目次

  1. 富裕層に人気の「仕組債」
  2. デリバティブを組み込んだ債券「仕組債」
  3. そもそも仕組債とは
  4. 仕組債のリスク
  5. 高いリターンを得るには高いリスクが付きもの

富裕層に人気の「仕組債」

債券
(画像=PIXTA)

本記事では、通常の国債などに比べて高いリターンが期待できることから、富裕層から人気を博す「仕組債」についてお伝えします。「仕組債」に投資してリターンを得るために重要な「ノックイン事由」「早期償還」といった考え方や、仕組債には元本が保証されないリスクがあることも合わせて解説します。

デリバティブを組み込んだ債券「仕組債」

富裕層の間で人気が高い金融商品があります。それは、「仕組債」と呼ばれるデリバティブ(金融派生商品)が組み込まれた債券のことです。通常の国債や社債は満期やクーポン(利子)が固定されていることが一般的ですが、仕組債はマーケット動向によってそれらが変化します。一般的に、国債や社債は発行体がデフォルトしなければ、償還期限に元本が返ってきますが、仕組債ではそれが保証されていない点に大きな違いがあります。

それでも、低金利が常態化し運用が難しくなっていることから通常の債券と比較すると格段に高いリターン(高利回り)が期待できるため人気を博しています。

そもそも仕組債とは

仕組債の発行者は、主に海外の金融機関です。発行者がアレンジャーと呼ばれる証券会社を通じ資金調達を行います。この仕組債を購入した投資家は定められた利払日に、比較的高いクーポン(利息)を手にすることができます。この条件だけを見れば通常の債券では実現できない高いリターンを狙えることが分かるでしょう。

しかし、こうした仕組債には通常の債券にはない「ノックイン判定水準」というものが設定されています。例えば、日経平均株価を参照する仕組債の場合、「ノックイン判定水準」は、「当初日経平均株価」の75%などと設定されます。「当初日経平均株価」が1万8,000円ならば、75%の水準である1万3,500円がノックイン判定水準となります。

この仕組債を保有している間に日経平均株価終値が一度でもノックイン判定水準である1万3,500円を下回った場合には、「額面金額×最終日日経平均株価/当初日経平均株価」(ただし、額面金額の100%が上限となります。)といった算式にあてはめた償還金額で満期時に償還されることになり、元本割れの可能性があります。満期償還額は額面金額の100%を超えることはありません。

では、逆に日経平均株価が上昇した場合にはどうでしょうか。通常、利払い日の前に早期償還判定日というものが設定されています。この判定日に日経平均株価が早期償還判定水準以上となれば、債券は満期を待たずして早期償還されることになります。 早期償還判定水準は、「当初日経平均株価」の110%などと設定されます。「当初日経平均株価」が1万8,000円とすると、早期償還判定水準は1万9,800円となります。 このように仕組債においては「ノックイン判定水準」「早期償還判定水準」が重要です。

仕組債は金利や通貨を交換するスワップやオプションといったデリバティブを利用することで投資家や発行者のニーズにあったキャッシュフローを生み出す構造となっています。満期やクーポン(利子)、償還条件は投資家や発行者のニーズに合わせて自由に設定することが可能です。

販売時期や需給関係などからさまざまな条件の仕組債が発行されています。日経平均株価が2万5,000円を超える水準の時期に発行される仕組債と、日経平均株価が2万円の時期に発行されるものとでは当然条件が異なります。日経平均株価の終値が2万円の時に発行されたもので、ノックイン判定水準が75%であれば、日経平均株価終値が1万5,000円でノックインします。 ノックインすれば満期時に額面金額を割り込む可能性があります。

しかし、設定されるノックイン判定の水準も、発行時の相場環境や需給、仕組債の期間によって変化します。商品によって、ノックイン判定水準が70%のものもあれば、50%のものもあります。また早期償還判定水準についても同様に100%のものもあれば105%のものもあります。期間についても1年もあれば5年もあります。対象も、日経平均株価だけではなく、他国の株式指数や通貨など、さまざまな条件の仕組債が発行されています。

仕組債のリスク

仕組債も投資商品である以上、リスクが存在します。一般的な債券に共通するリスクは以下になります。

そのなかでも、仕組債で特に気を付けるべきリスクは流動性が低く途中売却が困難である点といえます。

また、仕組債にはその他の固有のリスクがあることも知っておきましょう。具体的には、ノックイン事由などの条件次第で、投資家が受け取る償還金に元本割れが発生する点などです。

高いリターンを得るには高いリスクが付きもの

仕組債は数ある金融商品の中でも、魅力の多い金融商品です。 低金利の現在ではこうした金融商品に対するニーズがあるのは事実でしょう。一方で高いリターンを得るには高いリスクを容認する必要があります。他の投資商品同様、リスクを過小評価し、リターンのみに目が行きがちになる点には注意が必要です。仕組債が抱えるリスクを十分理解し、資産運用における選択肢の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。


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