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投資の応用
Written by 平田和生 267記事

こんな新規上場は注意?危険なIPOを見極める10のポイント

危険なIPOとは?
(写真=Thinkstock/Getty Images)

2015年の国内IPO(新規株式公開、プロ投資家向け市場・東京プロマーケットを含む)件数は前年比24%増(19件増)の99件になる見通しであると、東京証券取引所は8日発表した。

IPOは、 ここ数年の実績では、約85%の会社の初値が公募価格を上回り、上昇率は平均で80%を超えている。ただ、リーマンショック後の2008年は上場会社の50%が公募価格割れとなっており、相場全体の環境にも左右される。

そこで、以下では危険なIPOを見極める10のポイントを上げてみた。このポイントを見極めることで、セカンダリーからはいってもいいIPO銘柄を探すのにも役立つだろう。

1.大型株のIPOではないか

郵政3社は大成功のIPOだったが、2010年の第一生命は初値を超えるのに3年かかった。最近の大型株では、郵政3社の他には、サントリー食品インターナショナル <2587> やリクルート <6098> があるが、この2銘柄は初値が安値で、初値を今のところ下回ったことがない大成功例といえるだろう。

大型株のIPOは、危険というよりも、競合他社との比較ですでにある程度株価が読めるので、小型株のように大化けはしないということである。

公募価格のバリュエーションが株価算定比較会社に比べて高すぎないか判断することが大事だ。アナリストのカバーも多く、カバー開始も早いため、早々にファンダメンタルズや市場の動向で動く普通の株になる。

過去10年の市場別の公募価格割れの比率は東証1部31%、東証2部39%、マザーズ4%、ジャスダック8%。比較的大型株である1-2部は公募割れの実績が高い。

2.資金調達額が多くないか

企業が新規上場する際に一般に株を売り出して資金調達をするのが公募だ。 たとえば公募による資金調達額が多かったのは、1.4兆円の売り出しとなった郵政3社を除くとgumi <3903> が450億円、メタウォーター <9551> 259億円など。

公募売り出し分は、浮動株なので売り圧力となりやすい。gumiの調達額は上場時の時価総額の48%、メタウォーターは46%に達する。もちろん調達額が大きく、調達額の時価総額比率が高いだけで危険なIPOとはいえないが、潜在売り圧力であることには間違いない。マザーズIPO銘柄は時価総額も小さいが、資金調達額も10-30億円程度。売り圧力も少ないので人気化しやすい。

資金調達額別で、公募価格割れリスクが高いのは、100-150億円の資金調達の上場会社。実に60%が公募割れ。調達が20億円以下は公募割れは3%にも満たない。

3.オールドエコノミーの会社でないか

新規上場株が新しい伸び盛りの会社ばかりとは限らない。歴史のあるオールドエコノミーの会社で、いきなり1部とか2部に上場してくる会社も多く存在する。市場別の公募価格割れの比率は東証1部31%、東証2部39%、マザーズ4%、ジャスダック8%とオールドエコノミーの会社である事の多い1-2部は公募割れの実績も高い。上場する市場とそのビジネスモデルをチェックしておきたい。

4.大株主がベンチャーキャピタルばかり

株主構成をみると、ベンチャーキャピタルばかりの会社がある。ベンチャーキャピタルは、いろいろな企業に投資しているが、あくまでも投資ファンドなので、持ち株はいつか売却することになる。

通常、上場時の大株主は、180日間売れないというロックアップ期間が決められているが、それ以降は株価を見ながら売り出すケースも多い。最近は、公募価格から1.5倍でロックアップが解除される条項もあり、初値が高いといきなり大株主の売りがでる可能性もある。目論見書をしっかりチェックしておこう。

5.再上場会社でないか

西武、JAL、すかいらーく、日立マクセル、ベル24など、破綻やMBO(Management Buyout、経営陣買収)で一度上場廃止した会社が再上場するパターンも多く存在する。再上場も過去の株価、同業他社との比較など株価算定がやりやすいため、大化けする可能性は少ない。

6.親子上場でないか

日立マクセル <6810> 、日本スキー場開発 <6040> など親子上場もある。日本郵政 <6178> がゆうちょ銀 <7182> とかんぽ生命 <7181> の株を所有している日本郵政グループも実はそうだ。

海外では、親子上場ということは少ない。法律上は問題ないとしても、疑問視する投資家も多い。子会社の株価が上がれば親会社の含み益も増える。すでに連結決算で子会社の業績は織り込まれている訳なので、子会社の株価が予想をはるかに上回るとも思えず、また海外投資家の人気も集めにくいだろう。

7.赤字上場でないか?下方修正リスクは?

サイバーダイン <7779> 、gumi、グリーンペプタイド <4594> 、Gunosy <6047> 、クラウドワークス <3900> 、など赤字のまま上場する会社もある。

利益が出ていなくて上場すると言うことは、売り上げがかなり伸びていて近いうちに黒字転換が予想されるか、将来性が高く独自のビジネスモデルを持っているような企業が多い。上場時人気化する銘柄も多いが、その後凋落する株が多いのもこの企業群。特別によく調べる必要がある。

たとえば、gumiは上場直後に下方修正して株価が急落、会社と幹事会社の姿勢が問われた。ジャパンディスプレイ <>6740 も、上場後半年で2度もこ下方修正した。こういった例もあるので下方修正リスクには敏感になりたい。

8.同日の複数銘柄上場

同日に複数銘柄が上場することがある。市場の資金は限られており複数銘柄に新規資金がすべて回るとは考えづらい。また銘柄間で人気格差もつきやすく、公募割れしやすい可能性もありうる。

しかし、過去の実績では、複数上場の公募価格割れが高まるという傾向ははっきりとは出ていない。ただ、同日に人気銘柄が上場する場合は念のために注意した方がいいだろう。

9.競合が激しい分野のIPO

成長分野でニューエコノミーでも株価が冴えない場合がある。たとえば、ビッグデータ、半導体、バイオ関連などだ。成長分野で、会社自体の成長率は高くても、競合会社の上場が多くなってきており、株価が評価されづらいような例が増えてきている。

やはり人気化しやすいのは、ニッチなマーケットでも独特のビジネスモデルをもっており、他社が参入しづらい分野だ。

10.主幹事が大手でない

実績で最も新規上場の主幹事の実績数が多いのは野村證券だ。もちろん販売力もトップクラス。公募から上場の株か安定操作まで安心してみていられる。もちろん、大手以外が悪いとは言えない。

ただ、中小の証券会社の場合、販売力が大手に比べて劣ることは否めず、幹事をとるために発行体向きになっている可能性もある。過去の主幹事実績などを見て判断するべきだろう。

平田和生(ひらたかずお)
慶應義塾大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。国内外機関投資家、ヘッジファンド、日本株トップセールストレーダーとして、市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスをおこなう。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。

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