毎日の歯磨きは、歯と口内の健康を守るための欠かせない習慣です。もし、歯磨き中に「よく血が出る」という場合は注意しましょう。歯ぐきの出血は、歯周病をはじめとした口内トラブルのサインかもしれません。とくに歯周病は、口の中だけでなく全身につながる重大な病気です。歯磨きで出血する原因をしっかりと理解して、歯と口内の健康について考えていきましょう。

歯磨きで出血するのはなぜ?

歯ぐきの出血
(画像=beeboys/stock.adobe.com)

一般的に、歯ぐきが健康な状態であれば、少しの刺激で出血することはありません。では、歯磨きで出血する原因はどこにあるのでしょうか。ここでは、代表的なものを挙げていきます。

原因1. 歯ブラシが合っていない・強く磨きすぎている

歯ブラシにはさまざまな種類があり、大きさのほか「かたさ」が自分の口内環境に合っていることが大切です。なんらかの理由で出血しやすい状態の場合には、やわらかめの歯ブラシを使うとよいでしょう。

また、力を入れてゴシゴシ磨いたからといって、歯の汚れがよく落ちるわけではありません。むしろ、適度な力でやさしく磨いたほうが効果的と言われています。適切なブラッシング法は、記事の最後で解説しますので参考にしてください。

原因2. 歯ぐきの炎症

歯ぐきが炎症を起こしていると、その部分に血液が集まります。そのため、歯磨きの少しの刺激でも歯ぐきから血が出てしまうのです。つまり、歯磨きで毎回出血するという人は、歯ぐきが炎症を起こしている可能性が高いでしょう。

その他、歯並びなどが原因で歯ぐきが炎症を起こすこともあります。歯並びが気になる場合は、医療機関で相談してみましょう。

原因3. 歯周病が進んでいるということも

歯ぐきの炎症の中で、最も多いと言われているのが「歯周病」です。

歯周病とは、歯ぐきと歯のすき間から侵入した細菌が、歯ぐきに炎症を起こし、歯を支える骨を溶かしてしまう病気です。歯周病を放置すると、最終的に歯が抜け落ちてしまいます。さらに歯周病は、口内だけでなく全身に影響する恐ろしい病気です。

ここからは、歯周病について詳しく見ていきましょう。

歯周病のサインとは

歯ぐきの出血は、歯周病に気づく1つのサインです。出血以外にも、歯周病になると次のような症状が表れることがあります。

・朝起きた時、口の中がネバネバする
・口臭が気になる
・歯ぐきが赤っぽくなっている
・歯ぐきが腫れて盛り上がっている
・時々歯ぐきに痛みを感じる
・歯ぐきがかゆくなることがある
・歯を動かすと揺れる
・歯と歯の間に食べ物が挟まりやすい

1つでも当てはまる場合は、医療機関で検査を受けてみましょう。また、当てはまる項目が多い人は、歯周病の可能性が高いことが考えられます。積極的に検査を受けることが望ましいでしょう。

歯周病は全身の病気に関係する

厚生労働省の情報サイト(「e-ヘルスネット」)によると、歯周病は年齢とともに増加し、45歳以上で過半数を占める、とされています。このように、現代では、歯周病は決して珍しい病気ではありません。

歯周病とは?

歯周病になると、歯と歯ぐきの間に「歯周ポケット」と呼ばれるすき間ができ、そこから細菌が侵入します。そうすると歯ぐきが炎症を起こし、出血しやすい状態になるのです。

歯周病が進行すると、白い膿が出てきたり、強烈な悪臭を放ったりしはじめます。しかし、そうなった時には、すでに歯が抜け落ちる直前ということも少なくありません。炎症が広範囲に及ぶ場合、複数の歯が一気に抜け落ちてしまうこともあります。

歯周病は、目立った自覚症状がないまま進行する恐ろしい病気です。

歯の病気というと、多くの人は「虫歯」をイメージしますが、虫歯のリスクが高まるのは10~20代と言われています。30代以降の大人は、虫歯よりも歯周病に注意が必要です。

歯周病からつながる全身の病気

歯周病は、歯や口内のトラブルにとどまりません。近年は、全身の病気とも深い関連があることがわかってきました。

歯ぐきが炎症を起こして出血しやすい状態になると、炎症による毒性物質が歯ぐきの血管から侵入し、血液を通じて全身へと運ばれます。

血液は身体中に運ばれることから、脳や心臓、肺など命にかかわる重要な臓器も毒性物質による影響を受ける可能性があるのです。

たとえば、この毒性物質によって肥満や動脈硬化が進みやすくなるといわれています。動脈硬化とは、血管の壁が厚くなり、詰まりやすくなった状態のことです。動脈硬化が進むと、心筋梗塞や脳卒中など突然死のリスクが高まります。さらに、インスリンの働きが悪くなり、糖尿病が悪化することもあります。

このように歯周病は、放置してしまうと全身に影響を及ぼしかねない恐ろしい病気なのです。

正しいブラッシングと定期検査を活用しよう

ここまでお伝えした通り、歯磨き中によく出血する場合は歯周病であることが考えられます。一方で、歯ぐきから血が出る場合には、きちんとブラッシングができているかもポイントです。

そこで、適切なブラッシング法を確認しておきましょう。

・歯はまとめて磨かず、1本1本磨く
・毛先を歯に当て、力を入れ過ぎず、細かく振動させるように歯ブラシを動かす
・歯ブラシを縦にして、歯と歯ぐきの間、歯と歯の間を丁寧に磨く
・前歯の裏は、歯ブラシを縦にして、持ち手に近いほうの毛先を当てて磨く

このほか、歯と歯の間を清潔に保つため、デンタルフロスや歯間ブラシなどを活用するのもおすすめです。

歯磨きで出血が続くなら、定期検査へ

毎日の歯磨きで出血が続く場合、まずは適切なブラッシングができているか確認しましょう。ただし、歯周病菌が存在すると、出血しやすい状態が続いてしまいます。日ごろから丁寧な歯磨きや歯ぐきのチェックを心がけ、すでに出血などの症状がある人は早めの検査を受けましょう。