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5月4日、米ダラス地区連銀のフィッシャー総裁は、利上げ時期を検討するという見方を示しました。これは、昨年の10月に債券買い入れプログラムが終了する可能性が高いとの見方を示してから初めてのことです。フィッシャー総裁は、プログラムは10月に終了すると見込んでおり、その終了時点で、フェデラルファンド(FF)金利の変更に関する話し合いに先立って、失業者に関する幅広い指標などを分析し、経済状況、さらには自分たちの立ち位置についても検討する必要があると意見を述べました。

今月2日に発表された4月の米失業率は6.3%となっています。しかし、労働参加率や時間当たり賃金などといった幅広い状況を示す指標からは力強さは感じられず、雇用市場には未だ不安定要素が残る状況となっていると言えます。また、フィッシャー総裁は、「今後100年以内のどの時点かで、金利が上昇するということであれば、予測できる」と話し、いつ利上げに耐えられる経済状況になるかについての判断を下すのは時期尚早だとの見解を述べました。

フィッシャー総裁は、学問と実務の双方で優れた実績を誇る人物です。世界銀行首席エコノミストやIMFの筆頭副専務理事を務めた輝かしい経歴もあり、国際通貨危機など、多くの問題に取り組んで来ました。また、90年代に起こったメキシコ通貨危機やアジア通貨危機の際には、優れたリーダーシップを大いに発揮して、救済策を唱えた人物でもあります。

こうした背景からも窺えるように、フィッシャー総裁のコメントは非常に強い影響力を持っており、先の総裁の発言そのものに一定以上の実現性が備わっているものだと考えられます。市場の変化として起こりうるのは、リスクマネーが市場から徐々に抜けていくことが考えられます。その中でも特に、高い利回りが期待できるものの、政権交代や急なインフレ、さらには通貨危機など、先進国の国際などと比べて比較的カントリーリスクや信用リスクが高いと言われているエマージング、それから、同じく利回りが高いものの、信用リスクが高いという特色を持つハイイールドなどといったハイリスク投資においては、金利上昇などが意識されることもあり、流出が激しくなる可能性があります。

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