デスクワーク中に目の疲れを感じたときなど、ふと鏡を見て目の充血に気づいたりすることがあります。目の充血は、顔の印象や見た目にも大きな影響を及ぼすため、気になるビジネスパーソンも多いでしょう。

この目の充血、なかなか治らないと思ったら、実は全身疾患が隠されていたというケースもあります。長引く目の充血を軽く考えるのは危険です。気になるときは必要に応じて精密な検査を受けましょう。

目の充血の裏にひそむ健康リスク

目,全身疾患リスク
(画像=hikdaigaku86/stock.adobe.com)

目の充血はどうして起こるのでしょうか?目の充血は、「目の血管がふくらみ、拡張して、目立っている状態」です。ほとんどの場合、充血は多くは時間が経つと収まります。目の充血の原因には、外部からの刺激、目の疲れ、炎症などがあります。

また、一見ただの充血に見えても、実は血液に関連する全身疾患が影響している危険性があります。充血をとるためだけの市販の目薬は、かえって症状を見えにくくさせてしまう恐れがあるので、注意して使う必要があります。

長期間続く目の充血を放置すると、さまざまな症状が現れ、仕事にも支障をきたす恐れがあります。全身疾患が悪化すれば、死に至る病になるリスクもあります。

目の充血が治らない――関連する全身疾患とは?

すぐ治るはずの目の充血が長引くと、誰でも不安になるものです。治らない目の充血の陰には、どんな全身疾患がひそんでいるリスクがあるのでしょうか?

高血圧や高脂血症

いつもの目の充血だと思っていたら、実は高血圧や高脂血症が隠れていたということがあります。

高血圧は、血圧が慢性的に正常値より高い状態のことです。高脂血症は、脂質代謝に異常をきたし、コレステロールや中性脂肪の血液中の値が正常域をはずれた状態のことです。高血圧でも高脂血症でも、血管に負荷がかかるため、血管が破れて出血する可能性が高まります。たまたま目で出血すると、「結膜下出血」となります。

出血すると、白目全体が真っ赤になったり、部分的に赤みが出たりします。専門家でなければ充血と出血の区別は難しく、充血だと思っていたら実は出血だったということもあります。治らない充血は実は出血で、その原因は高血圧や高脂血症かもしれません。

厚生労働省の「国民生活基礎調査の概況(2019年)」によると、高血圧は男女の通院理由1位でもあります。継続的な通院治療が必要になれば、仕事が制限され、業務成績や評価、昇進、昇給に影響する可能性もあります。高血圧や高脂血症はストレスが大敵なので、仕事を変えざるを得なくなることもあるでしょう。

悪化する前なら、高血圧や高脂血症は生活習慣の見直しで予防できます。目の充血がなかなか治らない時は、先延ばしにせず専門的な機関で検査しましょう。

心筋梗塞や脳卒中

高血圧や高脂血症は、動脈硬化の危険因子です。動脈硬化とは、血管が硬くなり、詰まりやすくなった状態のことです。動脈硬化が進み、心臓や脳など重要な器官で血管が詰まると、心筋梗塞や脳卒中を引き起こすことがあります。

心筋梗塞が起こると、突然の恐怖感を伴う胸痛が起こり、虚血に陥った心臓が壊死し、血液を送り出すポンプ機能破綻に陥ります。突然死に至ることもあり、また救命できたとしても、その後の生活の質に重大な低下をもたらすことがあります。

脳卒中も突然死のリスクが高い病として知られています。脳卒中で恐ろしいのが、死を免れたとしても、手足の麻痺や言語障害など深刻な後遺症が残るかもしれないことです。重い後遺症が残れば、若くとも寝たきりとなったり、介護が必要になる可能性もあります。

心筋梗塞や脳卒中は、死に至る可能性が高い恐ろしい病です。高血圧や高脂血症は、心筋梗塞・脳卒中など命にかかわる病気の引き金になることから、「沈黙の殺し屋(サイレントキラー)」と呼ばれています。目の充血は、このような全身疾患に気づくきっかけになります。

大切な資産である「身体」に投資をしよう

充血は、必ずしも目のトラブルだけが原因で起こっているわけではありません。突然死につながるリスクもある、高血圧や高脂血症などの全身疾患が、目の出血という形で表れている可能性があります。目の充血がなかなか治らない場合や何度も繰り返すときは、注意が必要です。

多忙なビジネスパーソンの中には、目の充血が気になりつつも、「専門機関で検査を受けるほどではない」と自己判断してしまっている人も多いでしょう。しかし、健康管理をおろそかにし、検査を先延ばしにすることは、かえって状態の悪化を招きます。深刻な病を発症してから後悔しても、その後の人生は変えられません。

活き活きと仕事で活躍し続けるためにも、気になる症状に応じた適切な健康投資をすることが大切です。血管が集中している「目」は、全身疾患のサインが表れやすい場所です。充血が治らない時は、精密な検査ができる専門機関での検査を検討してみてください。