「サラリーマンは、株や投資信託だけで儲けようと考えるべきではありません」。

そう断言するのは、株式会社日本財託で不動産オーナー様への資産形成、リスクコンサルを中心に行い、入社から5年間で約3,000件の契約に携わってきたという櫻井隆志氏(55)だ。 櫻井氏はビジネスマンとして20年以上のキャリアを築くなかで、保険、銀行(証券)、不動産の3社を渡り歩き、常に個人の資産形成と向き合ってきた。

他方で本業とは別に、自身も32歳から本格的に資産形成を開始。55歳となった今では保有資産が1億円に達した。

ただ、最初から順風満帆に資産を積み上げてきたわけではない。株式投資での失敗など自身が身銭を切って経験したことや仕事の現場で実際に見聞きしたことを自らの糧とし、一般的なサラリーマンでも資産が形成できる「櫻井流」の投資スタイルを編み出した。

サラリーマンの生きる選択肢を増やす、その投資手法とは―

純資産1億円を無理せず作った元金融マンが辿り着いた会社員こそ選ぶべき投資とは

物件2戸完済でみえた「資産1億円」

櫻井さんはどのようにして不動産を増やしていったのですか。

1戸目は1350万円ほどの物件をフルローンで購入しました。しかしローンの償還表をみると、家賃収入のうち、元本が減っているのは3割ほどで、ほとんど金利と保証料を支払っている状態だったんです。当時の貸出金利は現在より2%ほど高い3.5%前後でしたからね。家賃は毎月もらえているものの、この状況で入居者がいなくなったりすると大変だなと思っていました。

私は65歳定年時に、年間約1000万円の収入を実現すると目標を立てていましたから、今後も資産を拡大していかなければ到達できません。次は安い物件を買って早く借り入れのない物件を持たなければと思い、2000年に約900万円で1989年築の物件、2002年に約1,000万円で1992年築の物件を立て続けに購入しました。この2戸はボーナスを全額投入するなどして、2005年までに繰り上げ返済できました。その後毎月12、13万円の家賃収入が手元に入るようになってからは、月々のキャッシュフローがかなり楽になりましたね。

今思い返すと、ここが資産1億円への一番のターニングポイントだったように思います。 当時はあまり繰り上げ返済する人はいなかったので、この点に気づけたのは良かったですね。

入居者が室内で大麻を栽培!?20年間での不動産トラブル

20年以上オーナーをしていて、トラブルはありましたか。

3戸目に買った浅草の物件で、購入してすぐ、入居者が逮捕されたことがありました。管理会社から一報が入り、何事かと思ったのですが、どうやら私の物件が住居としてではなく、大麻栽培の温室として利用されていたようなんです。こうなると当然、警察による捜査が入り、証拠保全で部屋が使えない状態になってしまします。私の場合は保証会社がついていたので、正式な退去日になるまではきちんと家賃収入はありましたし、原状回復もきれいに行ってもらったので、驚きはしましたが、結果として金銭的にはとりわけ損失はありませんでした。

もうひとつ、川崎の物件を買った際のことですが、購入時には大手電気機器メーカーの工場が近くにあったのですが、その後撤退してしまったんですね。この結果、近辺の賃貸需要が一気になくなってしまったのですが、幸いなことに、工場の跡地にショッピングモールができたのです。このショッピングモールは川崎駅の北側にあり、私の物件も同様に北側でした。北側は今でもある程度栄えているのですが、南側は工場の撤退後どんどんさびれてしまいました。これは運が良かったといった感じですが、ひとつの賃貸需要に頼るのは危ないと学びましたね。

サラリーマンの投資は「リスク分散」と「長期的視点」が重要

不動産投資で資産を築くためのポイントは何でしょうか。

まずは「東京・中古・ワンルーム」を選ぶことです。私自身、これまで不動産オーナーとして大きなトラブルもありませんし、親友にも紹介していますが誰からも苦情を受けていません。

おすすめなのは、できるだけ若いうちから開始することです。

例えば今週、契約されるお客様で、旦那様が26歳、奥様が27歳で共稼ぎのご家庭の方がいらっしゃいます。さらに、奥様は来月出産予定です。子供が生まれるタイミングで買うことを勧めるのには理由があります。仮に15年間で購入物件のローンを繰り上げ返済しながら完済したとします。そのときには生まれた子供は高校生となり、教育費の負担が大きくなる時期ですが、同時に家賃収入が丸々入ってくるタイミングでもあります。このご夫婦が購入したのは築年数が浅めの物件なので、15年後といえども、年間で100万円ほどの家賃収入が入ってくる見込みです。つまり、家賃収入が学資保険の代わりになるということです。加えて子供が独立した後も不動産は残るので、そこから先、自分たちの老後の収入源にもなります。

ポイントは将来の家賃収入の使い方を具体的に想像すること。そうすることで、繰り上げ返済にも力が入ると思います。

コロナ時代、私たちサラリーマンが取るべき投資戦略を教えてください。

リスクを可能な限り抑えて、長期の視点を持って投資をするということですね。今回の新型コロナウイルスによる株価の乱高下でも分かった通り、私たちサラリーマンの浅はかな知識では、瞬間的には運よく儲かるかもしれませんが、長期的にみて資産形成ができるかというと疑問です。

とはいえ、資産のすべてを東京のワンルームに固定してしまうのも考えものです。やはりある程度リスクを分散させておくことをおすすめします。手元に置く預金は2、300万円あれば十分だとおもいます。例えばがんなどの病気になってお金が必要となったとしても、200万円もあれば、当座は凌げるでしょう。それに加えて、変額年金や不動産投資など、長期で増えていくものを組み合わせるのです。着実に資産形成をしようとする場合、まずはそうした「ベース」を確保することが重要だと思います。


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櫻井 隆志
(株)日本財託 ライフプランニング部 部長 櫻井 隆志(さくらいたかし)


1998年に旧安⽥⽣命保険に⼊社、個⼈融資部、営業教育部勤務の他、名古屋、銀座、丸の内支社にて国内社の⽣保営業を経験。 全国表彰多数獲得、17年間の勤務の間に明治⽣命との合併を経験。 2005年には、⾦融⾃由化の波を受け、銀⾏窓販という新しいチャネルへの挑戦を決意して⼤⼿地銀に転職。 その後、トータルライフソリューション企業を⽬指すという⽇本財託の企業理念に共感し、新規事業として、⽣保代理店を⽴ち上げる。 オーナー様への資産形成、リスクコンサルを中⼼に5年間で約3,000件の契約を獲得。
資格: 宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、相続知識検定マスター