健診で「血圧高いですね…」といわれても、忙しいからと、つい放置してしまっているビジネスパーソンも多いのではないでしょうか?高血圧を放置すると、心筋梗塞や脳卒中など、死にいたる恐ろしい病へとつながります。

食事でできる高血圧の予防策を5つ紹介するとともに、食生活の改善を決意してもなかなか継続できない人に向けて、自分の健康と向き合う根本的な考え方をお伝えします。

意外と知らない高血圧がもたらす健康リスク

高血圧,食事対策
(画像=kai/stock.adobe.com)

「高血圧」の認知度は高いものの、具体的にどんな健康リスクがあるかはあまり知られていない傾向があります。

厚生労働省の「国民生活基礎調査の概況(2019年)」によると、通院理由1位は男女ともに高血圧です。これは全年代を通してのデータで、2位以降の糖尿病や脂質異常症、歯・眼の病気を大きく引き離す結果となりました。

高血圧は、放置すると心筋梗塞や脳卒中など重大な病気を引き起こします。厚生労働省の「人口動態統計(2019年)」によると、日本人の死亡原因トップは老衰を除くと「がん」「心疾患」「脳血管疾患」です。心疾患や脳血管疾患をもたらす高血圧は、死亡リスクにつながる恐ろしい病だとわかります。

高血圧がさまざまな疾患をもたらすのは、「動脈硬化」を引き起こすからです。動脈硬化とは、血管が硬くなったり弾力性がなくなったりして、詰まりやすくなった状態のことです。心臓や脳など重要な器官で血管が詰まると、突然死のリスクがあります。

人間は生まれた時から少しずつ動脈硬化が進んでいきますが、高血圧は動脈硬化を加速させます。30代になると、気づかないうちに身体中あちこちの血管で動脈硬化が進んでいるという人もいます。

高血圧を食事で予防する5つのポイント

動脈硬化は自覚症状なく進行し、死のリスクをもたらします。健康診断で血圧を意識したなら、今のうちから対策を始めましょう。続いては、食事で高血圧を予防するポイントを具体的に解説していきます。

血圧を上げる要因となる食塩量を減らす

血圧を上げる大きな要因となるのが、食塩の摂り過ぎです。食塩を摂り過ぎると、血液中の高くなった塩分濃度を薄めるために水分が保持されます。 これによって血液量が増え、心臓がより大きな力を必要とするため血圧が上昇します。食塩量を減らすため、次のようなことを意識しましょう。

▽高血圧対策として塩分量を減らす方法例
・外食を控えめにして自炊の機会を増やす
・外食先でも塩分の少ないメニューを選ぶ
・自炊では塩辛い味付けを避け、だしやスパイスを使った料理を心がける
・ソーセージ、ベーコン、ハムなどの加工食品を減らす

いきなり生活習慣を変えるのが難しい場合は、減塩醤油やだし醤油などを購入するところから始めてもいいかもしれません。食事は毎日のことなので、意識するだけで、生涯で摂取する食塩量は大きく変わってくるはずです。

血圧を下げる作用のあるカリウムを摂る

カリウムには腎臓での塩分の再吸収を抑制し、排泄を促進する働きがあるため、血圧を下げる作用があります。そのため積極的にカリウムを摂取することも効果があります。カリウムが多く含まれるのは、次のような食材です。

▽血圧を下げる効果のあるカリウムを多く含む食材例
・ほうれん草、小松菜、ニラなどの緑黄色野菜
・サツマイモ、ジャガイモ、サトイモなどのいも類
・ひじき、昆布などの海藻類
・納豆、豆腐などの豆類
・バナナ、ぶどう、いちじくなどの果物
・アーモンドなどのナッツ類

カリウムは水に溶ける性質があるため、生で食べるか、調理する場合は煮汁ごと食べるのがおすすめです。野菜を下茹でするとカリウムが溶け出してしまうため、ほうれん草などを食べる時は意識しておいてください。

なお、果物は糖質を多く含むため、食べすぎると健康に悪影響をおよぼす可能性があります。1日1個を目安にしましょう。ナッツ類は、無塩のものを選び、食塩の摂り過ぎを防いでください。

血流をよくする青魚を食べる

青魚には、DHAやEPAといった、血管の弾力性を高めたり、血栓をつくりにくくして血流をよくする物質が含まれています。肉だけでなく魚も食べ、バランスの良い食生活を心がけましょう。たとえば、次のような青魚がいいといわれています。

▽血流をよくする効果を期待できる青魚の例
・サンマ
・ぶり
・サバ
・いわし

食物繊維を積極的に摂る

食物繊維は食塩を体外に排出する働きがあるため、積極的に摂取しましょう。食物繊維が多く含まれるのは、次のような食品です。

▽食塩の対外排出効果を期待できる食物繊維を多く含む食品例
・だいこん、ごぼうなどの根菜
・しいたけ、エノキ、まいたけなどのきのこ類
・じゃがいも、サツマイモ、サトイモなどのいも類

食物繊維には、糖質や脂質を体外に排出する作用もあります。ただし、いも類は糖質を多く含むため、摂取しすぎには注意してください。

過度な飲酒を控える

過度の飲酒は血圧を上昇させます。仕事によっては、お酒を断つのは難しいと思いますが、健康を維持して長く仕事で活躍するためにも、節度を守って酒席を楽しみましょう。1日の飲酒量の目安は次の通りです。

▽1日の飲酒の目安
・日本酒1合
・ビール大瓶1本
・ワイン1杯

また、醸造酒である日本酒やワインは糖分が多く、蒸留酒である焼酎やウイスキーは糖分が少ない傾向があります。糖分量を意識して、1杯目はビールでも2杯目はハイボールにするなど、自分なりに飲み方を調整しましょう。

生活習慣の改善を継続する自信がないときは、健康診断の結果を道しるべに

健診で高血圧を指摘された直後は、誰しも予防意識が高まります。とはいえ、「食事を改善しよう!」と決意しても、なかなか継続できないというビジネスパーソンも多いのではないでしょうか。

自分の身体の状態を正しく把握しないまま走り出しても、モチベーションを維持することはできません。生活習慣を見直し将来の健康リスクに備えたいと思うなら、まずは精密な健康診断で自分自身の身体と徹底的に向き合うことが大切です。

今の身体の状態を把握し、将来のリスクについて正しい認識を持ってこそ、本気で食生活の改善に取り組めます。そして、食生活の改善で数値がどう変化したかを目の当たりにすることで、はじめて健康増進の取り組みを継続できるでしょう。