サラリーマンの副収入源として人気の不動産投資。

ただ、一口に不動産投資といっても様々な手法があります。

どうすれば不動産投資で失敗しないのか、どれが自分にとってベストなのか、迷ってしまいますよね。

そこで今回、年間家賃収入1,600万円を達成した現役銀行員オーナーと、サラリーマンから資産3.7億円を築き、43歳でFIREを達成した不動産投資家の2人を招請。対談形式にて不動産投資の「リアル」を語っていただくことにしました。

実際の経験者にしか分からない、不動産投資で失敗しないための“必須項目”とは―。

首都圏の物件が二束三文に!?現役銀行員オーナー×資産3.7億円・FIRE投資が明かす不動産投資で「失敗しない」ための必須

目次

  1. 普通のサラリーマン→家賃年収1,600万円以上は可能
  2. 「東京」「中古」物件以外はありえないワケ
  3. 首都圏郊外の物件が二束三文!?利回り重視は“遠回り”
  4. 投資で負けないための基本は“持続可能性”

普通のサラリーマン→家賃年収1,600万円以上は可能

―まずはお二人の自己紹介をお願いします。

村野 村野と申します。現在年齢45歳になりまし43歳までサラリーマンをやっていたのですが、リタイアして今はFIRE生活をしているというような形になります。

28歳から不動産投資を開始して、現在は東京23区内の中古ワンルームマンションを中心に30戸所有しています。家賃収入は年間3,000万円ほどです。

内田 内田と申します。現在55歳になってしまいました。新卒で大手証券会社に就職したのですがバブル崩壊の影響で倒産し、その際に中堅の銀行に再就職することになりまして現在に至っております。

43歳のときに不動産投資を開始し、現在の所有物件は東京都心を中心に中古ワンルームマンションが11戸と、アパート、戸建てが若干あります。年間家賃収入は1,600万円くらいですね。

―お二人ともすごいですね…。私たち普通のサラリーマンでもお二人のように経済的自由を得ることはできますでしょうか。

村野 もちろん可能です。

内田 できると思います。

―初めから資産背景に恵まれていた、ということはなかったのでしょうか。

内田 私の場合は特段恵まれていたとは思っていないですね。給料も「銀行員だから高いんでしょ」って思われるかもしれないですけど、正直なところ上場企業の平均ほどしかもらっていませんし…。

最初に物件を購入したときはローンに加えある程度現金を入れて購入したのですが、それは自宅を買うためにこつこつとためていたお金を回したんです。親から援助があったというわけでもなく、恐らく普通のサラリーマンの方に近いのかな、という気はしますね。

村野 私の場合も一部上場企業のサラリーマンでしたが飛びぬけて給料が良いわけではなかったですね。ただ、安定している会社でしたし、私は株などの投資である程度まとまった資産がありました。ですので、資産背景に恵まれていたのかと問われたら言われたら、私より恵まれてない人もたくさんいるだろうなとは思います。

「東京」「中古」物件以外はありえないワケ

―お二人とも都心の中古ワンルームを中心に不動産投資をされています。その理由はなぜでしょうか。

村野 実は店舗や事務所用、ファミリー向けなども持ってはいますが、前提として「東京」と「中古」以外は考えていないです。

理由は二つあって、まず日本の人口が減っていく中で、コンパクトシティ化が進んでいくと思うんですよね。そして日本一のコンパクトシティはどこだ?と聞かれたら、あらゆる拠点が集約されている東京以外ないだろうと。

不動産で賃料を得るには人がいないとどうしようもないですし、また性質上10年単位の長期にわたる投資ですので、この先も東京がベストだと考えています。

もう一つの理由は、中古であれば投資の可否について判断する材料が多いということ。新築だと誰も住んだことがないので、賃貸需要や建物が今後どうなっていくのか予測が立てづらいですよね。

その点、中古だとそれまでの履歴が残っていますので、まだ判断できると。加えて中古は価格が安いですしね。

内田 私の場合はリスクに着目しました。都心部の中古ワンルームという形で絞ることで、他の不動産投資に比べてリスクが極小化されます。

そのリスクも市場が成熟しているため対処法が確立されているので、自分の「経験値」を合わせると、もはやリスクと呼べるものはないのではないかと思えるほど安定しているんですね。

加えてそこそこのリターンも得られると。だからこそ都心部の中古ワンルーム投資を中心に資産形成を進めてきました。

首都圏郊外の物件が二束三文!?利回り重視は“遠回り”

―東京中古ワンルーム以外の不動産投資手法はどうお考えでしょうか。

村野 代表的なものに一棟アパートや戸建て経営があると思いますが、ある程度経験を積んだ方など、人によってはやっても良いのではないかと思います。私自身選択肢に入っていないわけではありません。ただ唯一、地方だけはやらないだろうな、と思っています。

確かに地方の中核都市でなら良い場所はあるのかもしれません。しかし、自分はそこに対するアクセス手段、どこが良い場所なのか、そこでどうやって運用していけばいいのかの知見を持っていません。

私は不動産投資を「事業」ではなく「投資」としてやっているので、物件の維持・管理は誰かに任せなければなりません。

それを考えると信頼して任せられる会社さんを残念ながら地方では知りませんし、もし知ったとして、その会社さんとの関係が駄目になった場合、どうしようもなくなりますよね。つまりその会社さんに主導権を取られてしまうので、結果的に言いなりにならざるを得なくなるのです。

ですから今のところは地方に手を出すことはないでしょうね。

内田 一棟アパートや戸建て経営、地方で不動産投資を始めようとしている方はおそらく、利回りの良さを一つの理由にしていると思うんですよね。ただ、利回りが良いということは当然、裏側には高いリスクがあるということを認識しておかなければいけません。

私が実際に経験したケースで言いますと、以前に東京から電車で1時間、最寄り駅から徒歩20分の場所の一棟アパートを購入したことがありまして。理由は物件の利回りが16%と非常に高く、加えて借主は法人で事業用として使っていただいていたので、これは退去しないだろうと思っていたからです。

ただ、2年後の契約更新のときにその法人の社長と雑談をしている際、将来的には土地を購入してさらに事業を拡大したい、というお話が出たんです。つまり、今借りている物件を全部引き上げて、自分の財産に移してしまう可能性があるということです。ですから慌てて売却しました。

実際に社長が行動に移す前に偶然、気づいたからよかったですが、何も気づかずにそのまま持っていたら…。もちろん募集をしても満室になどとてもできませんし、売却したとしても二束三文でしょう。

私の場合はこのときすでに東京中古ワンルームという安定した収益基盤がありましたから挑戦することができましたが、これが不動産デビューだった場合、なかなか挽回は難しいのではないでしょうか。なので一棟アパートについても初心者にはおすすめできないと考えていますね。

投資で負けないための基本は“持続可能性”

―リアルな話ですね。不動産投資で資産形成を進める上で「東京」「中古」を購入する以外で重要なことはありますか。

村野 退場しないように続けることができるかどうか、ですね。大体の人って続けられなくなるんですよね。それは自分の動きのせいなのか、外部環境の変化のせいなのか色々ですが、結果的に退場させられてしまう。

不動産でいうと借入の方が大きくなりすぎて、キャッシュフローが回らなくなってしまうとかですね。そういうことで退場しないようにしていれば、東京であれば家賃収入は入ってくると思うんです。

そう考えると、10年で経済的自由を目指すのを20年に変更すれば単純計算で半分のリスクで済むわけですよ。となると、利回りなどにこだわるよりも10年、20年続けられる仕組みだったり、体制だったりっていうのを作ることの方が大事なんじゃないかなと思っています。

内田 その通りだと思います。例えば企業価値でも、単発的にヒット作が出て売り上げが伸びた、ということよりも安定して継続的に売り上げ規模が上がっていくほうが高いですから。

とはいえ、まずは始めないことにはチャンスすらありませんので、やはりまずは行動してみること、そしてチャンスをつかむことが大事です。

―ありがとうございました。

村野 博基 Hiroki Murano
村野 博基 Hiroki Murano
1976年生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、大手通信会社に勤務。
社会人になると同時期に投資に目覚め、外国債・新規上場株式など金融投資を始める。
その投資の担保として不動産投資に着目し、やがて不動産が投資商品として有効であるこ
とに気づき、以後、積極的に不動産投資を始める。
東京23区のワンルーム中古市場で不動産投資を展開し、2019年に20年間勤めた会社をア
ーリーリタイア。現在、自身の所有する会社を経営しつつ、東京23区内に計30戸の物件
を所有。さらにマンション管理組合事業など不動産投資に関連して多方面で活躍する。

著書:『43歳で「FIRE」を実現したボクの”無敵”不動産投資法』(2020年・アーク出版)
内田 裕樹 Uchida Yuki
内田 裕樹 Uchida Yuki
広島県出身。55歳、中堅の銀行勤務。
大学卒業後、大手証券会社に就職するもバブル崩壊の影響で倒産。
中堅の銀行に転職した後、 42歳のときに不動産投資をはじめて半年間で5戸までマンションを増やす。
その後、マンションを買い進めて今では11戸のマンションを保有し、アパートや戸建て経
営にも着手。 2019年に『不動産投資で上がり(ゲームでいう上がり)の状態』に到達する。