安倍
(写真=Thinkstock/Getty Images)

原発の再稼働や安保法案などで不支持率を高める安倍政権が、最大の成果と強調するのが景気の回復。金融緩和と財政出動、成長戦略で、デフレからの脱却をめざす経済政策「アベノミクス」だが、このところの株安、円高基調で、その実効性を疑う声が高まっている。


ドル円レートは7カ月ぶりの116円台に

8月下旬、株安の連鎖が世界を再び震撼させた。中国経済の急減速懸念が高まり、各国の株価は連日の大幅安を記録、日経平均株価は6日間で2,800円余り、14%近く下げ、米国ダウ工業平均株価もほぼ同時期に約1,900ポイント、11%下落した。

12日の天津大爆発事故も懸念材料として改めて意識され、お膝元の上海株式市場では主要指標が節目の3,000を昨年12月以来初めて割り込み、バブル気味だった株価は直前の高値から2割以上急落。その下げは世界主要市場のなかでも際立つ。

株安は当然、為替市場にも波及。日本円に買いが殺到し、対ドルレートは直前の125円台から、24日には一時116円台と約7カ月ぶりの高値に急騰した。


発足当時60%超だった安倍内閣支持率は40%以下

このような株価下落と円相場の急反転は安倍政権を窮地に追い込む。

発足当初60%を超えていた内閣の支持率は、安保関連法案の衆院強行採決や首相側近の問題発言への反発により、8月は前月比4ポイント低い37%まで落ち込み、初めて不支持率(46%)を下回った(NHK調べ)。

これは今回の市場波乱が起こる前の話だが、政権が“成果”として強調していた株高が反転し、アベノミクスへの信認が揺らいだことで、支持率はさらに下がる可能性がある。

そもそもアベノミクスが始まって以降、実体経済はあまり良くなっていない。消費者のデフレ心理が多少薄らいだとはいえ、物価は実質では低い水準での推移が続き、輸出はこれほどの円安下でも低迷。企業の設備投資の回復は鈍く、下がり続ける実質賃金では消費回復などおぼつかない。

唯一、回復が目立つのは、今期に最高益が見込まれる企業業績だが、これも円安が主因だ。肝心の販売量の伸びは心もとない。最近、アベノミクスの実効性について野党が安倍政権に詰め寄っているのはこのためだ。