新型コロナウイルスの感染を予防するために、やはりこれまでの感染症と同じくマスク、手洗いをはじめとした対策が見直されています。一方で、口の中のケア(口腔ケア)することも重要だといいます。何故なら歯周病がウイルス感染を起こしやすくしてしまう可能性があるからです。

現在テレワークの増加により生活習慣が変わることで、口腔環境も変化する可能性があります。例えば、以下のような状況が当てはまる人もいるのではないでしょうか?

・在宅勤務で身だしなみへの意識が薄れ、歯磨きを忘れることが増えた
・自宅なら喫煙できるので、タバコの本数が増えた
・デスクの前で長く作業しながら無意識に歯を食いしばっている時がある

こうした状況を踏まえ、口の中の健康を維持することの重要性を、新型コロナウイルスとの関連などをもとに解説していきます。

田中岳史
監修・田中岳史
KRD Nihombashi院長

昭和60年 順天堂大学医学部卒業、順天堂大学第2外科学講座入局
平成2年 順天堂大学大学院卒業
平成5年 ケンブリッジ大学留学
日本消化器病学会指導医
日本外科学会認定医
日医認定産業医
宇宙航空医学認定医

歯周病は「口の中」だけの問題ではない

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(画像=PIXTA)

私たちの口の中には、数百種類の細菌が億単位で存在しています。通常、これらの菌は無害なのですが、歯磨きが不十分であると、歯の表面に付着し、歯垢となります。歯垢は食べカスと思われることがありますが、実際はまったくの別ものであり、細菌と代謝物のかたまりのことを指します。

この歯垢に住み着いた細菌が虫歯や歯周病を引き起こすのです。歯周病が悪化すると、最終的に歯を失う原因となります。また、最近では、糖尿病や呼吸器・心臓疾患、認知症などとの関連性も指摘されています。

「歯周病があるとそこから細菌が容易に血管に侵入し、全身に回ります(菌血症)。するとサイトカインという生理活性物質が免疫細胞から放出され、それが血糖を下げるホルモン(インスリン)の抵抗性を上げ、高血糖状態、糖尿病の増悪を引き起こします。

糖尿病の状態では、免疫機能の衰えや組織の抵抗性の低下が起こることから、慢性的な炎症が持続して、歯周病をもっと悪くするという悪循環に陥ることになります。同様に菌血症状態は細菌の産生する毒素などによって慢性的な血管の炎症が起き、動脈硬化を促進、増悪させます。そして心血管系、腎臓、脳など全身のありとあらゆる臓器、組織がボロボロになっていくのです」。(KRD Nihombashiの田中岳史院長)

また、歯周病によって起こる炎症によって、ウイルス感染が起こりやすくなると言われています。口腔内を不潔にしておくと、インフルエンザウイルスに感染しやすくなり、重症化のリスクも高まるとされています。これは新型コロナウイルスにも当てはまる可能性も現在完全には否定できません。

そのため、冒頭で紹介した習慣の変化は以下のような形で口腔環境を悪化させるリスクを高めるのです。

喫煙やストレスが歯周病のみならず新型コロナウイルス感染の原因に歯周病のリスクを高める要素としては、以下のようなものがあります。

・歯ぎしり、くいしばり、かみしめ
・不適合な冠や義歯
・不規則な食習慣
・喫煙
・ストレス
・全身疾患(糖尿病、骨粗鬆症、ホルモン異常)
・薬の長期服用

なかでも喫煙は、1日10本以上で歯周病のリスクが5.4倍に、10年以上の喫煙で4.3倍になると言われています。喫煙は、新型コロナウイルスの重症化につながる要素であるとも指摘されていることもおさえておくべきでしょう。

昨今のテレワーク+自粛環境下により、「喫煙+ストレス」のように、ダブルないしそれより多くの歯周病リスクを抱えている人も多いはず。その積み重なりにより、歯周病に限らず新型コロナウイルス感染症の重篤化リスクが上がっていくことを理解すべきでしょう。また、ストレス過多は、自律神経の乱れ、口呼吸になるリスクがあります。

「鼻呼吸は、2段構えで様々な状態の外気から人体を守ります。鼻腔には繊毛上皮があり、まずここで異物、ウイルスや細菌を除去するとともに、気管、気管支粘膜にやさしい湿度に調節をします。鼻腔でトラップされなかった細菌やウイルス、異物はその奥、喉の免疫組織(扁桃腺など)が対応して呼吸器を守ります。

口呼吸の場合は鼻腔のトラップ、保湿なく、外気が直接喉に来るので、どうしても守り切れず、病原菌に突破されやすくなってしまいます」(田中院長)

つまり、喫煙を含めた歯周病につながる要素を取り除くことや、鼻呼吸を心がけることは、新型コロナウイルスを含めたウイルス感染への水際対策になるのです。また、あえて意識するように、ポストイットで「食いしばらない!」と目に入る位置に貼っておくのもよいでしょう。

オーラルケアに注力することでリスクを低減できる

これまで説明してきたように、口内を清潔に維持することは、口臭などを防止することはもちろん、ウイルス感染を防ぎ、全身のさまざまな疾患を予防することにもつながります。

新型コロナウイルスの登場により、手洗いの習慣が改めて身についたという人も多いでしょう。同時に正しいオーラルケアの習慣を身につけることで、病気を未然に防ぐことができるはずです。

※KRD Nihombashiは健康保険の使用ができない、自由診療の健診施設です。 健診は、スタンダード、ライト、「歯・目・血」、プレミアム、レディースの各コースをご用意しており、 料金はスタンダードAコースで13万7500円、Bコースで12万1000円、プレミアムでは男性コース22万円、 女性コースは24万8000円となっています。各コースともに、70項目以上の検査項目を実施し、 受診者さまの健康管理をサポートいたします。料金の詳しくは以下をご確認ください。
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