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(写真=PIXTA)

◆先週金曜は、人民元基準値の切り下げ一服が確認され、豪ドルは強含みとなったが、マレーシアリンギットなどアジア通貨安は続いた。ユーロは避難通貨としての必要性が低下する中で反落地合いが続いた。

◆他方、ドル/円は人民元切り下げ一服でも米利回りが上昇しなかったことから上昇せず、むしろ欧州時間にかけて124.06円へ下落した。もっとも、NY時間入り後には米経済指標(コアPPI、鉱工業生産)が市場予想を上回ったことを受けて小反発して引けた。

◆本日は本邦2QGDP、人民元基準相場および米NY連銀製造業景況指数が注目される。本邦GDPが予想より大幅なマイナス成長となれば日銀追加緩和期待から円安圧力となるほか、人民元が再び下落に向かうと、豪ドルがつれ安となり易い一方、ユーロ/ドルはこうした状況で上昇する傾向が最近はみられている。

◆ドル/円は本邦GDP下振れでも125円上抜けは難しそうな一方、人民元相場への反応もつれ安とリスク回避の円買いの両方向の力が働くため、結果として124円台でのもみ合い推移となりそうだ。


昨日までの世界:元安一服で円高?

ドル/円は、人民元基準値が前日比+0.05%と切り下げ一服が確認されたものの、米利回りが上昇しなかったことから上昇せず、むしろ欧州時間にかけて124.06円へ下落した。

この間、マレーシアリンギットシンガポールドルなどアジア通貨への余波は続きややリスクオフ的な状況ではあったが米利回りの低下はみられていなかった。

もっとも、NY時間入り後にはコアPPIが前年比+0.6%と前月から鈍化したものの市場予想を上回り、米鉱工業生産も前月比+0.6%と市場予想を上回るなど(但し前月計数は下方修正)、米経済指標が市場予想を上回ったことを受けて、米中長期債利回りの持ち直しと共に小反発して引けた。

ユーロ/ドルも、ドル/円と同様に、欧州時間のドル安を受けて一時1.1189ドルへ上昇する局面がみられた。もっとも、その後は米経済指標の予想比上振れを受けてドルが反発、一時1.1098ドルと1.11ドル割れへ反落した。

ユーロ圏2QGDPは前期比+0.3%と前期および市場予想を若干下回ったが大きな反応はみられなかった。元切り下げが一服し避難通貨としてのユーロの必要性が低下した面があるかもしれないが、アジア通貨への余波は続いており、再び堅調となる場面が今後あるかもしれない。

ユーロ/円は、ドル/円の軟化とユーロ/ドルの下落の両方の影響を受け、138円台後半から一時137.93円へ下落した。

豪ドル/米ドルは、人民元基準値の小幅上昇を受けて元大幅切り下げ懸念や中国景気減速懸念がやや後退、コモディティ価格も総じて落ち着きを取り戻したことから、0.73ドル台後半で強含みの推移となった。

この間、NZではアジア時間朝方に発表されたNZ小売売上高が前月比僅か+0.1%に留まり市場予想を下回ったことからNZドルが下落したが、豪ドルは連れ安とはならなかった。

豪ドル/円は、91円台後半で若干強含みだがほぼ横ばい圏内の動きに終始した。


きょうの高慢な偏見:ドル/円は再びレンジ?

ドル/円は、朝方発表の本邦2QGDPのマイナス成長は既に織り込まれているとみられるが、市場予想(前期比年率+1.8%)を大きく下回るようだと、日銀追加緩和期待が高まる可能性があり、人民元が再び下落に向かう場合も、円安の必要性を意識させ円売り圧力となる。

米NY連銀製造業景況指数も4.5と前月から小幅改善が予想されており、ドル下支え材料だが、12日に大幅反落して125円台定着に失敗しているだけに、本邦GDPが余程大きな予想比下振れたりしないと125円乗せ再トライは難しそうだ。

他方、人民元が大幅に下落し中国景気減速リスクが改めて意識されリスク回避的な状況となる場合には、米利回り低下がドルを下押しする可能性もある。結果的に、ドル/円は124円台での方向感のないもみ合い推移となりそうだ。

ユーロ/ドルは、人民元が再び下落に向かう場合には避難通貨的に捉えられ上昇するかもしれないが、これまでほどにはサプライズではなくなっているほか、先週12日に1.12ドル台にいったん乗せた後反落していることから、再び1.12ドル台乗せは難しくなっている。結局、レンジ上限をやや切り上げ、1.08-1.12ドルのレンジ相場が続きそうだ。

豪ドル/米ドルは、人民元と共にコモディティ価格が下落する場合には、年初来安値(0.7216ドル)が視野に入る。

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山本雅文(やまもと・まさふみ)
マネックス証券 シニア・ストラテジスト

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