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(写真=Thinkstock/Getty Images)

中国経済が不安視されたことで8月24日に暴落したダウ工業株30種平均は同25日、中国人民銀行が主要政策金利を引き下げたことで安心感が広がり、前日終値比で3%まで上げたものの、引け際に急激に下げ、204.71ドル下落(-1.3%)で終わった。

一日の反転下落幅としては、リーマンショックで市場が動揺中だった2008年10月29日以降で最大であり、悪化する投資家心理で市場の不安定さが継続することを予期させるものだ。

こうした状況にもかかわらず、「米経済の堅調さは変わらず、9月利上げの可能性はまだ大きい」とする説が根強い。

シティグループ北米経済部長のウィリアム・リー氏は8月25日付の投資家向け分析で、「市場の暴落は収まりつつあり、世界的な金融危機にも至っていない。こうしたことから、9月の利上げの可能性は、完全に排除できない」と指摘した。同氏はさらに、「米経済の成長ペースは十分強いので、十分9月の利上げに耐えられる」と言明した。

また、JPモルガン・チェースのエコノミスト、マイケル・フェローリ氏も8月25日、「9月利上げの可能性は50%以下になったが、それでも可能性は消えていない」との立場を表明した。加えて、「9月利上げの可能性は、未だどの他の月の可能性より大きい」と分析している。

これは、「タカ派」とされるアトランタ連銀のロックハート総裁の見解に近いものだ。同総裁は9月の利上げ支持を繰り返し表明してきたが、世界同時株安となった8月24日に、「利上げは今年中にある」との表現に切り替えた。9月利上げ支持をやや後退させたものの、可能性を完全には否定していない。

これには、政治的な理由もある。もし利上げがずれ込むと、「やはり米経済が完全に回復していないからだ」との見解が市場に広まり、利上げがさらに難しくなる。

また、「イエレン議長以下、米連邦準備理事会(FRB)の高官は年内利上げを繰り返し公言してきたが、その既定路線ひとつ守れない」として、FRBの威信が揺らぐことにもなりかねないとの見方もある。FRBにとって、正念場だ。