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(写真=PIXTA)

◆先週金曜は、中国財新製造業PMIの予想外の悪化と中国株価の続落を受けて、世界景気減速懸念が強まり、ドル/円は米株安と米利回り低下を受けて一時122円割れへ大きく下落した。

◆世界景気減速懸念の中で原油価格が下落したことから、カナダドルなど産油国通貨が下落したが、豪ドルの下落は小幅で、NZドルは反発するなど、コモディティ通貨はまちまちの動きとなった。

◆ユーロはユーロ圏PMIの予想比上振れもあって避難通貨と捉えられ、米利回り低下の中で対ドルを中心に続伸、一時1.1389ドルと1.14ドル台に迫った。ユーロ/円も一時139円丁度へ上昇した。

◆本日は、英国が休場で重要イベントが殆どない中、中国株価やコモディティ価格を睨んだ展開となりそうだ。

22日には山東省でも爆発事故があり実体や心理面への影響も懸念される。週末に中国当局が景気刺激策を発表するとの期待もあったが期待外れに終わる中、世界的株安と米利回りの低下を通じて軟調が続きそうだ。ドル/円の目先の下値目途は7月8日に付けた安値である120.41円となる。

◆豪ドルも中国株価や商品市況の軟調を眺め下落し易い。米ドル/円と豪ドル/米ドルが同時に下落する局面であれば、米ドル/円よりも豪ドル/円の方が下落が大きくなりそうだ。

◆他方、ユーロ/ドルは中国景気減速懸念、世界的株安、米利上げ期待の後退の中で上昇し易い。


昨日までの世界:リスクオフ環境の中でユーロ高・円高

ドル/円は、中国8月財新製造業PMI速報の予想外の悪化(前月47.8、市場予想48.2、実績47.1)と中国株価の続落を受けて、アジア時間に123円割れへ軟化した。欧州時間からNY時間にかけては、原油価格(WTI)が一時40ドル割れ、欧米株価も下落する中で、米中長期債利回りが低下したことから続落、一時121.82円と122円割れへ前日対比で1%超の大幅下落となった。

中国景気減速懸念が高まり、欧米株価も悪影響を受け、原油安がインフレ率も抑制する見込みの中で、米国の9月利上げ開始期待も後退している。

ユーロ/ドルは、ドイツ製造業を中心に景況感が改善、ユーロ圏8月総合PMI速報は54.1と予想外の小幅改善となったこともあって、避難通貨としての位置づけが強まり、米利回り低下とドル安の中で対ドルを中心に続伸、1.12ドル半ばから一時1.1389ドルと1.14ドル台に迫った。

ユーロ/円も、対ドルで円よりもユーロの上昇の方が大きかったことから、一時139円丁度へ上昇した。

豪ドル/米ドルは、中国財新製造業PMIの予想外の悪化と中国株価の続落を受けて、アジア時間に0.73ドル割れへ下落した。そのNY時間にかけては、銅価格などコモディティ価格が堅調に推移したためか、対その他通貨での米ドル安もあって0.73ドル半ばへ反発したが、原油価格が下落しカナダドルなど産油国通貨が下落すると下落に転じ、0.73ドル台前半で引けている。

豪ドル/円は、アジア時間に90円台半ばから90円割れへ下落、一旦下落が一服したがNY時間に下落が再開し89.21円の安値を付け、7月9日につけた年初来安値(89.16円)にほぼ並んだ。


きょうの高慢な偏見:爆買いから爆発へ

ドル/円は、英国が休場で重要イベントが殆どないことから、中国株価やコモディティ価格を睨んだ展開となりそうだ。

中国では12日の天津に続き22日には山東省でも爆発事故があり、実体や心理面への影響も懸念される。週末に中国当局が景気刺激策や株価対策を発表するとの期待もあったが、既に以前話があった年金基金の株式投資承認に留まるなど期待外れに終わっている。

ドル/円は自律調整による一時的反発はあるにせよ、世界的株安と米利回りの低下を通じて軟調が続きそうだ。本日早朝に一時121.53円へ続落しており、目先の下値目途は7月8日の120.41円へ目線が下がってきている。

ユーロ/ドルは、中国景気減速懸念、世界的株安、米利上げ期待の後退の中で上昇し易い。目先の上値目途は今年5月15日につけた高値である1.1467ドルとなる。

豪ドル/米ドルは、中国株価や商品市況の軟調を眺め下落し易く、本日早朝に0.7285ドルへ再び下落、8月12日につけた年初来安値である0.7216ドル割れが焦点となる。

米ドル/円と豪ドル/米ドルが同時に下落する局面であれば、米ドル/円よりも豪ドル/円の方が下落が大きくなりそうだ。豪ドル/円は本日早朝に88.63円へ下落し年初来安値を更新、下値目処は2014年安値(88.24円)および2013年中安値(86.41円)となる。

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山本雅文(やまもと・まさふみ)
マネックス証券 シニア・ストラテジスト

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