株式投資
(写真=Thinkstock/Getty Images)

2015年の日本株は、アベノミクス以降の日本株の上昇が続き、日経平均は4月22日には終値で2万0133円へ上昇、15年ぶりに2万円台を回復した。6月には、2004年4月12日のITバブルの高値2万0833円を15年ぶりに抜いた。その後も、ギリシャ情勢の不透明感や年内の米利上げ観測が強まる中でも堅調に推移し、6月24日には2万0868円と2000年4月12日につけたITバブル時の最高値(2万0833円)を超え、約18年半ぶりの高値をつけた。しかし、8月以降は米利上げ懸念、世界景気スローダウン懸念で調整局面となっている。

2016年の日本株を展望するうえで重要な材料を強・弱と分けて5項目あげておこう。


強材料①世界景気拡大

2015年10月にIMF(国際通貨基金)が発表した世界経済見通しでは、2015年の世界経済は3.1%増と2014年の3.4%増からスローダウンする。

ただ、2016年に関しては3.6%増を見込んでおり、世界経済は米国を中心にほとんどのエリアで2015年を上回ることが予想されている。


強材料②日欧の金融緩和続く

米国は雇用の改善と内需の拡大が牽引し経済回復が順調で、FRB(連邦準備制度理事会)はリーマンショック後の非常時の政策金利を正常時に戻すプロセスにはいっている。市場では2016年末までにせいぜい3回の利上げで1%までがコンセンサス。

原油安が直撃するECB(欧州中央銀行)は、デフレファイトのために継続金融緩和を表明している。日本もインフレ率がターゲットに達しないため日銀の金融緩和は続く。追加金融緩和がでればもちろんポジティブだ。


強材料③為替のメインシナリオは円安トレンド

米国が利上げ、欧日が低金利継続もしくは追加緩和ならメインシナリオは金利差拡大からドル高、ユーロ安、円安だ。円安トレンドが続くようであれば、日本株にはフォローの状態が続く。


強材料④日本の企業業績拡大続く

野村證券によると、11月24日現在で「Russell/Nomura Large Cap(除く金融)」の15年度業績は前年度比1.5%増収、同13.2%経常増益、16年度は同2.2%増収、同8.4%経常増益を見込んでいる。

伸び率はスローダウンするものの、増益分の日経平均のバリュエーションは切り上がるはずだ。2016年税制では法人実効税率も今年度比2〜3ポイント低下する。


強材料⑤政局安定

7月に参院選がある。衆参ダブル選となる可能性もある。安倍政権支持率は、安保採決で一時下がったものの、その後はアベノミクス2.0のリリース、矢継ぎ早の海外へのトップ外交など、経済最優先の政権運営に立ち戻ったことで支持率を盛り返し始めた。政局安定は、外国人買いを呼び込む可能性も高い。

続いて、弱材料を見てみよう。


弱材料①米国の利上げ

FRB(米連邦準備理事会)は、先週16日までに開催したFOMC(米連邦公開市場委員会)で、FF金利の誘導目標を0.00〜0.25から2.25〜0.50%に引き上げることを決めた。

過去の30年の米国利上げ局面は1987年、1994年、1999年、2004年があるが、いずれも最初の利上げ前3カ月は株が上昇したが、最初の利上げ後3カ月は株価が下がっている。今回も2016年1〜3月の米国株はあまり期待できない可能性が高い。


弱材料②原油下落とジャンク債の問題化

今月のOPEC(石油輸出国機構)総会で減産合意が出来なかったことで、原油価格は7年ぶりの40ドル割れとなっている。需要サイドも供給サイドも弱い。原油安はデフレ懸念となり世界景気を失速させかねない。クレジット市場では、投資非適格のジャンク債を組み入れたハイイールドファンドの償還凍結やポートフォリオ精算のニュースが出始めている。

ジャンク債の多くは、シェールガス関係などのエネルギー関連企業の格付けの低い社債だ。ジャンク債を保証するCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)は急騰し始めている。思えばリーマンショックも、サブプライムローン関係の損失でCDSが急騰したことが始まりだったし、ギリシャ危機も欧州債暴落による銀行のCDS急騰が始まりだった。


弱材料③中国、新興国の景気失速懸念 中国元安

中国の株価が落ち着いたこと、不動産市況が回復始めたこと、公的資本形成が下支えしていることなどで中国の景気底割れ懸念は薄れてきた。

しかし、中国は明らかに人民元安政策をとっている。何か契機で今年8月のように人民元が急落すると、新興国の通貨安を招き信用収縮となる可能性がある。


弱材料④円高にトレンド変換

メインシナリオは円安だが、2015年6月に日銀黒田総裁は2015年6月に実質実効為替レートでは充分円安で125円より円安を望まないとのコメントをしたため、125円が黒田ラインとして意識されるようになっている。それ以来118円から125円のボックス圏内の動きだ。

12月になって原油安、株安からドルが売られ、ドル円は200日移動平均を下回った。もうしばらく見る必要があるが、円安のトレンドが変わったとすれば、すべての前提を見直す必要が出てくる。


弱材料⑤消費税上げによる2017年度の景気後退懸念

2017年4月からの消費税10%への上げが実施されれば、2014年の8%引き上げ時のように日本経済も一度スローダウンする懸念がある。2016年下期くらいから、株価は消費税上げ後の失速を懸念する動きになることもありうる。

平田和生(ひらたかずお)
慶應義塾大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。国内外機関投資家、ヘッジファンド、日本株トップセールストレーダーとして、市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスをおこなう。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。

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