充実したセカンドライフを送るために必要な『経済的基盤』。それを作り上げるために、飯田氏が選んだのは低リスク・超安定のワンルーム投資でした。とはいえ、ワンルーム投資をこれから実践しようとする方にとっては、さまざまな疑問が残ります。

今回は飯田氏自身のご経験をもとに、不動産投資にまつわる疑問へお答えします。

(※本稿は、飯田勝啓著『立ち止まって考える“サラリーマンの出口戦略” 「自分らしく生きがいのある生活」は低リスク・超安定のワンルーム投資で実現する!』(アーク出版)の一部を再編集したものです)

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立ち止まって考える“サラリーマンの出口戦略” 「自分らしく生きがいのある生活」は低リスク・超安定のワンルーム投資で実現する!
今の生活と将来に不安を抱き、精神的に辛い思いをされている人へ―。たとえごく普通のサラリーマンであっても「自分らしく生きがいのある自由な世界」は実現できます。もちろん株式投資のようなハイリスクなものでも、また築いた資産を取り崩す方法でもありません。それは毎月定期的に入る家賃収入で生活を安定させる低リスクの「ワンルームマンション投資」です。何から始め、どう取り組めばよいか体験に基づきながら実践術を紹介します。
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目次

  1. 不動産市況|最近の市場動向はどうなっている?
  2. 空室リスク|空室になってしまうリスクはない?
  3. 物件の売却|一度取得した物件は手放さないほうがいい?

不動産市況|最近の市場動向はどうなっている?

49歳で始めた不動産投資で「自分らしく生きがいのある生活」を手に入れた  元”窓際“サラリーマンの実話①

前章ではサラリーマンがワンルーム賃貸経営を始めるまでに考えなければならない基本を私の実例を振り返りながら紹介しましたが、セカンドライフの経済的基盤をこれから築こうとする方であれば、まだまだ疑問や不安があることでしょう。私自身、12年前に不安に思ったことが多々ありました。この章ではこれからワンルーム投資により経済的な基盤を築くうえで共通する疑問にズバリお答えしたいと思います。

まず、不動産市況についてです。
ワンルーム投資を始めた12年前と今の違いをお伝えします。バブル崩壊後、不動産価格が大きく下がり、それから30年。日本のデフレ傾向は長く続き、可処分所得の伸び悩みが続いています。不透明な時代、そこに新型コロナ禍と続き、ワンルーム投資に不安を感じる方もいるでしょう。

ところが、実際に新型コロナ禍後も不動産価格は下がらず、マンション価格も高止まりの傾向にあります。その理由の一つは日本のGDP成長率が米国、中国、ASEAN諸国など諸外国に比べて低く、相対的に日本の不動産価格が低くなることから、日本の不動産が狙われているともいわれています。これは経済原理から仕方のないことでもありますが、では新規でワンルームの購入を控えるべきかというと、決してそうではないと思います。

ワンルーム賃貸経営以外の方法で、安全に同レベルの利回りは確保できない

理由は不動産価格の高止まりに伴い、その利回りが下がったとしても、ワンルーム賃貸経営以外の方法で安全に同レベルの利回りが確保できるかというと、それは難しいからです。賃貸管理会社「日本財託」の調査によれば、2021年8月時点での成約物件の中央値が表面利回りで4・90%、手取り利回りは3・89%となっています。この数字を見て、「なんて低いのだろう」と感じた方もいると思いますが、銀行定期預金が0・002%の時代に、安定して4%近い手取りが得られることに利を感じるかどうかということになるでしょう。

もちろんリスクがある投資であれば、ハイリターンがあるとしても、その見極めが素人では難しくなっています。まして昨今では単なるリスクというよりも詐欺的な投資話が多数あります。「かぼちゃの馬車事件」に代表されるように〝おいしい話〟には裏があるもので、損失を被るリスクを考えるならば、コツコツと家賃収入を得ていくことが最も安全で安定した収入になるということです。いずれにせよ仮想通貨も含め、昨今新たな投資手段が次々出ていますが、リスクのある話、おいしい話には十分に注意する必要があります。

そのうえで、ワンルーム投資と賃貸経営に一歩踏み出すことで、着実に不労所得を得ることができるようになります。これから先を考えている方にとっては、やらない選択より、始める選択のほうが確実に果実を得られるのです。

もう一つは低金利です。ローンで購入する場合、私が購入した十数年前の金利と比較して1~2%近く低くなっています。つまり、利回りが1~2%下がったとしても金利が同じだけ下がれば、結果として、手取りは同じことになることはおわかりいただけるでしょう。もちろんワンルーム賃貸経営を始めるうえでは、それに適した物件を厳選することは大前提です。第2章※で書いてきたことに注意して、しっかりと物件を選定する必要があることは言うまでもありません。

※第2章の内容については、実際の著書をご参照ください。

日本の人口減少とワンルームの動向は?

総務省の統計調査(令和元年版)によれば日本の人口は2010年をピークに2011年以降、減少を続けています。ただ、その中でも人口が増加している地域はあります。その一番は東京で、沖縄、埼玉、神奈川、愛知、滋賀、千葉の順で続きます(※1)。人口が減少すれば当然ながら住居は要らなくなってきます。まずそのトレンドを知っておくことが重要です。

こうした現在人口が増えている地域でも、今後、人口減少になるトレンドは避けられないものの、少なくとも2025年までは人口の流入が続くとされる東京( 23 区では2030年まで増加)を選ぶことが最も確実であると言えるのではないでしょうか。また若年人口は減少していきますが、65歳以上の高齢者が増える傾向は今後も続きます。単独世帯数のピークが2035年頃といわれていますが、高齢者の単独世帯数の増加はその後も進み、2045年頃には高齢者の単独世帯が全単独世帯数の半数を超えるとの調査(※2)もあります。

ワンルームといえば若年層のイメージがありますが、生涯独身者の増加などにより高齢の単身者もワンルームを利用する機会が結構あるのです。人口減少トレンドの中でもワンルームの底力は相当あると考えてよいのではないでしょうか。

いずれにしても人口減少トレンドの中での物件選びは慎重にすることが重要です。

※1:「人口推計2019年(令和元年)10月1日現在」(総務省統計局)
※2:「国土の長期展望」中間とりまとめ概要(平成23年2月21日国土審議会政策部会長期展望委員会)

空室リスク|空室になってしまうリスクはない?

家賃収入を経済的な基盤とするなら、空室になることはあってはなりません。素人のサラリーマンが賃貸経営に手を出して、空室になるリスクはないのか、と疑問に思うことは当然です。

その答えは「リスクはある」です。

「リスクのないビジネスがこの世の中に存在するのか」と聞かれたら、そんなビジネスがあるなんて言えないはずです。そこで空室リスクがあることを前提に、どうすればリスクを回避できるかを考えてみましょう。

入居者目線で対応を考える

私が考えるリスク回避方法は次の4点です。
①入居者が住みたくなる立地にこだわる(著書58ページ参照)
②入居者のニーズに合った住まいを提供する(著書149ページ参照)
③入居者目線で募集する
④入居者募集に実績があり信頼できる賃貸管理会社と契約する

①と②は前述※したので省略しますが、③入居者目線で募集するとはどうすればよいのか。その答えは、住みたくなるような募集をするということです。例えばコンビニがすぐ隣にあるならば、文字どおりいつでも冷蔵庫代わりに使えて便利な点をアピールします。窓からの景色や夜景がきれいならそれを思いきり表現し、住んでみたい気持ちを高めます。

マンションの〝売り〟は物件により異なりますが、物件を実際に見てその特性を知っているとこうした入居者目線での〝売り〟が見えてきます。ワンルームを選ぶ入居者(お客さま)だって、これから始まる新居に少なからず期待をいだき、物件を選定します。その気持ちに寄り添える共感が得られたら、空室は出ないはずです。現地を見ないで物件の購入を決めてしまうオーナーにはわからないことで、現地へ足を運び、自ら物件を知っていることが強みとなり、活きてくるのです。

最後は④信頼できる賃貸管理会社を選ぶということです。賃貸管理会社もピンきりです。募集しているのに1年近く空室のままで困っていると、あるオーナーから聞いたことがあります。私なら「なんでそんな悠長な賃貸管理会社に任せるのか」と言ってしまいますが、そんな管理会社は間違っても選ばないようにしましょう。

物件の売却|一度取得した物件は手放さないほうがいい?

ワンルームマンションを取得する目的は売却益を得るキャピタルゲインではなく、定期的な収入を得るインカムゲインであることは、これまで書いてきたとおりです。その観点からは「持ち続ける」ことが基本です。日々、たくさんの不動産会社からダイレクトメールや電話で「高く売りませんか?」という攻勢があってうんざりしますが、「売るつもりはありません!」といつもお断りしています。

入居者にとって居住環境が悪化した物件を手放した

とはいえ私、1戸だけ物件を売却したことがあります。8戸目に購入した横浜の物件の例を紹介します。

最寄り駅から1分と近く、立地はよいところでした。また、この管理組合の理事も務めていました。そんな物件をなぜ売却したかというと、マンション全体の居住環境の悪化が理由です。セントラル給湯システムで、以前は居住者から利用に応じた給湯料を徴収していました。しかし滞納が問題になったことからプリペイド式(あらかじめ居住者が給湯分をプリペイドカードで購入する方式)に変更したのです。

これにより滞納は解消されたのはよかったのですが……。
ある日エレベーターホールに設置した給湯料プリペイドカードの自動販売機が壊され、中の現金が盗まれる事件が発生したのです。管理組合では盗難保険をかけていたので、直接的な損害は免れましたが、後味の悪い事件となりました。

その後、プリペイドカード販売機を修理し、盗難防止ロックを付け、さらに念のため防犯カメラを設置し、これで安心だと再発防止を図りました。

ところが事件から数年後のこと、再び同じ手口での事件が起きたのです。防犯カメラには犯行の一部始終が映っており、警察に通報したことはいうまでもありません。幸いにも盗難防止ロックのおかげで盗難被害は免れましたが、バールのようなものでこじ開けたため、販売機の一部が損傷してしまいました。警察によればプロの犯行だということでしたが、たび重なる大胆な犯行には衝撃を受けました。

それとは別に、マンション内の特定の住戸の居住者間での喧嘩騒動がありました。これがエスカレートし、何度も警察が出動することになりました。怒って壊した玄関扉の補修費の支払いもなされず、管理組合では区分所有法に基づき、区分所有者に代わって占有契約を解除する訴えを起こすに至りました。

ほかにも居住者マナーが悪く、建物内での放尿事件が頻発し、さらには共用廊下での脱糞事件まで発生していきました。

もうマンション内トラブルだらけで、この先このマンションはどうなっていくのかと、私から見限った結果になりました。直接、オーナーとしての被害は受けていませんでしたが、そうでなくてもマンション内の居住環境はとても重要です。居住環境の悪化はいずれ入居者の退去や資産価値の低下という悪循環を招くことにもなるので、早めに縁を切ったわけです。

たまたまそんな時期に新宿(早稲田)の物件情報があり、横浜を手放すと同時に新たな物件購入(リプレイス)という結果になりました。取得したワンルームは手放さないことが基本ですが、マンション内で改善できない問題がある場合には、早めに手を打つ対応もあるという例になりました。

飯田勝啓氏
飯田勝啓氏
大学を卒業後、大手クレジットカード会社に勤務し、2013年退職。書店で手にした1冊の不動産投資の本をきっかけに、マンション投資について研究。サラリーマンにもできるワンルームマンション投資を自ら実践し、そのノウハウを広めてきた。自分のための不動産投資にとどまらず、マンション管理士として、管理組合やオーナーのマンションに関連したトラブルの解決や資産価値の向上のため、また、マンションでの防災対策などを通して社会貢献を目指している。悩める中高年サラリーマンの“出口戦略”を支援する活動も行っている。
現在11戸のワンルームマンションを保有し、家族と共に“セカンドライフ”を謳歌している。

著書
『49歳の窓際サラリーマンだった私が会社を辞めて家賃収入だけでラクラク生活を実現した話』(かんき出版 / 2014年)
『立ち止まって考える“サラリーマンの出口戦略”「自分らしく生きがいのある生活」は低リスク・超安定のワンルーム投資で実現する!~何から始め、どう取り組むか、体験的実践術!~』(アーク出版 / 2022年2月16日出版)