オンラインでの仕事が多くなったとはいえ、ビジネスパーソンにとって、口臭はいつも気になる話題です。とくにマスクが日常となったことから、自分の口臭が気になる人も多いのではないでしょうか。

口臭というと食べ物やたばこなどをイメージしがちですが、じつは生活習慣に起因するものかもしれません。口臭の原因を突き止め、健康リスクを知るとともに、必要な対策をしましょう。

口臭の原因は食べ物やたばこだけじゃない?

口臭,全身疾患
(画像=keshikifechi/stock.adobe.com)

自分の口臭は、自分ではなかなか気づきにくいものです。これまで口臭を意識していなかったけれど、マスク中心の生活で、自分の口臭に気づいたという人は多いでしょう。

口臭は、ビジネスパーソンにとっては仕事の結果を左右する重要な要素です。どんなに仕事ができても、清潔な身だしなみでも、対面したときに口臭がきついと相手に不快な印象を与えてしまい、すべてが台無しになってしまいます。

口臭対策というと、「食べ物に気をつける」「たばこを吸わない」といった方法が思い浮かびます。確かに、ニンニクやカレーなど匂いの強い食べ物を食べた後の口臭は強烈です。また、たばこと口臭の関連を指摘する研究結果もあり、喫煙者は非喫煙者より臭気成分が有意に高いとわかっています。

しかし、食べ物やたばこは口臭の原因の一部に過ぎません。食事の内容に気を配り、たばこを吸っていないにもかかわらず、口臭が気になる人も多いはずです。

じつは、虫歯や歯周病も口臭の原因となり、口臭を悪化させることがあります。虫歯や歯周病は、歯磨きだけでなく、食習慣やストレスによって悪化することが多々あります。自分の生活習慣が、口臭を生んでいる可能性があるのです。

歯周病と虫歯が口臭の原因になる理由

虫歯とは、歯そのものが細菌によって壊される病気です。

歯の表面をよく見ると、白色や黄白色の物質が付着していることがあります。これは歯垢(しこう/プラーク)と呼ばれる細菌の塊です。歯の表面に付着した細菌が増殖して固まると歯垢になり、放置すると虫歯になります。歯垢は歯磨きでは取り除けません。

虫歯がひどくなると、虫歯の穴の中に細菌や食べかすが溜まり、口臭がどんどんきつくなります。特に虫歯が神経にまで達すると、強烈なにおいを放ちます。

歯周病とは、歯の土台である歯肉(歯ぐき)と歯を支える骨の間に細菌が繁殖し、骨が溶ける病気です。放置すると、歯を支える骨が溶けてなくなり、突然歯がポロッと抜け落ちてしまいます。

歯周病では、歯と歯ぐきの間に「歯周ポケット」と呼ばれるすき間ができます。歯周ポケットは細菌にとって居心地のいい環境なので、大量増殖して悪臭を放ち始めます。歯周病が悪化して炎症が起こり、膿が出始めると、さらに強烈な口臭となり周囲の人を困惑させることもあります。

虫歯のリスクが高まるのは10代から20代にかけてですが、歯周病は30代以降にリスクの高まる病気です。仕事で忙しいビジネスパーソンの中には、定期的に歯医者に通っていない人も多いでしょう。

歯周病は最初のうちは痛みもなく、自覚のないまま悪化していきます。歯を磨いていてちょっとの刺激で出血してしまうという人は、じつは歯周病かもしれません。

口臭は全身疾患のサインかも?

虫歯や歯周病というと、あくまで歯の病気であり、口の中で完結するというイメージがあります。しかし歯周病は、じつは全身疾患につながるリスクがあります。

歯周病は歯周病菌によって引き起こされます。口の中で出血したことなどをきっかけに、歯周病菌が血管の中に入り込むと、菌血症になります。歯周病菌は血管を通じて全身にばらまかれていきます。

全身に広がった歯周病菌や歯周病菌が出すサイトカインという毒性物質によって血管に炎症が引き起こされ、動脈硬化が加速します。動脈硬化で血管が詰まると、心筋梗塞や脳卒中など突然死に至る可能性の高い病を発症します。

歯周病はがんや糖尿病と関連していることもわかっています。早産・低体重児出産につながったり、肥満を悪化させたりすることもあります。

口臭は、このような恐ろしい病である歯周病によって引き起こされている可能性があります。マナーやエチケット以前に、身体が発する異常のサインかもしれません。ブレスケアも大切ですが、口臭の背後にある原因に目を向け、自分の健康と向き合うことが、何よりも優先すべきことです。

口臭を放置せず原因と向き合うことが大切

ほとんどの病気は、早期発見・早期治療が何より大切です。発見が遅れると、治療に時間がかかったり、治療しても後遺症のため、継続したケアが必要になり、高いコストとなってしまったりします。歯周病も同じで、悪化する前に発見・治療すれば、深刻な全身疾患を引き起こすことを防げます。

特に歯周病は、痛みなどの自覚症状が少なく、自分では気づきにくい病気です。口臭が気になるなら、精密な健康診断を受けられる専門機関を受診することも検討してください。

口臭の原因が見つかり、治療によって臭いが改善すれば、仕事にも私生活にもいい影響があるはずです。また、歯周病になりにくい生活習慣を心がけ継続していくことで、全身疾患のリスクも下げられます。

口臭の原因を断ち、自信を持って活き活きと仕事で活躍しましょう。