株式相場見通し,上値挑戦局面入り
(写真=PIXTA)

日経平均予想レンジ 16,566~17,500円

今週は、G20で政策を総動員することで合意したため、世界経済の先行き不安は和らいでいる。加えて、欧米株高、円安、原油高などの外部環境改善を背景に、日経平均は2/8以来17,000円台を回復した。中国人民銀行は2/29、預金準備率の0.5%引き下げを決めた。景気減速や上海株安が続くなか、3/5からの「全人代」を控え、追加の資金供給で市場の不安心理を払拭する狙いが窺える。

米国では、直近の指標で米景気減速への懸念が後退しつつある。10-12月期GDPは上方修正され、2月のISM製造業景況指数は予想を大幅に上回る改善を示した。足元の労働市場、鉱工業生産、耐久財受注などの指標も底堅い内容で、米経済が今年に入り勢いを増してきたことが投資家心理の改善につながっている。また、原油相場はサウジ、ロシアなど有力産油国が合意した増産凍結について、既に15カ国以上の支持により供給過剰が緩和されるとの期待が強まり、2カ月ぶりに34ドル台水準を回復してきた。

一方、国内では年度内の予算成立が確実ななか、5月伊勢志摩サミット、7月の参院選に向けて経済対策などの政策余地が広がってきたといえそうだ。足元の冴えない経済情勢への危機感もあり、首相の経済ブレーンとされる本田内閣官房参与の「増税凍結はサミットで表明すべき」と消費税の延期を暗に示唆する発言など、秋ともいわれていた判断を世界的な金融市場の混乱を踏まえ前倒しする可能性が浮上してきた。加えて、衆参同日選挙などの思惑が株式市場にとって最大の経済対策になるとの期待感も広がっている。

テクニカル面では、今年初めて4日続伸となり、底打ちムードは強まっている。上値抵抗となっていた、2/1高値から2/12安値の半値戻しの16,385円を達成したうえ、25日線をも突破してきた。半値戻しは全値戻しの格言に従えば、2/1高値17,905円奪回の反騰相場に入ったと見て取れる。

ただ、この水準を目指すには戻り待ち売りをこなす売買エネルギーの拡大が不可欠で、買い戻しに加え、新規資金流入が反騰力の鍵を握ることとなりそうだ。

以上、来週の相場は、日米欧の金融政策等のイベントを控え、3月末を意識した上値挑戦局面入りと捉えている。日経平均のレンジとしては、節目となる17,500円を上値目処として、下値は5日線の16,566円が意識される。

株式相場見通し3-4

伊藤嘉洋
岡三オンライン証券 チーフストラテジスト