景気対策
(写真=Thinkstock/GettyImages)

景気の気(センチメント)の部分が、政策などに支えれて堅調なことが、デフレ完全脱却への動きの原動力となっている。一方、輸出・生産・成長率などの実体経済や物価の動きは、この気の動きに比べてかなり弱い。

実体経済や物価の動きが弱いにもかかわらず、日銀が追加金融緩和に動かず、目標達成までの果断な政策コミットメントが疑われてしまうと、マーケットと企業の失望などによりセンチメントが悪化し、デフレ完全脱却への原動力が失われてしまうリスクとなろう。実体経済と物価が強くなるまで、辛抱強く気の部分を政策で支え続ける必要がある。

企業のセンチメントは日銀短観でみることができる。企業の経営者が経営状態を判断するとき、もっとも的確に感じられるのは、雇用の過不足と金融機関の貸出態度(特に中小企業)についてであると考えられる。雇用判断DIは不足感が強くなり、金融機関の貸出態度の緩和も実感されており、前回の景気拡大のピークよりも状態は良好である。

実際に、実質GDPの前年同期比(4QMA)は、全規模全産業雇用人員判断DIの前年差と中小企業全産業金融機関貸出態度DIでうまく説明できることがわかっている。 これで日銀短観によるセンチメントを表す推計値をみると、実質GDP成長率が2%程度の高い水準で推移してもよい状態である。

一方、実際の実質GDP成長率は鈍化(4-6月期の前年同期比4QMAは-0.6%)してしまっており、これまでにない(リーマンショックを除く)乖離が生まれてしまっている。景気の気(センチメント)の部分が政策と円安で支えられている一方で、海外経済の回復の鈍さによる輸出の伸び悩みや拙速であった消費税率の引き上げが成長の足を引っ張ってしまっていることがわかる。