ほとんどの会社員は、年1回法令で義務付けられた定期健康診断を受けているはずです。中には人間ドックなどで身体の状態を詳しく調べている人もいるでしょう。

しかし、そのたった年1回の健診の数日前から急に、お酒を控えたり、野菜を摂るなどの行動をして、多少体調を整えたつもりで臨んでいないでしょうか。言わずもがなですが、本来見直すべき生活習慣を放置すると、「健診を受けていたのに…」では済まされない、医者でも治せない恐るべき事態を迎えてしまうことにもなりえます。

この記事では、健診直前の無意味な対策がはらむリスクについて解説します。

そもそもなぜ健康診断の前だけ節制し、受けっぱなしになるのか?

健康診断
(画像=PIXTA)

「タバコはやめたほうがいいですよ」
「食事は腹八分にしましょう」
「お酒はひかえめにしておきましょう」

健康について、こうしたアドバイスを受けていませんか? 頭では理解していても実際に日々の生活習慣を変化させるのは難しいものです。健康診断を受けて、体重や血圧といった数字が悪いと、家族や医師から毎回言われ、うんざりしてしまうという人もいるでしょう。

こうした「しかられたくない」「注意されたくない」といった思いが先行した結果、「健康診断の直前だけ摂生する」という行動につながるケースが多々あるのです。

無意味な健診直前の対策のリスクとは?

無意味な健診直前の対策がはらむリスクとはなんでしょうか。

それは、「その時だけ数値が改善してしまう」ことが長期的に見た場合に、より大きなリスクを引き寄せてしまうことです。

例えば、健診直前の数週間だけ、急に野菜を摂ったり、飲酒、糖質を控えるなどの対策を行った結果、血糖値や血圧等の数値が改善してしまうということも起こりえます。こうしたいわば、「その場しのぎの数字」で改善したと判断して、根本的な対策をとらずにいれば、悪い生活習慣が放置され、ある日、突然症状が出るという可能性もあるでしょう。

また、医師に自身の状態を正直に申告にしなかったがために、防ぐことができた病気になってしまっては本末転倒です。例えば、本来できた対策を実施しなかったことで、「これから大きな仕事に取り組もう!」と思ったタイミングで健康を害してしまったら、悔やんでも悔やみ切れないのではないでしょうか。

また、健診をきちんと受けないことには、経済的なデメリットもあります。実際、特定保健指導を受けなかった人は、受けた人と比較すると医療費が最大1.56倍高くなるという統計もあります。

平成28年の総務省統計家計調査によると、高齢夫婦無職世帯の消費支出は毎月約24万円である一方、公的年金などを含む手取りの収入は約18万で、毎月6万円程度が不足するといわれています。

65歳で定年を迎えるとしても100歳まで生きたとしたら、35年間で約2,300万円が必要となります。この金額も働き続けることができれば、削減することができますが、健康を害してしまえば減らすどころか、医療費が加算される可能性すらあるのです。

健診を有効に活用するためには?

それでは、健診を有効に活用するためにはどうすればよいでしょうか。

まずは、これまで述べてきたように、健診前だけの節制では意味がないということを理解しておくことがなによりも重要でしょう。

その上で、健診は「自身の身体の現状把握のために行う」ということをまず意識すべきです。健診の結果は、自身の健康状態の「現在地」を見極め、日常生活をどのように変化させていくかを決めるための指針となります。そして、変化させた生活が健康にどのような影響を与えたのかを判断するために、次回の健診を活用するというサイクルを築くことができるでしょう。

こうしたサイクルを築く上では、健康を手に入れた先にあるものを意識することが必要です。病気にならないことを目的にするのではなく、「健康であることで実現したいこと」を考えてみると良いでしょう。

例えば、「出来るだけ長く孫のめんどうをみること」「リタイア後に夫婦で旅行いくこと」など「健康の先にあるもの」を目標にして、日々の健康意識を積み重ねて行動し、定期的な健診のタイミングにその成果を確認することで、生活習慣の改善にもつながるのではないでしょうか。

それでもなお、付け焼刃的な対策をしてしまうようであれば、あえて厳しくみてくれる人を探すのも1つの方法です。

健康データも賢く活用する時代へ

これまで取り上げてきたように、健康診断を有用に活用できるかどうかは、受診者自身の取り組みの姿勢にかかっているともいえます。

本来、健康診断では定期的に受ける健診結果を時系列で診ていくことで、過去から今の身体の状態がわかり、将来の身体の状態が見えてきます。最近では、これまでは病院や薬局で管理されていた、個人の医療データであるPHR(Personal Health Record)を、自らが管理し、健康状態の把握に生かしていく動きもあります。

このように健診は年1回の単なるイベントではなく、将来の自分の身体のための健康管理に役立てる情報として有効活用できるのです。健診やそこで得られたデータを元に、自身にあった健康への取り組みを考えてみてはいかがでしょうか。

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