「MVNO」という言葉を最近耳にすることが多くなりました。これは「仮想移動体サービス事業者」のことで、大手キャリアが保有している回線を借りて、通信サービスを行う事業者のことを指します。14日に 総務省が公表したMVNOサービスの利用動向に関するデータによると、2013年12月末時点で、MVNOの総契約数は1375万件。契約総数1億5325万件の移動系通信市場の中で、NVMOの占めるシェアは9%程度だといいます。

mvno

スマートフォンが普及した今、利用者の悩みとなっているものの1つに通信料金の高止まりがあります。携帯電話の時には2,000円から3,000円程度で済んでいた通信料もスマートフォンでは6,000円から7,000円と2倍以上になったという経験をした人は多いのではないでしょうか。NTTドコモが平成26年4月25日に発表した2013年度決算短信においてもARPU(加入者一人当たりの月間売上高)が2012年度累計5,180円から2013年度累計5,200円と上昇しており、利用者の負担増が企業の業績からも伺えます。

MVNOにおけるサービスが人気を博していることは、多くの利用者が現在の通信サービスに見合った対価になっていない、高すぎる、と感じている証拠と言えます。日本の通信料の高さは総務省も懸念しており、大手キャリアに通信料の引き下げを求めています。NTTドコモは先駆的に長期利用者が家族で加入した場合に割引を受けられる新たな料金プランを導入しようとしていますが、まだまだ十分とは言えません。しかしながら、こういった新料金プランがNTTドコモから発表されたことでKDDIやソフトバンクも追随することが予想されます。今までは、乗換えや新規契約時のキャッシュバックで新規契約獲得競争を繰り広げていた3社ですが、今後は既存利用者に対する通信料に競争の場を移しそうです。

そうなると、投資を考える際に気を付けておかなければならない点が、現在のMVNOを行う事業者である日本通信(証券コード9424)やIIJ(証券コード3774)等です。割安な通信料でサービスを提供できるということで注目が集まり、株価も急激に上がりましたが、これがいつまでも続くとは限りません。大手キャリアが通信料自体を下げてくれば、今の魅力は薄れてくるかもしれません。大手キャリアから獲得したシェアを再び大手キャリアに奪われかねません。スマートフォンの普及も一服した今、大手キャリアがどのような戦略に打って出てくるのかは今後も注目していきたいところです。