多くの人にとって、パソコンは仕事において欠かせない道具のひとつ。特にパソコンを長時間使わざるをえないデスクワーカーは、しばしば目を酷使して「疲れ目」になりがちです。この記事では、目の疲れの症状や仕組み、主な原因を解説しつつ、すぐに行える対策方法を紹介します。

目の疲れ(疲れ目)の症状と仕組みとは?

疲れ目対策
(画像=amnaj/stock.adobe.com)

まず、目の疲れによるつらい症状や、目の疲れが起きる仕組みを見ていきましょう。

目の疲れの主な症状

目の疲れの症状は多岐にわたりますが、主な症状としては以下が知られています。当てはまるものがないかチェックしてみてください。

・目が痛い
・目が重く感じる
・目がショボショボする
・目がかすんだりぼやけたりする
・目が乾く
・まぶたがピクピクけいれんする
・まばたきが増える

今はさほど気にならない症状でも、放置すると悪化する可能性があります。また、他の症状が併発することもあるかもしれないので、疲れ目のサインを見逃さないように注意しましょう。

目が疲れる仕組みは?

ものを見る時は、目のピントを合わせなければなりません。この時に働くのが、水晶体の厚みを変化させる「毛様体筋(もうようたいきん)」です。遠くにピントを合わせる時は、毛様体筋の緊張がゆるみ、近くにピントを合わせる時は、毛様体筋が緊張(収縮)します。

パソコン作業などで近くばかり見ていると、毛様体筋は常に緊張状態を強いられ、筋肉疲労を起こします。これが、目の疲れを引き起こすのです。

目の疲れはパソコンが関係している?

近くのものを見ていると、毛様体筋が緊張して目が疲れると解説しました。ですが、リラックスした状態で読書をしている時などは、そこまで目の疲れを感じないという方も多いでしょう。

実は、パソコン作業で目が疲れる理由には、毛様体筋を支配している「自律神経」が関わっています。自律神経とは、血圧や呼吸など体内の活動を調節する神経系のことで、私たちの身体の中で自動的に機能します。自律神経には、興奮状態で働く交感神経と、リラックスした時に働く副交感神経の2種類があります。

かつて人間は、狩りの時は遠くの獲物や外敵に目を凝らし、食事のときは家族団らんで近くにいるお互いの顔を見ていました。このような狩猟生活の中で、遠くを見る時は交感神経が働き、近くを見る時は副交感神経が働くようになったと一説には考えられています。

つまり、仕事中は気を張っているため本来は交感神経が働くのですが、パソコン作業で近くを見る時は副交感神経が働くことになり、自律神経に矛盾が生じます。このような混乱状態が続くと、近くのものを見て毛様体筋に負担がかかる上に、自律神経が乱れて疲れ目などの不調を起こしやすくなるのです。

パソコン作業だけでなく、ドキドキハラハラする映画や格闘技の中継、スマホゲームなどでも、自律神経の矛盾が生じます。趣味を楽しむことは大切ですが、長時間に及ばないよう注意し、途中に休憩を挟むようにしましょう。

パソコンで作業するときの疲れ目対策 5選

目の疲れの原因がパソコン作業だからといって、多くの人にとってパソコンを使わずに仕事をすることは難しいものです。できる限り目が疲れないよう対策を講じながら、パソコンを使うことが大切です。そこで、ここではすぐに実践できるパソコン作業時の疲れ目対策を5つ紹介します。

パソコンと適切な距離を確保する

パソコンを近くで見ていると疲れ目になりやすいため、適切な距離を保つ対策が有効です。日本眼科医会のホームページでは、目とモニターを40~50センチメートルほど離すとよいとされています。

正しい姿勢でパソコンを使用する

モニターの上辺が目より数センチメートル高くなるよう調節すると、正しい姿勢で作業しやすくなります。正しい姿勢でパソコン作業をすると、目が疲れにくくなります。椅子に深く座り、足裏全体を床につけた姿勢が好ましいでしょう。

パソコンの長時間使用を避ける

日本眼科医会は、1時間の連続作業のあと、15分休みを取ることを推奨しています。仕事中に頻繁に休憩をとるのは難しいかもしれませんが、コピーをとるなど他の作業をはさむ、作業が連続しないようミーティングの予定を組むなどして、長時間の連続作業にならないよう工夫してみましょう。

モニターの明るさを調整する

モニターの明るさを調整し、ダークモードやナイトモードにすると、目の疲れが軽減することがあります。また、パソコンの画面に室内の照明や窓の光が反射していると目の負担になるため、照明や窓が映りこまないようモニターの角度を調整してください。室内を適度な明るさにすることも、目の疲れ対策になります。

まぶたを温める

目の疲れを感じたら、蒸しタオルなどをまぶたにのせて温めてみてください。血行が改善されると、目の疲れが回復します。蒸しタオルは、タオルを軽くぬらしてから電子レンジで1分弱加熱すれば簡単に用意できます。

ただし、電子レンジによっては加熱しすぎる場合もあるため、火傷には注意が必要です。また、目が炎症を起こしているときは、温めることで悪化させてしまう可能性があるため避けたほうが賢明でしょう。

症状が悪化する前に精密検査の検討を

目の痛みが酷い場合や、頭痛や肩こりといった症状もある場合、ドライアイや眼精疲労の可能性があります。また、単なる目の疲れだと思っていたら、実は緑内障や白内障など目の病気がひそんでいたというケースもあります。

片目に問題が生じていても、両目で見ると通常通り見えることから、目の異常には気づきにくいといわれています。緑内障で欠けてしまった視野は、二度と戻りません。進行を遅らせることはできても、欠けた視野を取り戻すことはできないのです。

目の違和感が気になる方は、症状が悪化する前に、専門機関で精密検査を受けることを検討してください。