新型コロナウイルスの影響が長引く昨今、

「米国株が熱い!」「資産1億円を築く!」

などの言葉がマネー系雑誌を中心に並ぶようになりました。

その背景にはやはり先行き不透明ななか、自分や家族の生活を守るため、国頼みではなく私たち個人が本格的に資産形成をしなければならない、といった空気感があるのではないでしょうか。

とはいえ、個別株や投資信託、不動産など収入の柱を作り得る方法は様々。 どれが自分に合っているのか、迷ってしまいますよね。

今回、高校生の頃から株式投資を始め、20代にして個別株や仮想通貨、貴金属、不動産など様々な投資を経験した「投資オタク」の日本財託資産コンサルタントの岩脇勇人氏(28)にインタビューを実施しました。

40代でのFIREを目指しているという岩脇氏に、失敗談を含む自身の経験から、FIREに最適な投資法をお聞きしました。

(取材日:2021年6月10日)

目次

  1. 20年後にFIREを達成する投資の「二本柱」
  2. 負け越して分かった「つまらない」投資とは?
  3. 「安く買って高く売れ」では儲からない
  4. 不動産投資はFIREへの「安全・着実」ルート
  5. 成功への「経験値」は実践からしか生まれない
  6. FIREの本質は「FI」にあり!
  7. 普通の会社員がFIREを目指す二つの心得
投資オタク歴12年のサラリーマン投資家がたどり着いた最強のFIRE投資術

20年後にFIREを達成する投資の「二本柱」

―岩脇さんの現在の投資の状況を教えてください。

主に投資信託の積立て購入と不動産投資を行っています。 投資信託については、積立NISAやideco(個人型確定拠出年金)などの制度もフル活用して世界の株式を中心に積立投資中で、現在400万円ほどとなっています。

不動産については、都内の中古ワンルームマンションを4戸所有しており、購入価格は計6,000万円弱と記憶しています。

そのほか、預金が100万円ほどあります。
独身ということもあって意識的に最低限残しているといった感じですね。

預金は銀行にお金を貸す行為です。金利0.001%で銀行に「貸し出す」のは馬鹿馬鹿しいですし、社会保障などセーフティネットの充実した日本で、今月あるいは来月100万円以上のキャッシュが必要になる機会はほとんどないですし、万が一のことがあれば、投資信託など資産を売却すればよいだけですから、基本的に100万円を超える預金を手元に残すことはせず、余剰金の全ては投資信託か不動産という形に振り分けることを徹底しています。

―なるほど。投資信託と不動産投資の二本立て、といったところでしょうか。

そうですね。私は高校2年生のときにバイトで貯めた40万円を元手に株式投資を始めて以降、国内外の株式や金・プラチナ、仮想通貨など計8種類の投資を経験してきました。

そして私の目標であるFIREを達成するために安全性が高く着実なルートが投資信託と不動産投資だと考えています。

―岩脇さんの「FIRE」では、具体的なゴールはどこなのでしょうか。

私のFIREの目標は40代の内に、手取りで毎月30万円の安定収入を作るということです。

月30万円ということは、年間にして360万円ですので、この収入を生み出そうとする場合、年間4%の運用利回りを想定して、必要な資産額は9,000万円となります。

まだ投資信託と不動産の明確な配分を確定させているわけではありませんが、毎月・毎年コツコツと積み上げています。

上記を資産形成の「コア」として、時流に応じてほかの投資にもチャレンジしてみる、といったところです。

わたしはFIREを目標としていますが、正確に言うとFI(Financial independence/経済的自立)を目標としており、幸いにも現在お仕事は充実しており、RE(Retire Early/早期リタイア)に強い関心はありません。

ただ、10年後も20年後も同じ環境ではないはずですし、家庭の問題や健康の問題、自分自身ではコントロールできない問題によって仕事を“辞めたい”あるいは“辞めざるを得ない”と感じる時も来るかもしれませんから、“仕事を辞めようと思った時に辞められる選択肢”を持ちたいとは考えています。FI(Financial independence/経済的自立)が無ければ、どんな状況になろうと、必死に仕事にしがみ付かなければなりませんから、そうした事態は避けたいわけです。

負け越して分かった「つまらない」投資とは?

投資オタク歴12年のサラリーマン投資家がたどり着いた最強のFIRE投資術

―これまで経験した金融商品を教えてください。

個別株と投資信託、純金積立、プラチナ、FX、仮想通貨、原油、そして不動産ですね。

投資への基本的な思想としては、まずは本を読むより実践の中で学ぶことの方が多いということです。

やはり知識として知っていることと、それを実際の行動に移すことには大きな差がありますからね。決して頭でっかちのノウハウコレクターになってはいけないと考えており、わたしは石橋をちょこっとだけ叩いて、サクッと渡ろうと意識しています。

投資に携わる仕事をしていることもありますが、幅広い投資を経験して利益だけでなく投資に関する知見を深めるという意味でも、気になった金融商品には手を出すようにしています。

―投資実績はどうですか。

キャピタルゲイン狙いの投資では、ある程度儲けたものもありますが、最終的に損をしたものが多いですね(笑)。

高校生のころアルバイトで貯めた40万円で始めた株式投資では、インフルエンザが大流行した年と重なり、某製薬会社の株で儲けを出したことがあります。しかしその後某航空会社の経営破綻で大損し高校3年生の頃には株式市場からは強制退場を余儀なくされました。直近では昨年4月、コロナによる航空網の制限で急落した原油に手を出したのですが、これ以上下がらないだろう、と思って買ったら価値がマイナスになって…。投入金額の半分近く損失をこうむりました。プラチナも予測が難しく、結果儲けることはできませんでした。

ほかには3年前のやや円高の時期にFXをしてみましたが、結果はプラマイゼロ。仮想通貨と金はタイミングが良かったこともありプラスで着地し、ビットコインではタイミングがイマイチでしたが結果として30%くらいの儲けがでましたね。

資産コンサルタントとして日々勉強は欠かしていないのですが、売買で儲ける投資では、私はこれが限界だと思います。ハッキリ言ってセンスは無い方だと自認しています。

一方で、投資信託と不動産は一気に儲かることはありませんが、少しずつ着実に資産が増えていっています。

―投資の勝ち負けを経験してみて感じたことはなんでしょうか。

一番は売買のタイミングを見計らって行う投資は「つまらない」と感じましたね。 これはわたしの性格と投資におけるゴール設定の問題だと思います。

私はたとえ最終的に儲けが出たとしても、世界情勢や影響力のある人の発言一つで市況が変わるようなある意味で「運頼み」の投資はあまり好きにはなれませんでした。

最近では原油のときがそうでしたが、いろいろと情報を仕入れた上で、「ここが底値だ」というタイミングで参入した値段が予想に反してどんどん下がってしまった挙句、損切りのタイミングを逃してしまって。

いくら勉強して知識を仕入れても、自分のコントロール外のところで簡単に予想が裏切られることが「つまらない」と痛感しましたし、その後もどうにか上がらないかと、毎日チャートを見てため息をつく日々でした。精神衛生的にも穏やかではありません。

サラリーマンとしての本業があることを考えると、気になって相場を確認する時間ももったいないと感じていましたし、集中の妨げにもなります。幸せになるための投資なのに、一喜一憂して心が乱されているのは本末転倒です。

なので、勝った、負けた、儲かった、損した、といったようなキャピタルゲイン狙いの投資よりも、コツコツ数字が積みあがっていく投資のほうが、FIREという目標にも合致していて自分には合っていると感じました。

「安く買って高く売れ」では儲からない

―失敗を繰り返した岩脇さんが考える「投資」とは何でしょうか。

「安く買って高く売れれば利益が出る」という考え方や、「安いタイミングを見計らって投資を行うべき」という考えは余程の天才か経験値の乏しい方の発言だと思います。

そんな単純に利益が得られるなら誰でも億万長者ですし、それが出来ていないからみんな苦しんでいる。相場というのは多くの場合「皆が買わないor買えない」から値が下がるのであって、相場の波を捉えて投資をすることは“言うは易く行うは難し”です。結論として、タイミングを見計らう必要性の低い積立投資が無難と考えます。

またどのような投資にも共通する公式は
「資本×利回り×時間=利益」
であると考えています。

「投資」と聞くと多くの方は利回りに注目しがちです。当然、投資の効率性を測るモノサシとして非常に重要ですが、高い利回りを求めるという事は高いリスクも背負うということにもなります。

リスクを抑えて着実に利益を求めるには「資本」と「時間」を最大化する必要があるのです。

その点、不動産投資であれば融資を活用する事により資本を大きく膨らませることができます。また、一日でも早く行動に移すことによって、10年後20年後に大きな差が生まれるでしょう。

不動産投資はFIREへの「安全・着実」ルート

―岩脇さんが考える不動産投資のメリットはなんでしょうか。

個人的な見解としては、わたしにとってリスクとリターンのバランスが良いことと、何よりも他人資本で取り組めることですね。

私が本業でお客様におすすめしているのは都内で駅近の中古ワンルームマンションです。お客様のゴール設定にもよりますが、10年後に売却する作戦の方もいれば、売却は想定せずずっと所有しておくことを前提にされている方も多くいらっしゃいます。

いずれにしても不動産投資の代表的かつ必然的なリスクとしては「空室」があります。 しかし、これはある程度自分でコントロールが可能です。

マンションを購入する際、それが東京23区内であればワンルームマンションの主な入居者である若者層はこのコロナ禍でも転入超過の状況にあり、今後も賃貸需要は見込めます。

さらに、購入後、体制の整った実績のある賃貸管理会社に物件の管理を任せることで、空室リスクをさらに減らすことができます。

加えて、入居者が付きづらかったり、家賃アップを狙う場合は、お部屋にリノベーションを施したり、入居者へ賃料の交渉をしたりします。このように不動産投資は自分でコントロールできる余地が多分にあるのです。これは株式など他の投資にはないメリットですよね。

株式投資にはないメリットとしては、「銀行」と「入居者」という他人資本が利用できるところです。
つまり、自己資金の何倍もの資金を金融機関の力を借りて投資ができるのです。
資産規模を一気に膨らませることができ、かつ抱えた負債も入居者という第三者が家賃という形で返済してくれる他力本願なところが不動産投資の醍醐味です。

「借金」に対しては多くの方が抵抗を感じられるポイントですが、自分しか支払う人のいないマイホームのローンと比べれば、基本的に入居者から頂く家賃収入で支払っていける投資用ローンの方がずいぶんと精神的にも経済的にもハードルは低いと感じます。

先ほど述べたように、投資での利益は資本×利回り×時間です。
不動産はリスクを抑えた上で効率よく資産を形成する上で非常に有用な投資対象だと考えます。

成功への「経験値」は実践からしか生まれない

―理屈だけでなく、これだけ身銭を切る資産コンサルタントは意外と少ないかもしれません。

やはり実践することによって、その金融商品の本質を見極めることができると思いますからね。

投資を実際に始めることによるメリットは、経済的なもの以外には「経験値」だと考えます。

というのも、人によって投資に求める目的もリスクに対する許容度も異なりますから、必然的に人によって適切な投資商品は異なる事になります。

私の経験上、それは結局のところ見聞きするだけで判断する事は非常に難しいと思いますし、だからこそ、ある程度知識を付けた段階でまずは実践する事が重要だと考えていますね。実践したことが無ければ評論もできないですから。

確かに、失敗したくない、という気持ちは分かります。

でもたとえ損を出してしまったとしても、投資の経験値が積み上がり次に生かせます。

失敗を教訓に致命傷を避けながら、試行錯誤・軌道修正しながら、ゴールに向かって進むことができるのです。ただ、経験値が無いとそれすらできません。

実際に投資してみて、経験値を積み上げることによって自分にあった投資を模索することが重要だと私は思います。

FIREの本質は「FI」にあり!

―岩脇さんがFIREを目指す理由をお聞かせください。

私はFIREの本質はFI(経済的自立)にあり、RE(早期退職)では無いと考えています。

先ほど申し上げた通り、幸いなことに私は仕事を辞めたいとは現状思っていませんので、早期退職は想像していません。しかしながら、10年後20年後も同じ気持ち・状況であるとは限りません。

それは自身の労働環境が変化する可能性があるだけでなく、家族の都合や自分自身の健康上の理由など、仕事を続けたくても続けられなくなる可能性も当然秘めているからです。

実際に仕事を辞めてアーリーリタイアをするか否かはさておき、何らかの理由によって今の仕事を「辞めたい」あるいは「辞めざるを得ない」と思った時に辞められる選択肢を持つ事によって、今後待ち受ける人生の様々なリスクに備えることもできるはずです。

そういった意味では、アーリーリタイアに興味・関心が無い人もFIREを目指す価値は十分にあると考えます。

もし収入源が給与だけであったなら、辞めたいと思っても会社にしがみ付かざるを得なかったり、転職しようにも躊躇してしまったりするかもしれません。そのために会社から経済的に自立することは重要であると考えます。

普通の会社員がFIREを目指す二つの心得

―私たち普通のサラリーマンがFIREを目指すためには、何を意識すればよろしいでしょうか。

私自身、まだFIRE達成への途上にあるので、あまり偉そうなことは言えませんが(笑)。

ただ、私の経験と、FIREを達成したお客様の意見と合致する部分としては、一つはいつまでに・いくら、といった目標を、無理のない範囲で逆算して設定することです。

もちろん一日でも早く行動に移すことは重要ですが、何歳までにリタイアするのか、収入がいくら得られたらFIREといえるのかは人によってバラバラです。

なので、できるだけリスクの低い投資信託や不動産投資を念頭にすると、その逆算が可能なので、そうした「積み上げ型」の投資をおすすめします。

もう一つは「できることからやる」ということです。FIREを実現したお客様の多くが、普段の生活における支出を見直し、浮いたお金を投資に回しています。あるお客様は買い物をするとき、「もしその値段がプラス10%だったとしてもほしいと思えるかどうか」で支出の効率化をしているとおっしゃっていました。

一見、ストレスがたまりそうですが、やってみると、必要なものを10%オフで買えた、といった感覚になります。いずれにせよ、「堅実な」FIREは一朝一夕で叶えられるものではなく、コツコツと資産を積み上げていくことで、達成できるのです。

私も道半ばですので、お客様とともに、試行錯誤しながら頑張っていきたいと思っています。

岩脇 勇人氏
【プロフィール】

岩脇 勇人(いわわき はやと)
神奈川県横浜市出身の28歳。
高校生で株式投資を始めて以降、iDeCo、積立NISA、生命保険、金・プラチナ、ビットコイン、原油など、時に痛い目を見ながらも多種多様な投資を経験。現在は4戸を所有する都心の不動産を軸とした資産形成を実践。
40代での経済的自立を目指して着々と投資を継続中。
顧客には、弁護士・会計士、上場企業役員から入社1年目の社会人まで幅広く資産コンサルティングを行い、早期の経済的自由と自立の実現に向けてサポートを行う。

CPM(米国公認不動産経営管理士)、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(AFP認定者)
所有物件:4戸