近年、大人の近視に注目が集まっています。仕事でパソコンを使ったり、1日中スマートフォンを見たりと目を酷使するライフスタイルにより、大人になってからも近視が悪化するというのです。

視力が低下すると生活の不便だけでなく、失明につながる うつ・不安障害や認知症を引き起こすことも考えられます。私たちの目の仕組みを紐解き、近視のリスクと最新の対策について知っておきましょう。

目次

  1. 大人の近視が増加している?
    1. 忙しいビジネスパーソンは要注意!
  2. 近視のメカニズムを知ろう
    1. 近視とはどんな状態?
    2. なぜ眼軸長が伸びるのか
  3. 近視は目の生活習慣病
    1. 強度の近視が引き起こす病気とは
  4. 自分の目の状態を知ろう!
    1. 目を検査して、病気のリスクに備えよう

大人の近視が増加している?

近視,視力低下
(画像=maroke/stock.adobe.com)

「近ごろ、ものが見えにくい」という人は、もしかしたら近視が悪化しているのかもしれません。一方で、近視は子どもがなるものと考える人も多いでしょう。実際に、近視は20代前半までに発症・進行することがほとんどと考えられてきました。

ところが大人になってからも近視が進行し、視力が急激に悪化する人が近年増えていることがわかっています。

これはパソコンやスマートフォンなどで「近くを見る作業」を長時間続けるなどして、目の負担が増えていることが原因と考えられます。

忙しいビジネスパーソンは要注意!

日々、忙しく働いているビジネスパーソンは、仕事でパソコンなどの画面を長時間使うことが多い上に、「遠くを見て目を休める」などのケアに取り組むのも、なかなか難しいものです。

目の不調があっても放置してしまい、いざ病院を受診しようと思ってもなかなか時間が取れない人も多いかもしれません。

一方で、近視は単なる生活の不便ではなく進行性の「病気」です。早めの検査で、近視の進行を抑えることが重要です。

近視のメカニズムを知ろう

そもそも、近視とはどのような状態を言うのでしょうか。

私たちの目はリラックスした自然な状態で遠くを見たとき、「角膜」と「水晶体」で屈折した光が“網膜の上”でぴたりとピントがあって、ものを見ることができます。

これに対して近視は、“網膜の手前”でピントが結ばれる状態です。もう少し詳しくみていきましょう。

近視とはどんな状態?

近視には大きく分けて2つのタイプがあると言われています。

・軸性(じくせい)近視
眼球の奥行(角膜から網膜)の長さ=「眼軸長(がんじくちょう)」が長くなって、ピントが“網膜より手前”であってしまい、遠くが見えにくくなる状態

・屈折性近視
眼軸長が正常でも角膜のカーブが強かったり、リラックスした状態での水晶体の屈折力が強かったりするためにピントが“網膜より手前”で結ばれる状態

このうち、近視の多くが軸性近視と言われており、近年は「眼軸長」の伸びが問題視されています。

なぜ眼軸長が伸びるのか

日本人の成人の場合、眼軸長の平均は24㎜程度です。この眼軸長が数㎜でも長くなると軸性近視の状態になります。

成長期に近視が増加するのは、子どもの目が環境に対する適応能力が高いためですが、なぜ大人になってから眼軸長が伸びるのでしょうか。

これはスマートフォンを長時間見るなど、手元の近い距離にピントを合わせた状態を続けていることが影響しています。常に近くを見ている状態が続くと、その距離を見やすいように順応して、眼軸長が伸びてしまうのです。

眼軸長が長くなると、眼球が引き延ばされ、網膜や強膜(眼球の外側の膜)、視神経などに負担がかかります。この負担が大きすぎると目にさまざまな異常が起こり、網膜剥離などの障害につながる可能性も高まります。

近視は目の生活習慣病

近視は、視力が悪く不便という状態で、メガネやコンタクトレンズで対処すれば日常生活は問題ないと考える人も多いでしょう。

しかし、眼軸長が伸びることによるリスクからも、近視は「目の生活習慣病」と捉える必要があります。

強度の近視が引き起こす病気とは

たとえば、強度の近視の人は、近視でない人に比べて、失明につながる合併症の危険性が高くなっています。

具体的には、健常な人に比べて緑内障で3.3倍、網膜剥離は21.5倍、近視性黄斑症は40.6倍も発症率が高まると言われています。

さらに、うつ・不安障害や認知症との関係性も着目してみましょう。

視覚は外界の情報を得るための一番大きな手段です。そのため、「十分に見えない」という状態は社会生活に大きな影響を及ぼすことから、抑うつとの関連があると言われています。

たとえば奈良大学の調査結果では対象者3,000人のうち、視力が良好なグループよりも視力が悪い(矯正視力0.7未満)グループのほうが、認知症を疑われる人の割合が2.6倍も高いことがわかりました。

私たちの脳が得る情報は、約8割が目からの情報と言われ、視力が低下することで脳への刺激が減り、認知機能が低下するのではないかと考えられています。

自分の目の状態を知ろう!

目の検査として多くの人が思い浮かべるのは「視力検査」ではないでしょうか。ランドルト環(アルファベットのC のようなマーク)を使った検査が有名で、これらで視力を測ることが可能です。

一方でここまで解説した通り、視力の低下は失明につながる病気のほか、目以外の健康リスクも考えられ、定期的に精密な検査を行うことが重要です。

単に「目が見えにくい」というだけでは、近視(遠視)なのか、はたまた乱視か老眼なのか判別が難しいものです。

目を検査して、病気のリスクに備えよう

眼軸長をはじめとした眼球の状態を詳しく調べることで、これまで分かりにくかった目の異変を見つけ出し、病気のリスクに備えることができるでしょう。

また眼底の血管は体の中で唯一、外から直接的に血管を観察でき、目以外の病気の診断にも重要な情報を与えてくれます。 目は、心の窓ならぬ「体の窓」というわけです。

眼底検査では体の状態を知ることもでき、糖尿病などの生活習慣病や血液の病気、脳腫瘍などが発見されることもあります。

最近、ものが見えにくい、ぼやけるなどの気になる目の症状がある場合には、早めに医療機関を受診し、精密な検査を行うことで健やかな目の状態を保ちましょう。

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