た際には、大きな喜びを感じられるはずだ。

【関連記事】
IPO当選確率を上げる5つの方法

証券会社ごとのIPO取扱数、特徴を紹介

【証券会社別過去のIPO取扱数】

証券会社名 2014年 2013年 2012年 2011年 2010年 2009年 2008年 2007年
SBI証券 64 44 37 26 13 10 27 70
楽天証券 2 2 6 15 3 5 20 22
カブドットコム証券 21 16 23 18 16 11 37 74
マネックス証券 38 34 14 10 9 6 11 47
GMOクリック証券 1 0 0 0 0 0 1 2
松井証券 5 2 11 14 7 8 25 22
岡三オンライン証券 11 1

IPOを取り扱っている証券会社は多くあるが、それぞれ、取扱数や特徴が異なっている。各証券会社の特徴を理解した上で、どの証券会社が自分にとって使いやすいかを判断しよう。

【SBI証券】
SBI証券は、ネット証券の中でもIPO取扱数が多い特徴がある。SBI証券でIPO株を購入する際には、70%を占める完全抽選制と、30%を占めるIPOチャレンジポイントによる割り当てが併用されている点を理解しておこう。このうち、完全抽選制の部分では、申し込み口数が多いほど当たりやすくなる。

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【マネックス証券】
マネックス証券は、1人1票の完全平等抽選制を採用している。SBI証券と同様に、取扱銘柄数が多いことから、IPO株を購入するなら口座を持っておきたい証券会社の1つだ。

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【楽天証券】
楽天証券は、申し込み口数が多いほうが抽選に当たりやすい仕組みであり、資金に余裕のある投資家にオススメだ。また、楽天証券に入金する金額や、取引量の多さによってランク付けされ、ランクが高いほどIPO抽選に当選しやすくなるのが特徴だ。

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【カブドットコム証券】
カブドットコム証券は、三菱UFJフィナンシャル・グループに属しているので、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が幹事を務めるIPO株の販売を行う。抽選方式は、1人1票の完全平等抽選制だ。

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【GMOクリック証券】
GMOクリック証券は、取り扱うIPO銘柄数が少ない。とはいえ、取り扱いがゼロというわけではなく、2014年には2銘柄の取扱実績がある。できるだけ当選確率を高めるためには、GMOクリック証券も利用するとよい。

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【松井証券】
松井証券は、IPO取扱数はそれほど多くないものの、1人1票の完全平等抽選制をとっているので、少額投資者でも等しい確率で当選できる。また、抽選時期が購入申し込みの後であり、時間差を利用して当選確率を高めるのに利用できる。

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【岡三オンライン証券】
岡三オンライン証券は、IPO取り扱いを始めてから年月がそれほど経っていないことから、取扱実績は多くない。しかしその分、競争相手となる投資家が少なく、抽選倍率が低くなることが期待できる。抽選方式は、1人1票の完全平等抽選制を採用している。

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