コロナ禍において、若い世代から積立投資が注目されています。2021年2月26日、金融庁は積立投資の非課税制度である「つみたてNISA」の2020年12月末時点の口座数が300万を超えたと発表しました(速報値)。世代別動向を確認できる2020年9月末の実績では、2019年末に比べて20代が約1.6倍、30代は約1.5倍も口座数が増加しています。

新型コロナウイルスの影響が長引くなか、在宅時間が増えたことが将来の資金計画を改めて考えるきっかけになったことが増加理由にあると思われます。特に、インターネットを使って投資信託の積立(以後、投信積立)を始めたいというニーズが高まっているようです。この記事では資産運用初心者向けに、投信積立について解説していきます。

投信積立とは

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(画像=Freedomz/Shutterstock.com)

投信積立とは、毎月決まった日に、決まった金額を自動的に金融機関の口座から引き落として、投資信託を購入することです。価格が変動する金融商品を一定の間隔で、一定の金額で定期的に購入し続けるこの投資手法は、「ドルコスト平均法」とも呼ばれています。

投信積立の5つのメリット

投信積立にはどのようなメリットがあるのでしょうか。5つのメリットについて解説します。

少額からスタートできる

投信積立は少額から始めることができます。100円から積立ができる金融機関もあります。まとまったお金がなくても、投資の勉強を兼ねて少額から積立を開始することができるのは、資産運用初心者にとって大きなメリットでしょう。

世界中のあらゆる資産に投資できる

投信積立独自のメリットではありませんが、投信信託を活用すれば、世界中のあらゆる資産に投資できるようになります。

例えばアメリカの不動産に投資したい場合、実際に物件を購入するには多額の資金が必要ですし、言葉の壁もあり、資産運用初心者が簡単に購入できるものではないでしょう。しかし、投資信託を活用すれば、日本の金融機関を通じて、アメリカ不動産へ投資も可能です。

プロのファンドマネージャーが運用してくれる

こちらも投信積立独自のメリットではありませんが、投信信託はプロのファンドマネージャーがあなたに代わって運用してくれます。資産運用初心者の場合、株式投資を始めようと思っても、何の銘柄をいつ、どのように買って、いつ売却すれば良いか分からないでしょう。投信信託を活用することによって、それらの判断をプロに託すことができるのです。

分散投資ができる

「卵をひとつのカゴに盛るな」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。いくつかの卵をひとつのカゴに盛ると、そのカゴを落とした場合、すべての卵が割れてしまう可能性があります。資産運用も同じで、資金をひとつの資産に集中させず、分散して投資することで、ある資産に損失が発生した場合でも、全体の損失額を少なくする効果が期待できます。

前述の言葉は「分散投資が重要だ」という意味の投資格言です。分散投資の種類には、金融商品を分ける「商品の分散」、異なる国や地域に分散させる「地域の分散」、運用対象となる通貨を分散させる「通貨の分散」、そして購入時期を分散させる「時間の分散」などがあります。

一般的に投資信託は、株や債券など様々な資産に分散投資する(例えば2,500銘柄に投資する)ので、投資信託自体への投資が「商品の分散」になります。投資信託の種類によっては「地域の分散」や「通貨の分散」も期待できます。また、毎月一定額を購入する積立という投資方法が「時間の分散」になります。つまり、取り扱う資産クラスが異なる複数の投資信託に積立投資することで、上記4つの分散を同時に実現できる可能性があります。

自動積立であれば放っておくことができる

金融機関の口座からの自動積立を設定すれば、基本的に以降は放っておいて問題ありません。煩雑な事務手続きが発生しないことはもちろん、より大きなメリットは「自動的に預金口座から引き落とされる」ことでしょう。

なぜなら、お給料から生活費や交際費などを支払ったあとに残ったお金を投資に回そうとしても、なかなか投資資金を捻出できないものです。あなたも、手元にお金があるといつの間にか使い切ってしまうという経験があるのではないでしょうか。自動積立であれば、そのような心配なく資産形成ができるのです。

投信積立の3つのデメリット

ここまで投信積立のメリットを説明してきました。しかし、投信積立も投資信託を活用した投資ですから、リスク(デメリット)があります。ここからは、投信積立のデメリットを解説します。

元本割れリスクがある

投信積立独自のデメリットではないものの、投資信託は元本保証ではありませんので、運用の結果、損をする可能性があります。ただ、積立投資の特性上、相場が下がったときは購入量が多くなります。相場が下がったときもコツコツと積立を継続することによって平均購入単価が下がり、次の上昇局面では利益が生じる可能性があります。

手数料が発生したり、税金が発生したりする

投資信託によっては購入時、保有期間中、売却時などに手数料がかかることがあります。ただ、近年は「ノーロード投信」と呼ばれる購入時手数料がかからない投資信託も存在します。利益が出た際も、運用利益の全てをもらえるわけではなく、原則として利益の約20%に税金がかかります。

上昇相場の場合、一括投資に比べて利益が少なくなる場合がある

相場の上昇局面を的確に捉えた場合、コツコツと積立投資するよりも、安いときに一括で投資したほうが、短期間で大きな利益をあげることができます。積立投資でも利益は出るのですが、一括投資によって臨機応変に買った場合に比べて利益が少なくなることがあり得ます。しかし、プロでも相場の上昇局面を的確に捉えることは難しく、一括投資後に、思惑が外れて下落局面に突入した場合、大きな損失が発生する可能性があることも理解しておきましょう。

投信積立のシミュレーションを見てみよう

ここからは、投信積立のシミュレーションを見てみましょう。前提条件は以下です。

・積立期間は30年(360ヵ月)
・積立金額は月3万円(投資元本総額は1,080万円)
・計算は金融庁のシミュレーションツールを使用(年1回の複利計算、小数点以下を四捨五入)
   https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/moneyplan_sim/index.html

銀行預金と同水準の年利0.001%、年利2%、年利5%の3パターンを見てみましょう。
(金利はいずれも税引前)

年利0.001%:最終積立金額10,801,616円(税引前)
年利2%   :最終積立金額14,781,762円(税引前)
年利5%   :最終積立金額24,967,759円(税引前)

年利0.001%は、元本1,080万円に対して30年で約1600円しか増えない計算になりました。現在の銀行預金の金利水準が今後もずっと続く場合、銀行預金で資産を増やしていくことは困難と言えるでしょう。

年利2%の場合は約400万円の運用収益が出る計算になりました。年利5%の場合は1,400万円以上と元本の2倍以上の運用収益が出る計算になりました。30年ずっと年利5%を維持するのは簡単ではないかもしれません。ただ、月3万円の積立投資でも、塵も積もれば山となることを実感頂けるかと思います。

投信積立の4つのコツ

ここからは、資産運用初心者向けに、投信積立をする際に知っておきたい4つのコツを解説します。

一度始めたら放っておくくらいがちょうど良い

投信積立は、あらかじめ設定した金額を毎月自動で積み立てることができるので、非常に管理が楽です。前述のように、お給料から色々と使ってから、残りを投資に回そうとしても、なかなか投資資金を捻出できないものです。基本的には毎回の事務手続きは不要ですので、一度始めたら、毎月投資する金額に無理がない限り、放っておくくらいがちょうど良いでしょう。

無理のない金額で始めて、余裕があれば徐々に積立額を増やす

無理のない金額で投信積立を始めて、余裕があれば徐々に積立額を増やすと良いでしょう。特に資産運用初心者の場合は、まずは「投資というものに触れてみる」「投資というものに慣れる」ことが大事ですので、無理のない金額で始めましょう。

投信積立に慣れてきて、かつ家計に余裕があれば、徐々に積立額を増やすことをおすすめします。運用利回りはコントロールできませんが、毎月の積立額は自分でコントロールでき、かつ毎月の積立額を増やすことは、最終的な資産額の増大に直結します。

例えば上記の年利5%シミュレーション結果は24,967,759円でしたが、前提条件の積立金額を月3万円から4万円に増やすと、結果は33,290,345円となり、追加元本金額が360万円である一方、運用収益は800万円以上も増加します。

下落局面が来ても慌てない。むしろ「たくさん買えるチャンス!」と考える

相場に下落局面はつきものです。下落局面が来ても慌てずに、むしろ「たくさん買えるチャンス!」と考えましょう。前述のように投信積立は、相場が下がったときは購入量が多くなります。相場が下がったときもコツコツと投信積立を継続することによって、平均購入単価が下がります。下落局面が来たら、将来利益を出すために安く購入できるチャンスと捉えましょう。

iDeCoやつみたてNISAを活用する

投信積立をする際は、「iDeCo」や「つみたてNISA」の活用も検討しましょう。

iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)は、確定拠出年金法に基づいて実施されている私的年金の制度です。掛金を拠出し、自分で運用方法を選んで掛金を運用します。掛金とその運用益との合計額を給付として受け取ることができます。掛金拠出時、運用益、給付を受け取るときの3点において、税制上の優遇措置を受けることができます。投資信託を運用方法として選択すれば、投信積立と同様の効果を得ることができます。原則として60歳まで引き出すことはできませんが、老後の資産形成としては大変メリットが大きい制度なので、ぜひ活用を検討したいところです。

つみたてNISAとは、2018年1月からスタートした、少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です。対象商品は、長期・積立・分散投資に適した投資信託に限定されており、資産運用初心者にとって利用しやすい制度となっています。毎年40万円を上限に、非課税期間20年の累計最大800万円から得られる分配金や譲渡益が非課税になります。iDeCoと違って、換金制限がないことも特徴です。既にiDeCoを活用している人、60歳まで解約できないリスクは避けたい人などは、ぜひ利用を検討したいところです。

投信積立で着実な資産形成を

この記事では資産運用初心者向けに、投信積立について解説してきました。投信積立は少額から始めることができ、手間もかからないので、資産運用初心者にとっても手掛けやすい運用方法です。iDeCoやつみたてNISAを活用しつつ、まずは無理のない金額で始めて、慣れてきたら積立金額を増やし、着実な資産形成を進めていきましょう。

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