「会社から言われて年に一度なんとなく受診している・・・」「再検査の項目がなければ、細かい数値を気にすることはない・・・」。

健康診断は、自分の体の状態を理解するための絶好の機会にもかかわらず、「受けっぱなし」になっている人も多いのが現状です。今回は、健康診断の歴史などを解説します。

日本における「健康診断」の歴史

健康診断
(画像=PIXTA)

一口に「健康診断」といっても、その役割は、時代ごとに異なっていました。

公衆衛生環境が未整備だった時代には、まず結核、コレラなどに代表される急性感染症の予防が、重要なポイントでした。私たちが今現在、直面している新型コロナウイルスと同じように、結核などの感染症を防ぐことは、当時の人々にとって重要な課題だったのです。

公衆衛生環境の改善や各種対策によって結核による死者数は大幅に改善されましたが、その次に日本人の死因の上位にあがってきたのが、脳血管疾患、がん(悪性新生物)、心疾患などです。

これらの病気は、「40~60歳くらいの働き盛りに多い疾病」であることから、厚生省が昭和30年代に、行政用語として「成人病」と呼ぶようになりました。しかし、その後、これらの病気は、40〜60代に突然発症するのではなく、若い頃からの食生活や運動、喫煙、飲酒、ストレスなどの生活習慣を積み重ねた結果、発症することが多いことが明らかになり、「生活習慣病」と呼ばれるようになったのです。

2008年4月より、40歳から74歳までの人を対象に生活習慣病の予防を目的としたメタボリックシンドロームに着目した「特定健康診査」も行われるようになっています。

日本の場合、労働安全衛生法という法律によって、健康診断の受診が義務付けられていますが、欧米にはこうした制度はなく、世界的にみても非常に珍しい制度と言われています。

定期健康診断だけでは重大な病気を見落とすリスクも

注意したいのは、定期健康診断はあくまで企業に義務付けられたものであり、それだけですべての疾病を発見できるわけではないということです。定期健康診断に加え、性別や年代、家族の既往歴などを考慮し、自分に合った検査を行うことも大切です。

また、「20代のうちは定期健康診断だけで大丈夫」という考え方も多く、そのままで問題ないパターンが存在することも確かですが、注意が必要な場合もあります。確かに20代のうちは、体力もあり、身体の衰えを感じることは少ないはずです。また、年齢が上がるほどリスクが高まる病気が多いのも事実です。

しかし子宮頸がんは、20代後半から増加し40代でピークを迎え、その後横ばいになります。子宮頸がんは性交渉による感染で引き起こされるがんで、日本で1年間に約1万1,000人が診断されています。定期的に検診を受けてさえいれば早期発見できますが、発見が遅れてしまうと、死亡リスクもある病気です。

様々な病気の大きな原因となる生活習慣病の予防は、20代のうちから始めるべきといわれています。間違った生活習慣は、知らず知らずのうちに免疫の機能を低下させることにもつながるので、40代・50代になって身体に不調が現れ始めてからではなく、何も起きていないうちに是正する必要があります。

さらに最近では、ストレスが健康状態に大きな悪影響を及ぼすことが知られています。学生から社会人になる、さらに転職するなど、環境が変わりやすい20代は、ストレスの多い時期でもあります。突然の体調不良に見舞われると、その後の人生にも大きく狂いが出てしまいます。

こういったことを踏まえると、決して「20代だから絶対に安心」とはいえないことがわかるでしょう。定期的に健康診断を受け、その「成果」を把握することで、自分にあった「健康マネジメント」のサイクルを構築することができるのです。

未知なる感染症に備えるためにも健康診断の活用を

現在、世界中の国が新型コロナウイルスに苦しめられていますが、重症化しやすい因子として「糖尿病などの基礎疾患がある場合」「喫煙習慣がある場合」などが挙げられています。

今回の新型コロナウイルスが鎮静化したとしても、今後また新たなウイルスが蔓延する可能性はゼロではありません。未知なる感染症が蔓延した際に、その脅威から逃れるためにも、日頃から自分の体をメンテナンスしておく必要があります。

また、日本は平均寿命の長い長寿国として知られています。しかしその一方で、生き生きと暮らせる健康寿命と、生物学的な平均寿命との間にかい離があることが、長年問題視されてきました。

健康寿命を延ばすために大切なのは、20代のうちから健康への意識を高め、定期的な検査によって自分の身体の状態を把握する仕組みをつくることです。なぜなら、現代人は詳細な健診データをとってみると、20代でも不健康な状態に近づいている場合が少なくないからです。

一般的な定期健康診断の検査項目はは下記の通りです。

① 既往歴及び業務歴の調査
② 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
③ 身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査
④ 胸部エックス線検査及び喀痰検査
⑤ 血圧の測定
⑥ 貧血検査(血色素量、赤血球数)
⑦ 肝機能検査(GOT、GPT、γ-GTP)
⑧ 血中脂質検査(LDL・HDLコレステロール、TG)
⑨ 血糖検査
⑩ 尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)
⑪ 心電図検査

これらに加えて、オプション検査を受けたり人間ドックに行ったりすると、時間も費用もかかります。しかし、その少しの時間や費用を惜しんだ結果大きな病気にかかると、結果的に長期入院や治療で大きな出費が発生してしまいます。

2019年は老後2,000万円問題が話題になりました。老後の生活費を圧迫しがちなのが、医療費や介護費用です。老後の生活を考えた時、人生の早い段階で健康に投資することは、貯金をするのと同等かそれ以上に価値があります。

人生100年時代といわれる今を生きるからこそ、定期健康診断を受けっぱなしにせず、定期的に自分の状態をチェックする仕組みづくりに取り組んでみてはいかがでしょうか。

※KRD Nihombashiは健康保険の使用ができない、自由診療の健診施設です。 健診は、スタンダード、ライト、「歯・目・血」、プレミアム、レディースの各コースをご用意しており、 料金はスタンダードAコースで13万7500円、Bコースで12万1000円、プレミアムでは男性コース22万円、 女性コースは24万8000円となっています。各コースともに、70項目以上の検査項目を実施し、 受診者さまの健康管理をサポートいたします。料金の詳しくは以下をご確認ください。
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