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投資の応用
Written by 平田和生 271記事

IPO銘柄は初値で買っても勝てるか?

株式投資,IPO
(写真= Thinkstock/Getty Images)

IPOは利益を得る確率の高い投資として人気がある。2015年の実績では11月末までで79件のIPOがあり、初値を公募価格と比べてみると66勝11敗2分け。実に勝率は84%。初値の平均パフォーマンスは公募価格に対して83%の上昇となっている。

明らかにIPOはお宝だ。マザーズなどの小型株のIPOの抽選倍率はなんと500倍に達するようで、東証1部などの大型株のIPOでさえ15倍に達するという。

IPOだけをやるという投資方法も確かにいい。ただ、宝くじに当たるためにはなるべくたくさんの証券会社に口座を開設する必要がある。主幹事証券の方が当選確率が高いからだ。しかも小型株はあたっても年に数回程度。お宝にあたるのもかなりの努力が必要だ。

IPOをセカンダリーで参入する魅力はボラティリティと流動性

IPOのセカンダリーにも、宝くじとまでは言えないが、いろいろ魅力がある。最大の魅力はボラティリティだ。そしてボラティリティの割には上場直後ということで流動性があることも大事だ。

大きな金額で勝負できるのも魅力だ。抽選で当たるのはだいたい最低単位。投資金額の小さい個人には十分だが、投資金額が大きな投資家にとっては、プライマリーだけではあまり意味が無い。機関投資家は、買うと決めた銘柄に関しては、IPOでも申し込み、流動性のあるうちに市場でも拾うことが多いのだ。そういった銘柄を保有できれば楽しみが増加する。

また、お祭りに参加できる楽しみもある。たとえば郵政3社のIPOは証券界のみならず、経済界のビッグイベントであった。株式投資にかかわるものとして、この歴史的なイベントに参加することも財産になるだろう。

それでは、今年の8月以降3ヶ月のセカンダリーの結果を分析してみよう。3ヶ月間のIPO実績は22件。そのうち18件で初値が公募価格を上回っており勝率は82%。今年一年の勝率84%に近い。初値の公募価格からの上昇率は86%。これも一年間の平均83%にきわめて近い。3ヶ月の分析でサンプル的にはある程度信頼できるデータといえるだろう。IPOのセカンダリーでの参戦には短期勝負と中期勝負が考えられる。まずは短期を分析してみよう。

セカンダリーでの短期勝負は個別銘柄を見極めること

短期勝負の分析として、初値で買ってその日の引けで売るパフォーマンスを見てみよう。結果は、11勝11敗。勝率50%。パフォーマンスは平均で1%。ほとんどイーブンだ。全体としては日計りで短期勝負するほどの結果とは言えない。

ただ、銘柄間の乖離は非常に大きいので個別銘柄を見極める力が大事だ。初値で買って当日引け値で2桁の上昇となるケースが22件中、5件もあった。具体的にはAppBank <6177> 、ベステラ <1433> 、アイビーシー <3920> 、GMOメディア <6180> 、かんぽ生命の5銘柄だ。特にAppBankは初値買いの当日引けで23%、ベステラは22%も上げている。材料が出てギャップアップするならともかく、新規買いで当日中に2桁上がる銘柄は、そうは存在しない。このボラティリティはやはり魅力的だ。

逆に初値買いから、当日引け値ですでに2桁やられるパターンもバルニバービ <3418> 、あんしん保証 <7183> 、メタップス <6172> 、ブランジスタ <6176> 、パートナーエージェント <6181> の5銘柄あった。特にバルニバービとあんしん保証はともに17%下げている。

次に中期保有も分析してみよう。

中期で初値買いでも大化け銘柄が頻発する

中期勝負の分析としては、8月以降のIPOをすべて初値で買い11月末まで持ち続けた場合のパフォーマンスを見てみよう。

10勝12敗。勝率は45%と下がるが、11月末での平均パフォーマンスは9%に達している。勝率はともかく、パフォーマンスは決して悪くない。IPOの主力銘柄はマザーズなので、7月末にマザーズ指数を買い、11月末まで保有していたとしたら、指数は10%下がっていた。8月後半からの、米利上げ、中国失速懸念による信用収縮の調整の影響が直撃したのが新興市場株だったからだ。その最中の9%高は決して悪くない。直近IPO銘柄は需給がそれほど悪くないからだろう。

しかもこの3ヶ月間だけで、初値を買っても倍以上になった銘柄が2銘柄ある。ベステラ2.3倍、ブランジスタ2.8倍の2銘柄だ。AppBankも6割以上上げている。

一方、2割以上下落している銘柄が、51%安のパルマ <346> 、28%安のアイビーシー、23%安のGMOメディア、39%安のパートナーエージェント、27%安のバルニバービ、38%安のあんしん保証など6銘柄がある。下げだすと個人の投げがとまらなくなるのが特徴だ。

検証結果から、セカンダリーのIPOの参入の仕方を考えよう。

IPOのセカンダリーのリスクを理解した上で中期保有を

IPOのセカンダリーに参戦するならば、ボラティリティの高さを理解した上で、ロスカットをしっかりすることが大事だ。たとえばブランジスタのように初日2桁下げた後に株価が倍になるような例もあるが、だいたいは初日初値以下まで大きく売られた銘柄は、中期でも悪いパフォーマンスになることが多いようだ。しっかりとロスカットをしないとジリジリ長期低迷になるパターンにはまってしまう。

逆に、上昇トレンドのでた銘柄は持ちっぱなしにしてもいいかもしれない。ボラティリティが高いので大きく下げる日もあるかもしれないが長期保有ときめたら、日々の動きはあまり気にしない。それが大化け株をつかむための条件だ。

勝率を高めるためには、上場目論見書などで、しっかりと個別銘柄を見極める努力を惜しんではいけない。市場規模、成長性、マーケットシェア、採算、他社の参入の可能性などをしっかり見極めれば、セカンダリーIPOの成功の可能性が高まるだろう。年内まだ19銘柄もIPOが予定されている。クリスマスプレゼントをつかみにいこう。

平田和生(ひらたかずお)
慶應義塾大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。国内外機関投資家、ヘッジファンド、日本株トップセールストレーダーとして、市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスをおこなう。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。

(ZUU online 編集部)

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