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(写真=PIXTA)

◆ユーロ圏経済の緩やかな回復は続いている。6月下旬から7月中旬までのギリシャ支援の空白がギリシャ以外の国の経済活動に及ぼした影響は限られたようだ。

◆20日のチプラス首相の辞任表明には、第3次支援を活用したギリシャ経済の再生のために政権の求心力を高める狙いがあると思われる。チプラス首相の人気は引き続き高いためチプラス首相の続投となりそうだ。

◆10~11月に予定されるギリシャ支援の第1回審査は支援金の受け取りだけでなく、債務減免やIMFの支援への参加に関わる重要な節目だ。ギリシャの銀行のECBのオペへの復帰やECBによるギリシャ国債の買い入れへの布石となるかもしれない。総選挙でスケジュールが後連れすることはあっても根本から覆ることはないだろう。

◆ギリシャの政府債務問題が一気に解決に向かうことはないものの、ユーロ圏や世界経済を下押しするリスクとはなり難い。むしろ、注意すべきは中国経済の減速だろう。

ユーロ圏の対外取引に占める中国の比重は、ユーロ未導入のEU加盟国や米国に比べて小さい。輸出市場としての中国の比重も名目GDP比で見て日本の半分程度だが、ドイツは日本並みに高い。資源国、新興国経済を通じた影響も含めて、下振れリスクとして意識しておきたい。

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4~6月期も緩やかな回復が持続。ユーロ安で外需が改善、投資は伸び悩み

14日に公表されたユーロ圏の4~6月期の実質GDP(速報値)は前期比0.3%、前期比年率1.3%だった。1~3月期の同0.4%、同1.5%を幾分下回ったが、欧州委員会経済財政総局が0.8%程度と推定している潜在成長率を上回るペースだ。

速報値の段階では需要項目別の内訳は開示されないが、フランスの速報値やドイツ統計局の声明などからは、外需はユーロ安効果もあり、成長に最も寄与したようだ。13年4~6月期以降、回復を主導してきた個人消費(図表1)の拡大も続いたが、伸びは鈍化したようだ。

ユーロ圏では世界金融危機後に大きく低下した潜在成長率の引き上げとGDPギャップの縮小の両面から投資の拡大が期待されているものの、固定資本形成は伸び悩んだ模様だ。

ユーロ圏図1-2