アメリカ,住宅着工許可件数
(写真=PIXTA)

結果の概要:住宅着工件数は、予想に反して前月から減少

2月17日、米国センサス局は1月の住宅着工、許可件数を発表した。住宅着工件数(季節調整済、年率)は、109.9万件(前月改定値:114.3万件)となり、前月比で増加を見込んだ市場予想の117.3万件(Bloomberg集計の中央値、以下同様)に反して、前月比▲3.8%(前月改定値▲2.8%)と、2ヵ月連続で減少した(図表1、図表3)。

住宅着工に先行する住宅着工許可件数(季節調整済、年率)は、120.2万件(前月改定値:120.4万件)と、こちらも前月から減少したものの市場予想(120.0万件)は上回った。この結果、住宅着工許可件数の伸び(前月比)は▲0.2%(前月改定値▲6.1%)となった(図表2、図表5)。

52274_ext_15_0

結果の評価:住宅許可件数は堅調も、住宅着工件数は足元でモメンタムが低下

住宅着工件数は、前月比が2ヵ月連続の減少となったほか、前年同月比でも+1.8%の増加に留まり足元でモメンタムが低下している(図表3)。とくに一戸建ては前年同月比+2.3%とプラスを維持しているものの、集合住宅は▲0.7%と15年10月以来のマイナスに転じた。

一方、住宅着工件数(前月比)の地域別寄与度をみると、1月は全地域でマイナスとなった(図表4)。北東部は▲0.5%ポイント(前月:+2.9%ポイント)と前月からマイナスに転じたが、北東部では1月下旬の吹雪が1950年以来4番目の強さであったほか、ニューヨーク市などでは降雪記録が塗り替えられたこともあり、悪天候も影響したとみられる。

52274_ext_15_1

住宅着工件数の先行指標である住宅着工許可件数の前月比寄与度は、集合住宅が+2.1%ポイント(前月:▲15.0%ポイント)と大幅減少した反動もあってプラスに転じたものの、一戸建が▲1.6%ポイント(前月:+0.7%ポイント)とマイナスとなった(図表6)。

もっとも、許可件数を前年同月比でみると1月は+13.5%(前月:+11.8%)と2桁のプラスとなっており、依然として堅調を維持している(図表5)。また、住宅種類別にみても一戸建てが+9.6%(前月:+6.9%)、集合住宅が+19.9%(前月:+20.4%)となっており、集合住宅は住宅着工件数がマイナスに転じたのとは対照的に2桁のプラスを維持している。

52274_ext_15_2

住宅着工件数の減少は、全米住宅建設業教会(NAHB)が先日発表した住宅市場指数の中の、足元の新築住宅販売に関する指数が65(前月:68)と前月から低下したことと整合的であり、足元の住宅販売が弱くなっている可能性を示唆している。1月以降は米国の資本市場が不安定となっているほか、雇用者数の伸びも鈍化しており、これまで好調であった住宅市場が変調してきた可能性がある。

もっとも、同指数の中でも6ヵ月先の新規住宅販売見込みに関する指数は65(前月:64)と逆に改善しているほか、これまでみたように住宅着工許可件数が高水準であることを考慮すれば、長期金利が低下する中で、このまま新築住宅着工が減少すると考えるのは早計だろう。

窪谷浩(くぼたに ひろし)
ニッセイ基礎研究所 経済研究部 主任研究員

【関連記事】
米国経済の見通し-個人消費主導の底堅い成長が持続、政策金利引き上げの影響は限定的と予想
【1月米雇用統計】雇用者数は市場予想を下回ったものの、その他の指標は労働市場の堅調を示唆
【10-12月期米GDP】前期比年率+0.7%、雇用は堅調も個人消費の伸びは鈍化
米国銃規制問題~オバマ大統領の涙の訴えにも盛り上がらない世論
【1月米FOMC】予想通り政策金利を据え置き、景気判断を下方修正。