日銀短観
(写真=PIXTA)

◆日銀短観9月調査では、注目度の高い大企業製造業の業況判断D.I.が12と前回6月調査比で3ポイント低下し、3四半期ぶりに景況感の悪化が示された。一方、大企業非製造業では、4四半期連続となる景況感の改善が示された。

前回以降、景気の停滞感は強まっているうえ、8月以降に強まった新興国経済の減速感と金融市場の混乱は景況感にとってマイナス材料となったはずだ。海外情勢の影響を受けやすい大企業製造業では新興国経済減速のインパクトが大きく、景況感の悪化が示された。一方、非製造業では、インバウンド消費の増加や資源価格下落が追い風となって景況感が改善したと考えられる。

中小企業は、製造業が前回比横ばい、非製造業が1ポイント低下となった。製造業は大企業ほど海外展開が進んでいないため、悪影響も今のところ限定的になったとみられる。非製造業は人手不足感が極めて強いことが制約要因となり、景況感が悪化したと考えられる。

先行きの景況感については、幅広く悪化している。最近の情勢悪化を受けて、内外経済の下振れリスクは高まっており、景気回復シナリオへの慎重な見方が強まっていると考えられる。

◆15年度設備投資計画(全規模全産業)は、前年度比で6.4%増と、前回調査時点の3.4%増から上方修正された。例年、6月調査から9月調査にかけては、計画が固まってくることに伴って、中小企業を中心に上方修正される統計のクセが強いため今回も上方修正となったが、例年と比べても上方修正の幅が大きい。

中国・新興国経済の減速が続くなかで、意外感のある結果であったが、情勢が流動的であるうえ、年度末までは期間を残しているだけに、計画自体を見直す動きまでにはまだ至っていないようだ。

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