日経平均予想
(写真=Thinkstock/Getty Images)

日経平均株価の2016年3月末までの動向はどうなるだろうか。年末には1万9000円、1-2月にいったん調整して3月末には2万円をトライするというのがメインシナリオだ。もっとも、企業業績、米金融政策、安倍政権支持率によっては、メインシナリオを修正する必要があるので注意は必要だろう。

株価ファクターには、鉱工業生産や金利・為替・原油などたくさんのマクロ要因があるが、マクロの変化は企業業績などミクロにも反映される。したがって、日経平均株価のレンジ想定には、日経平均採用企業の予想株価収益率(PER)のトレンドを見るのが有効である。

10月21日時点での日経平均のPERは14.98倍。PERは、日本経済新聞の「株式市場の投資指標」に毎日掲載されているのでそこから確認できる。長期で見ると15〜20倍で推移している。

リーマン・ショック後の歴史的な低水準でも11倍程度。最近の動向でいうと2012年11月にアベノミクスが発表されPERが14倍から上がり始め、黒田バズーカと言われる2013年4月の金融緩和後には23倍まで上昇した。その後、大幅な円安で日経平均採用企業の2013年度のEPS(一株あたり利益)が大幅増となったためPER(株価収益率)は下がり始め、2013年5月以降は14-16倍のレンジ内で推移している。

現在の日経平均をPER14-16倍で逆算すると、1万7361円-1万9841円のレンジ(中値1万8601円)が適正。現在の米国のS&P500のPERが17.6倍。長期トレンドでも見ても、米国との比較で見ても現在のPERに割高感はない。

野村證券が9月4日にリリースした企業業績見通し(ラッセル野村指数採用の大型株(金融を含む)ベース)では、2015年度の税引き後利益は16.4%増、2016年度は8.2%増を見込む。前提条件は、鉱工業生産の2015年度と2016年度の予想がそれぞれ前年比3.8%増、2.3%増。原油(WTI)が同じく53.0ドル,59.5ドル。為替が同じくドル円で118円、118円を見込んでいる。

来期税引き後利益の8.2%増で来年度の日経平均の予想レンジは1万8784円—2万1467円(中値2万0125円)に切り上がる。

日経平均の予想レンジは、サプライズとなるような金融緩和や大型補正予算があれば16倍を上回り、なんらかの世界的なリスクオフとなるようなイベントがあれば14倍の下限を下回る可能性があるが、多少オーバーシュートしたとしても今年度1万7000円-2万円、来年度1万8500円-2万1500円のレンジで推移する可能性が高い。繰り返しになるが、前提となる今・来期の企業業績とマクロ条件の変化には注意が必要だ。とくに日経平均のEPSのウェートの高い自動車や金融機関の動向には注意したい。


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