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(写真=PIXTA)


今週の特徴:世界株安後に米利上げ開始期待が再び前倒し

今週は、週初24日にかけて中国の株安と景気減速懸念に端を発した世界株安と投資家のリスク回避傾向を受けて、円ショート巻き戻しによる円高と、コモディティ価格下落を受けたNZドルや豪ドルなどのコモディティ通貨安が顕著となった。

その後は世界株価の反発を受けて円は反落しているが、先週末の水準は回復していない。こうした中、ドル/円は24日に122円から116.18円へ急落した後、27日発表の米2QGDPの予想以上の大幅上方改定もあって121円台へ反発した。

他方、ユーロ/ドルは週初24日には避難通貨として買われ1.1714ドルへ上昇したが、その後は世界株価の反発や米2QGDPの大幅上方改定を受けたドル買戻しが大きく、27日にかけて1.1203へ大幅反落した。


来週の見通し:米中対決続編、PMI対NFP

来週は月末・月初の週で米国や豪州で経済指標発表が多いが、足許の市場環境では、中国の株安や景気減速懸念が払拭されたのかを確認するため、まずは9月1日発表の中国8月公式PMIが注目となる。

9月3日の抗日戦争勝利記念軍事パレードを控えた当局の株価下支え観測もあって株価は下がらないかもしれないが、50割れへ悪化が予想されている製造業だけでなく、過去2ヶ月改善していた非製造業も悪化するようだと、中国景気への懸念が再び台頭し、ドル/円や豪ドルの下落とユーロ/ドルの上昇に繋がりそうだ。

その場合、米雇用統計が良好な結果となっても米利回り、ドル/円や豪ドルの上昇はあまり大きくならなそうだ。他方、中国PMIが上振れすれば焦点は米経済指標に移り、非農業部門雇用者数や平均時給を中心に市場予想を上回るものが多い場合には、9月利上げ開始説が再び浮上しドルが続伸しそうだ。

◆ドル/円

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来週のドル/円は、まずは中国8月公式PMI(9月1日)が注目で、50割れへ悪化が予想されている製造業だけでなく、過去2ヶ月改善していた非製造業も悪化するようだと、中国景気への懸念が再び台頭し、ドル反落となりそうだ。

その場合、米雇用統計(9月4日)が良好な結果でも米利回りやドル/円の上昇は限定的となりそうだ。他方、中国PMIが上振れすれば焦点は米経済指標に移り、非農業部門雇用者数や平均時給を中心に市場予想を上回るものが多い場合には、9月利上げ開始説が再び浮上し、ドル高円安となりそうだ。

但し、インフレが上昇せず中国景気減速リスクが燻る中で、Fedは9月に急いで利上げに踏みきる必要性は低くなっており、12月利上げ開始の可能性の方が高まっている。

来週は月末・月初の週で米経済指標発表が多く、31日にシカゴPMI、1日にISM製造業景況指数、2日にADP民間雇用統計と地区連銀報告、3日に貿易収支とISM非製造業などが予定されている。本邦では31日の鉱工業生産くらいしか予定されていない。

◆ユーロ

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来週のユーロ/ドルは、まずは31日発表のユーロ圏8月HICPが注目で、前月の前年比+0.2%から鈍化するようだと、最近のECB高官発言で聞かれているインフレ低下リスクを裏付けるかたちとなり、9月3日のECB政策理事会に向けて量的緩和の継続あるいは拡大への期待が高まりそうだ。

今回追加緩和が決定される可能性は非常に低いが、ハト派的なトーンとなる可能性は高まっている。また、中国PMIが悪化したり世界株安が続き避難通貨としてユーロが再び上昇する場合も、ユーロ高牽制としてECBがハト派化しやすくなりそうだ。

◆豪ドル

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来週の豪ドル/米ドルは、中国PMI(9月1日)結果を受けた原油や銅などのコモディティ価格動向、豪2QGDP(9月2日)をはじめとする豪州経済指標、および雇用統計(9月4日)を中心とする米経済指標結果を睨んだ動きとなりそうだ。

中国PMIの悪化や豪州経済指標の悪化およびRBA理事会(9月1日)後の声明文のハト派姿勢などが豪ドル安に繋がり得る一方、中国株価の持ち直しや豪州経済指標の改善が豪ドル高圧力となる。

他方、米経済指標の悪化は対米ドルでの豪ドル高に繋がるなど、やや分かりにくい動きとなるため、米経済指標の悪化で豪ドル安となりそうな対円相場の方が分かり易い動きとなるだろう。

なお、RBA理事会では政策金利の変更は予想されておらず(現在2.0%)、豪ドル安も進行しているため、声明文が市場の豪ドル安期待を更に強めるような内容になる可能性は低そうだ。

(今週のレンジ実績は月曜から金曜昼頃まで、数値はBloombergより)

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山本雅文(やまもと・まさふみ)
マネックス証券 シニア・ストラテジスト

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