長引くコロナ禍などで先行き不透明ないま「将来に備えて資産形成をしなければ」と投資を始める方が増えつつあります。

ただ、投資と一口に言ってもその種類は様々。一歩間違えるとむしろ資産を減らしてしまう可能性もあるのです。

今回お話をお伺いしたサラリーマン不動産投資家のむぎ@さん(50)もそのうちの一人でした。

今でこそ資産2.2億円を達成しましたが、その裏には投資で何度も「返り討ち」に遭ったといます。

これまでにどのような苦労があったのでしょうか。
そして、最後につかんだ「ピタッとはまった」という投資法とは――。

目次

  1. 都内に13戸のワンルームを所有、資産は2億円超に
  2. 新卒時から思い描いていた「脱サラ」への道
  3. 結婚を機に本腰を入れて投資するも結果は「返り討ち」
  4. 「損はしないだろう…」確信していたフランチャイズ経営で数百万の赤字
  5. 「自分のロジックにピタッとはまった」35歳で不動産投資を決意
  6. 「やってみないと分からない」半信半疑ながら1戸目を購入
  7. 半年で一気に4戸の物件を購入
  8. 14年間で13戸購入できたのは「リスクの低さ」
  9. 貯金よりも収入があることが幸せ
日本財託

都内に13戸のワンルームを所有、資産は2億円超に

——まずは現在の資産状況を教えてください。

現在は都内に中古ワンルームマンションを13戸保有しています。
年間での家賃収入は1,200万円超です。購入額ベースだと2億2,500万円で、そのうち1億7,500万円ほどが借入金となります。

——借入金がそれなりにありますね。現在の返済状況と、全戸返済できるのは何年後くらいの見込みなのかお教えください。

昨年、ローンで2戸購入しましたので借入額が増えました。ですので、借入比率で見ると良くはないかもしれません…。現在は2戸が完済済みで、来年3戸目が完済できます。残りのローンをすべて返済できるのは2044年です。

いま50歳なのですが、65歳の年金をもらえるときまでに追加で3戸の返済が終わる予定ですので、ローンのないマンションが計6戸になる計画です。

——今後買い増しは考えてないのでしょうか。

今のところ買い増しする予定はありません。信用枠ギリギリまで購入しているので、これからは繰上げ返済に集中します。

現在の「ゴール」は退職後にお金に困らないことです。切り詰めた生活をしたくないので、それが達成できれば良いと考えています。

新卒時から思い描いていた「脱サラ」への道

——不動産投資を始めるまでの経緯を教えてください。

24歳のときに新卒で上場企業のメーカーの営業として就職しました。仕事ぶりは可もなく不可もない「普通のサラリーマン」だったと思います。ただ、上司からの精神論的な指示は毛嫌いしていましたね(笑)。

ノルマ達成のために翌月分の商品を先行して当月中買ってもらうような営業をしていたので、正直なところ仕事に対して「アホらしさ」を感じていました。

それでも生活のため、我慢して仕事はしていましたが、この働き方は自分には合わないと常々思っていました。加えて一生サラリーマンで働くこと自体、面白くないなと思っていたので、いつかは脱サラしたいと考えていたことを覚えています。

結婚を機に本腰を入れて投資するも結果は「返り討ち」

——となると、就職してすぐに投資の世界に入られていったのですか。

そうですね、新卒で入社してすぐに株や投資信託の勉強をし始めました。当時は投資というとその二つしか思い浮かばなかったのです。とはいえ、本腰を入れていたわけではなく、口座を作ったり、欲しい株を少し買ったりした程度でした。最初は20~30万円ほどだったでしょうか。

その後、28歳で結婚してからは将来的に年金を期待するのではなく、ある程度は資産を持っておこうと考え、投資に本腰を入れ始めました。株や投資信託には累計500万円程度は使ったはずです。

収入の1~2割を投資に回すといった話を当時よく耳にしており、それを実践する形で投資信託を買っていました。

当時の日本はITバブルの真っただ中で株価はうなぎのぼり。その波に乗って例えば、妻と一緒に 大手証券会社が組成した知名度抜群の「ビッグファンド」を購入したこともあります。

——そのファンドではどのくらい買われたのですか。

妻と二人で約100万円ずつつぎ込んだと思います。絶対に上がると言われていたので…。しかし購入直後、ITバブルがはじけて株価は暴落。損切りすることもできず、結果的に塩漬けにしてしまいました。私の方は結局30万円ほど損をしたと思います。

この出来事からやはり、いくら良い株を買っていても、外部要因が大きいので、株は資産を作るのには向いていないと感じました。当たれば短期間で成果が出るのでしょうが、その分リスクも高いです。

ですので、このころから自分には株のセンスはないと思い始めました。勉強もたくさんしましたが、株に関しては「勝ち組」がいる一方で、多くの「負け組」もいるのです。それを分ける要因は運と性格が関係してくると考え、この観点から自分には向いていなかったなと。

「損はしないだろう…」確信していたフランチャイズ経営で数百万の赤字

——その後も何か投資はされていたのでしょうか。

31歳のときに実店舗型のフランチャイズ(FC)を契約しました。子ども服のリサイクルショップで、独立採算制であるところが魅力的だったのです。
ただ自分は本業があるため、実際にお店に立つのは難しく、店舗に関しては妻に任せていました。これが軌道に乗れば脱サラしても良いのかなという思いはありましたね。

ただ蓋を開けてみるとそう上手くはいかず、毎月赤字でした。思うに、FC本部が見つけてきた場所が悪すぎたのです。担当者が「この場所であれば大丈夫ですよ」と言うので、それを信じてお金だけ払って全てお任せして始めたのが大失敗でした。

どうにかしようと近所にチラシを大量に配りましたが、どうやってもお客が来ない…。後で知った話ですが、借りている店舗はお店がしょっちゅう入れ替わる場所だったようで、この場所を選んだ時点で勝負は決まっていました。

最終的には1年経たずに「撤退」することになりました。契約金も入れると数百万円のお金を溶かしてしまったのです。

「自分のロジックにピタッとはまった」35歳で不動産投資を決意

——フランチャイズでも手痛い失敗をされて、ダメージはかなり大きかったと思います。

そうですね。ただ一方で「若いときの失敗は取り返せる」という考えもありました。ですので、投資に対する意欲は減退していましたが、投資信託を継続しながら投資の情報やトレンドは収集し続けていました。

その頃に不動産投資と出会ったのです。

——何かきっかけはあったのですか。

それは今でもお世話になっている日本財託の重吉社長による書籍ですね。他にもいろいろなタイプの本を読んだのですが、自分のロジックに「ピタッとはまった」のを覚えています。

——どのような部分がしっくりときたのでしょうか。

先述した書籍にも書かれているのですが、地方よりも都心の物件のほうが低リスクであることが東京のワンルームを選んだ理由の一つです。

転勤族として全国を回り賃貸物件に住んできて思っていたのが、「立地」は物件選びに欠かせないということです。一入居者としてやはり良い場所に物件があれば住みたいと思っていましたから。ですので、立地さえきちんと選べば、不動産投資でうまくいくのだろうな、とは感じていました。

ただ、アパート経営のようないわゆる「大家業」は難しいと感じていましたし、何より東京でアパートを購入するとなると平気で数千万円~億単位のお金が必要になります。ですので、比較的購入しやすいワンルームにしようと決めました。

「やってみないと分からない」半信半疑ながら1戸目を購入

——そこから実際に不動産を購入するまでの経緯を教えてください。

日本財託主催のセミナーには参加しました。ただ、事前にいろんな本を読んでいたので、セミナーはあくまで「確認」という意味合いが強かったです。つまりある程度は自分で調べて、それでも理解できない部分を質問するといった形ですね。

不動産会社の中で日本財託を選んだ理由は、やはり「不動産投資をやろう」というきっかけとなった本の著者が経営している会社だったからです。

当時は不動産会社に対して正直なところ怪しいイメージを持っていたのですが、少なくとも本を出している会社であれば悪さはしないだろうという信頼感もあったと思います。

——ありがとうございます。ちなみに不動産投資を決めたとき、奥様の説得は大変だったのでは…?

最初はどう言おうか迷っていたのですが、結局は重吉社長の本を渡して一言、「読んでみて」と(笑)。私が説明するより本を読んでもらったほうが分かりやすいと思いまして。その結果として「一緒に話を聞いてみよう」ということになり、日本財託に行きました。

振り返ると世間でよく言われるようなグイグイ営業してくるような感じはなかったです。質問には丁寧に答えてもらえますし、無理強いなどはありませんでした。

——そこから実際に不動産を購入されたわけですね。過去に投資で失敗もありつつ、それでも踏み出せた要因は何だったのかを教えていただきたいです。

やはり「やってみないと分からないから」というのが強かったです。もちろんリスクはありますが、株のような外的要因の影響が不動産投資には少ないと感じたことが魅力でした。あとは失敗してもなんとかなる、という思いもありました。

売却すれば何百万かは損するかもしれないけど、仮に1,000万円の物件を買ったとして、価値がゼロになるわけでもありません。だから一回やってみようかなって感じでした。

さすがに契約のときはいろいろとプレッシャーがありましたけどね。「本当にお金が入ってくるのだろうか」「もしかしたら大がかりな詐欺かもしれない」と正直なところ半信半疑でしたので(笑)。

半年で一気に4戸の物件を購入

——それでもとりあえずは分からないからやってみようと、1戸目を購入されたわけですね。最初はどのような物件を購入されましたか。

1戸目は大田区にある当時築18年の物件を購入しました。駅近であることと少し間取りが広めで家賃が高いということが購入の決め手です。1,370万円で購入し、最初に頭金を100万円入れて、1,270万円のローンで購入しました。

——実際に不動産投資を始められて心境の変化はありましたか。

まずはちゃんと家賃が入ってきたことに安心しました。それでも半年くらいは心配でしたけど(笑)。安定して家賃収入が入ってくるので、不動産投資のリスクの低さを実感できたのだと思います。そこから半年間で一気に3戸を追加で購入しました。

当時は何戸購入しようという方針はなく、とりあえず良い物件があれば購入しようという感覚でした。老後資金の足しにするという意味では、1戸よりも複数戸を購入して収入を増やしたいと考えていたのです。

14年間で13戸購入できたのは「リスクの低さ」

——半年間で4戸はすごいですね。ローン返済はどのように進められましたか。

4戸を購入した後は、家計から毎年130万ほどを繰り上げ返済に回していました。そして完済した物件が2戸になったときに家計から出すのをやめて、家賃収入のキャッシュフローだけで繰り上げ返済をする形に切り替えました。

——そこからどのように物件を増やしていかれましたか。

2012年に杉並区の物件を1戸、2016年~2019年にかけても23区内の物件を6戸購入しました。物件が増えるとキャッシュフローも増えるので、繰り上げ返済額を増やしながら買い進めました。

——14年間で13戸購入されたとのことですが、それができた要因は何でしたか。

順調にローン返済が進んでいるからだと思います。将来の金利動向に不安はありますが、将来のことは誰にもわかりません。金利上昇リスクに対しては、可能な限り繰り上げ返済をして完済物件を増やすことで対処しています。

付け加えると、例えば株であれば値動きが常に気になってしまいますよね。他方で不動産の場合、私は売却益ではなく、家賃収入からの収益による資産拡大を考えているので、物件の評価価格の動向は気にする必要はありません。ですので、長期的に続けることができたのだと思います。

貯金よりも収入があることが幸せ

——不動産投資を始めたことでお金に対する意識は変わりましたか。

やはり老後資金に対する絶対的な安心感が出てきたことです。会社の同僚ともそうした話をすることがあり、老後の生活に不安を抱えている人も多い印象を持っています。私の場合は不動産から年金以外の収入が毎月入ることが確定しているので、老後生活は安心ですね。

子どもが大学を卒業するまでは働く予定ですが、そのあとは退職しても良いかなと考えています。それができるのも不動産投資の収入があってこそです。どれだけ貯金があってもセミリタイアすると貯金が減る不安があります。不労所得があると貯金が減る不安もなくなりますし、趣味や旅行に使えるお金ができて、老後生活がむしろ楽しみになりますよ。

——家賃収入があるということは、気持ちとしてやはり全然違うものですか。

結局どれだけお金を貯めても、病気や介護といった不測の事態が起きれば、老後資金に準備した貯金がなくなるリスクがあります。また、80歳、90歳まで長生きしても、貯金が底をつかないか不安ですよね。でも不動産収入があれば毎月お金が振り込まれますから老後の安心感は全然違います。

むぎ@(仮名)
むぎ@(仮名)
1971年生まれの50歳。大学を卒業後、新卒で東証一部上場メーカーに入社。就職後から株式や投資信託を開始。28歳のとき妻とともに投資信託に200万円をつぎ込むも、ITバブル崩壊の影響で塩漬けに。31歳でフランチャイズ経営に乗り出すも赤字が膨らみ続け1年せずに撤退するなど、投資で苦い経験を重ねる。
36歳で東京中古ワンルームを購入。安定して家賃収入が入ることに気づき、半年ほどで計4戸まで買い増し。その後も物件を購入し続け、50歳の今、都内23区に計13戸のワンルームを所有。年間家賃収入1,200万円を達成する。FP2級保有。
ブログ:「~副業で家賃100万円稼ぐ人が教える~ワンルームマンション投資入門講座」
https://mugi-01.com/