株式投資,損失
(写真= Thinkstock/Getty Images)

近年NISAなどの非課税制度や、アベノミクス効果による株高などで株式投資への関心が高まっている。ただし株式投資初心者は、誤りを犯すことも多い。ここで改めて、株式投資で初心者がやりがちな10の間違いを紹介しよう。


間違いその1:計画性が無い人は投資をしてはいけない

最悪なのは100万円の余裕があったとして、それを全額一度に株に投資してしまい、20万円の実損が出てしまったときに生活費と比較して狼狽してしまうような人。そんな計画性のない人は株式投資には向いていない。

投資を始める際には、まず最初に総投資金額を決める。次にその総投資金額から株式へ振り向ける金額、一銘柄当たりの金額、投資スタンスを決めなければならない。覚悟できる損失を想定して、どの程度の投資金額まで許容できるかをあらかじめ考える。買った後に下落して割安感が増したときに、買い増しができるような余力を残しておくのも一つのリスク分散だ。

そして、その投資をどの程度の期間継続するかも想定しておいた方が良い。短期間の値上がりを狙うのか、長期間の成長性を期待するのか、あるいは配当利回りを狙うかなど、総投資金額全体に対して、または個別の株に対して、投資の目的をはっきりさせるべきである。また、NISA、信用取引などの口座について、リスク、税制やコストの面から利点や欠点を理解したうえで、投資目的に即した適切な利用を検討したい。

間違いその2:評価、チェック能力の欠如した人は問題外

ニュースなど特定の情報に飛びついて売買してしまうのは避けたい。ある企業に良い記事が出たとしても、それがいつ実現するのか、会社の利益にどの程度貢献するのかを見定めたい。

また、ある会社を候補にした場合に、その会社のリスクがどこにあるかを検討すると同時に、同業他社と比較するなど多面的に評価する必要がある。そして、投資した後にもそうした評価ポイントに変化があるか、当初の投資目的に合致しているかを見続けるのが大事だ。

加えて、決算の発表や配当落ち、株式分割などのコーポレート・アクションを事前にマークしておく必要がある。実際に株価が変動してからあたふたするするより、前もって想定できた方が良いのは言うまでもない。

間違いその3:人真似しかできない人は猿にも劣る

世の中には伝説的な相場師もいる。リスク分散など構わず集中投資することで資産を膨らます。知見に裏付けられたものであることも確かだが、リスクヘッジをしないという点ではある意味でバランス感覚が無いとも言え、そうした才能・成功例は稀有だ。

人によって性格も生活スタイルも異なる。トレンドに乗って素直についていくのが得意の人もいるし、ボックス相場で逆張りするのが得意な人もいる。一日中モニターを見ながら相場に張り付いていられる人もいれば、株式を取引時間中に見ることが難しい人もいる。

学習することは大事だが、人の成功談を見聞きして全く同じことをしようとするのは所詮無理なことと考えよう。

間違いその4:含み損には目をつむるのに利益はすぐ確定してしまう

株価にトレンドが出てきた時に起こりがちだが、同じ額の利益と損失があるとして、利益はためらいもなく実現できるのに、損失の方は切ることができずに更に拡大させてしまう。損していることを忘れようとさえする。

目の前で起きていることを事実と受け止めることができない人は株式投資には向いていない。あなたがどんなに否定しても損失は損失なのだ。損失はなるべく早く切り、利益確定はなるべく我慢するように意識的にバイアスをかけたい。

間違いその5:自分に都合の良いイメージを膨らませてしまう人

保有株に関する情報を集めているのだが、無意識に否定的な情報には背を向け、肯定的な情報を集めてしまう。だから、株価が下落していても保有している方が正しいと思ってしまう。しかし、それで本当に儲かると思っているのだろうか?

恋は盲目というが、株式投資も同じである。あなたは本当にその上場企業のすべてを理解しているのか?無意識のうちに自分に都合の良いイメージを膨らませていないだろうか?ストーカーの素質がある人は株式投資には向いていない。

保有株の反発をただ待っているより、他の有望株に乗り換えて成果をあげる可能性も考えたい。

間違いその6:値ごろ感、過去の価格にこだわる人

同じ株を長く観察していると、買いたかった株価水準を覚えてしまい、上昇トレンドに入った時に買いの流れに乗れない。逆に下落してきてその株価まで下がってきた時には、さらなる下落リスクを忘れて買いのチャンスと考えてしまう。

相場は「安く買って高く売る」のが基本である。しかし、現実には安いと思い込んで買った水準が実は「割高」であったり、逆に高いと思い込んで売った水準が「割安」だったということが起こる。それはなぜか?一言でいうと「変化」が起きたからだ。相場は生き物と呼ばれる理由がここにある。

安い高いというそれまでの値ごろ感が通用しなくなる「変化」に気づかない人は、結局「高く買って安く売る」を繰り返して損失をどんどん膨らませることになる。

新たなニュースが出た時、出来高を伴って株価に動意があった時、相場環境が変わった時には過去の株価を忘れた方が良い。

間違いその7:高値に飛びついてしまう。安値で投げてしまう

もう最悪である。買いたいと思っている株が買えないうちに株価が上昇すると高値に飛びついてしまう。買えない苛立ちが、買うというアクションを後押ししてしまうことがある。逆に株価急落で投げられなかった焦りがブン投げを呼んでしまう。

その結果、天井で買って大底で売ることになる。あなたは一体なにがしたいのか?なぜそんなに焦っているのか?頭を冷やして自分に問いかけてみるべきだ。

早めのアクションがあれば避けられることではあるが、「ど天井」を掴んだり「どん底」を売ったりしないためには、あらかじめ相場の限界レンジを想定しておく必要がある。投資で焦ったら負けである。常に冷静な分析が必要だ。

間違いその8:投資指標を万能視してしまう

指標だけで判断するのは危険だ。PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)、ROE(株主資本利益率)をはじめ、投資指標は際限なくあるが、どれも万能とはいえない。

企業の実態や環境が変化することによって財務諸表は変化し予想も変わる。また、投資指標が同じであっても、企業の規模や業種によってハンディキャップが存在する。

業種によって外部環境に対するエクスポージャーは異なるし、規模の小さな企業は大きな企業に比べてリスク分散が比較的に小さい。売上や収益などが変化しやすい分だけより良い指標を期待されるため、指標上の割安が継続する傾向があることにも留意したい。投資指標は、あくまで目安程度に考えるのが無難であろう。

間違いその9:テクニカル指標を信じすぎる、馬鹿にする

数多くのテクニカル指標があり、独自のツールを提供する有料のサイトやソフトも多い。テクニカル指標は後から見ると非常に正しく見えるが、現実の相場の中でトレンド系(順張り系)の指標はタイミングが遅れることが多い。

一方でリバーサル系(逆張り系)の指標は、相場にトレンドが出た時にはうまく機能しない。トレンド系にしても、リバーサル系にしても万能なテクニカル指標は存在しないと思った方が良い。

しかし、テクニカル指標は結果として市場の需給を良く表現していることも事実だ。信じすぎるのも良くないが、馬鹿にする必要もない。こちらも投資指標と同様に、あくまで目安程度に考えるのが無難であろう。

間違いその10:木を見て森を見ない人は投資に失敗する

個別株だけでなく相場全体の方向性もしっかり見つめよう。いくら割安な株を持っていてもインデックスに代表される全体相場の影響がある。ベータ値と呼ばれるインデックスへの連動性に注意したい。また、他の市場や経済指標、為替や原油価格などから受ける影響もあらかじめ想定しておきたい。

ここ数年、相場のプロでも大きな損失を出して撤退を余儀なくされることが多くある。その原因の一つとして、金融緩和を背景とした金余りが指摘される。株式市場の規模に対して投資資金の規模が大きすぎるのだ。ファンドが割安と判断して株を購入すると需給がひっ迫して株価が上昇する。割高と判断されて売却されると投げが投げを呼ぶ展開となる。そうした動きが市場全体で起こる。

個別ではなく、株式、債券、通貨、資源などとマクロのスケールで資金が動く。株式が全体としてインデックスで売られると、割高だろうと割安だろうと関係なく売られる。良識のあるファンドは割安と思われる株をより多く保有していることが多いが、株式全体が売られて処分を迫られると、割安な株ほど余計に売られることもある。そうした大局を見極めるように努め、逆らわないことである。

重要なことは、十分な準備をし、客観的に相場に対峙し、自分自身の投資スタイルを確立することである。初心者に限らず、熟練投資家にあっても、こうしたポイントを初心に戻って思い起こすのは有益なことだろう。(ZUU online 編集部)

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