人の寿命を最も短くしている要因は高血圧と肥満であるという研究成果が発表されました。

これは大阪大学大学院医学系研究科のチームが明らかにしたもので、日本と英国、フィンランドのバイオバンクが保有する合計70万人分のゲノム情報などを活用して行われました。

肥満も高血圧も、どちらも生活習慣が大きく影響しています。基礎的な知識を持ち、日頃からしっかりと対策をしておくことが重要です。

30代のポッコリお腹は「ヤバい」

生活習慣病
(画像=PIXTA)

30代が他の世代と比べて注意が必要なのは、「生活習慣病が進んでいるにもかかわらず危機感が薄い」という点です。

30代で「ポッコリお腹」を抱えていても40代以降のいわゆる「メタボ健診」はありません。そのため、メタボリックシンドロームであることを見過ごし、何の対策もせず、ただただ生活習慣病が発病するのを待っている、といった状態になりかねません。

そもそも肥満(メタボ)とは?

テレビや新聞などでよく耳にする「メタボ」という言葉は「メタボリックシンドローム」の略で、生活習慣病の前段階の状態を示すものです。

肥満は、皮膚の下に脂肪がつく「皮下脂肪型」と、内臓の周辺に脂肪がたまる「内臓脂肪型」の二つに分けられます。脂肪細胞が体内の糖代謝や脂質代謝に関わる物質を作りだすことで、身体はバランスを調節しています。

メタボリックシンドロームとは、その脂肪細胞が過剰になり代謝機能に異常が生じている状態です。組織内に脂質が過剰に蓄積することで、脂肪毒性により細胞内ストレスや慢性炎症を引き起こし、肥満や糖尿病などのメタボリックシンドロームの根本的メカニズムのひとつであるインスリン抵抗性(インスリンの血糖値低下作用が効きにくい状態)の要因になります。

肥満がもたらす高血圧のリスク

肥満は、高血圧の大きな要因の一つです。また、ストレスや塩分の取りすぎなども高血圧につながります。

高血圧の期間が長ければ、それは長期にわたって血管に負荷を掛け続けていることを意味します。30代から高血圧になったとすると、50代の時点で20年間にわたって毎日血管に負荷を掛け続けたことになります。

こうした肥満に起因する高血圧という身体からのサインを長年見過ごしてしまうと、生活習慣を改めたとしても元の状態に戻すのは簡単ではありません。

生活習慣病の種類と対策

肥満や高血圧がもたらす「生活習慣病」は、かつては「成人病」とも呼ばれており、食事や運動、喫煙、飲酒などの生活習慣が要因となって発症する疾患の総称です。

「がん」「脳血管疾患」「心疾患」の日本人の三大疾病も生活習慣病に含まれるほか、ほかの具体的な病名としては「動脈硬化症」「糖尿病」「高血圧症」などが挙げられます。

生活習慣病は大きく分けて、「食習慣」「運動習慣」「喫煙」「飲酒」のそれぞれに由来するものに分類されます。

食習慣、運動習慣に由来する生活習慣病

食習慣や運動習慣に由来する生活習慣病としては、「2型糖尿病」や「肥満」、「脂質異常症(高脂血症)」、「高血圧症」などが挙げられます。

食習慣に由来する生活習慣病の発症を予防するための対策としては、「適正体重」を維持することや、「主食」「主菜」「副菜」を組み合わせて摂取すること、「塩分」を控え目にすること、市販の食品や外食時の料理の栄養成分を確認することなどがあります。

肥満度を表す指標としてBMIが知られていますが、内臓脂肪を溜めない食習慣のためには、LBM(Lean Body Mass)という指標を活用するとよいでしょう。LBMは“除脂肪”体重を意味し、脂肪以外の内臓や筋肉、骨などの重さの総量を表します。

このLBMが減ってしまうと、基礎代謝が低下し、かえって太りやすい体質になってしまいます。

また、運動習慣を身につけ普段から身体を動かしておくことも重要です。各年齢層における身体活動や運動時間の目安は、厚生労働省が示しています。

18歳未満の場合は体育やスポーツ、身体を使った遊びなどを含めて毎日最低60分以上は身体を動かすことが推奨されており、18〜64歳の人は「歩行以上の強度の身体活動」を毎日60分、「息が弾み汗をかく程度の運動」を毎週60分することが目標として定められています。65歳以上の人は、強度を問わない身体活動を毎日40分することが必要とされています。

ちなみに必要な運動量は人によって異なります。そのため、医師などに相談をしながら、自分の状態を把握して、どのくらい運動すればよいのかを知る努力も必要な場合もあります。適切な運動量が分からなければ、肥満外来などの受診も検討するとよいでしょう。

喫煙に由来する生活習慣病

喫煙に由来する生活習慣病としては、「肺がん」や「肺扁平上皮がん」のほか、「循環器病」、「慢性気管支炎」、「肺気腫」などが挙げられます。

また、タバコにはニコチンやタールなどの有害物質が多く含まれているため、様々な種類のがんや呼吸器、循環器の疾患につながることが指摘されています。タバコに含まれるニコチンには依存性があることから、本人の意思だけではやめるのが難しいケースも多くあります。そのため場合によっては、禁煙補助剤などを薬局で購入したり、医師の指導の下で禁煙治療を受けたり、といったことも必要になってくるでしょう。

またタバコについては、周りの人に与える影響についてもしっかりと考えておかなければなりません。タバコの有害物質は副流煙にも多く含まれています。禁煙場所では喫煙しないことはもちろん、家族などの健康を守るために近くに人がいるときにはタバコを吸わないなど、自主的な努力が求められます。

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飲酒に由来する生活習慣病

飲酒に由来する生活習慣病としては、「アルコール性肝疾患」や「がん」、「脳萎縮」、「うつ病」などが挙げられます。

アルコール類の摂取は、仕事などの付き合いで仕方がないケースも少なくありません。しかし、アルコールには依存性がある上に、摂取を続けているとさまざま健康障害を引き起こします。

飲酒に由来する生活習慣病の予防のためには、まず飲む量を一定程度に抑えることが重要ですが、必ず休肝日を設けるようにしてください。飲酒は、肝臓や消化管に負担をかけるため、これら臓器の修復のために、週に2日程度の休肝日を作ることが必要です。2~3日飲んで1日休む、という習慣をつくるとよいでしょう。

健康診断で定期的に自分の身体をモニタリング

メタボに近づいている人は、たとえ20代であっても対策が必要です。一度、身体に異常が起こると、元に戻すのは非常に困難な場合も多いです。また、30代にはメタボ健診はありませんが、悪い生活習慣が20代よりも積み重なっている分、さらに注意が必要です。

また、最近は健診の結果が「非メタボ」であっても保健指導を受ける場合があります。「数値は少々高いけどまだ大丈夫だろう」などと考えず、積極的に改善していくことが必要です。

「人生100年時代」と言われる現代において、若いうちに生活習慣病にかかることのリスクははかりしれません。年々社会保障費の増加が懸念されている社会状況も考えれば、今後医療費が十分に確保される保証はありません。お金と健康の双方に不安を抱えた状態では幸せな老後は送れないでしょう。

自分に合った適度な対策をしていくためにも、自分の身体が今どのような状態で、今後どうなっていく事が予想されるのかを一度くまなく調べてみてはいかがでしょうか。

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