サラリーマンの副収入源として人気を博している不動産投資。

中には不動産投資でコツコツと資産を拡大し本業の収入を超え、早期リタイアなど経済的な自由を得た方もいます。

とはいえ「千里の道も一歩より」。不動産投資成功者も最初の1戸目を購入するところからスタートしています。

実際のところ、成功者はどんな気持ちで一歩目を踏み出したのでしょうか。

今回、普通のサラリーマンから不動産投資で経済的自由を得た村野博基氏(45)と内田裕樹氏(55)にインタビューを実施。そのリアルすぎる感想とは―。
(収録日:2022年2月)

村野博基氏と内田裕樹氏

目次

  1. 家賃収入で得たものは「精神的な安定」
  2. 不動産投資を始めた理由はリスクとリターンのバランスの良さ
  3. 「東京」「中古」以外は選択肢にない
  4. 「人生終わったな」「5年間踏み出せなかった」…購入時は誰だって不安

家賃収入で得たものは「精神的な安定」

―まずはお二人の自己紹介をお願いします。

村野 村野と申します。現在年齢45歳になりまして43歳までサラリーマンをやっていたのですが、リタイアして今はFIRE生活をしているというような形になります。

28歳から不動産投資を開始して、現在は東京23区内の中古ワンルームマンションを中心に30戸所有しています。家賃収入は年間3,000万円ほどです。

内田 内田と申します。現在55歳になってしまいました。新卒で大手証券会社に就職したのですがバブル崩壊の影響で倒産し、その際に中堅の銀行に再就職することになりまして現在に至っております。

43歳のときに不動産投資を開始し、現在の所有物件は東京都内の中古ワンルームマンションが11戸と、アパート、戸建てが若干あります。年間家賃収入は1,600万円くらいですね。

―お二人とも普通に生活する分には十分な家賃収入があるわけですけれども、いわゆる経済的自由を達成した後の生活はどのようなものなのでしょうか。

村野 私は2年前に会社員をリタイアしたんですけども、最初はのんびりしようかな、と思っていました。ただ、不動産関連の活動などで色々首突っ込んでたりするうちに、忙しくなってきて。結局毎日ばたばたと過ごしているという感じですね(笑)。

ただ、スケジュールは自分で決めることができますし、やりたくないことはやらなくてよいので、サラリーマン時代と比べると自由だと思っています。例えるなら「テストと留年のない大学生活」のようなもので、非常に楽しい毎日を過ごさせていただいております。

―内田さんはいかがですか?今は現職でお勤めをしていますが、いつ辞めてもいいような状態にあると思うのですが。

内田 確かにおっしゃる通り、収入的にはいつ辞めても大丈夫な状態にはなっています。ただ、まだ会社の方でも一応、役に立つこともあるみたいなので仕事を続けている、といった感じです。

最近はコロナの影響もあり、時差出勤を活用してかなり早い時間に出社して、夕方のラッシュのピークが過ぎるぐらいに退社するという、ごくごく普通のサラリーマン生活を送っています。

―経済的自由を達成して良かったことはなんでしょうか?

村野 実は私もサラリーマン時代にすでにある程度の家賃収入があったので、その時点でも一応、経済的自由は達成していました。つまり経済的自由を達成してもサラリーマンは続けていて表立って何が変わるという訳でもないんですよ。

ただ「気持ちの持ちよう」の変化はすごく大きくて。「お金をもらっているからやんなきゃ」みたいなことは、あんまり考えなくていいので、精神的にはかなり楽になりましたね。

―内田さんはいかがですか?

内田 そうですね。やはりストレスの感じ方は随分変わったと思います。

以前は人並みに相当ストレスがありまして…。仕事で嫌なことがあった時なんかだと、不動産投資でのシミュレーションを思い浮かべながら「経済的自由を達成できるまであと5年、あと4年10ヶ月、あと4年半」と、まさにカウントダウンみたいな感じで思っていました。

それが2年ほど前にほとんど経済的自由を達成すると、いつの間にかそういうことを考えなくなりました。おそらくは心に余裕ができたんでしょうかね。

仕事でも、上司や同僚と意見がぶつかったときに、以前は正論をぶつけて議論をして、とやっていました。しかし、最近はもう随分丸くなって「あ、じゃそうしましょうか」と。意地を張ることもなく、ストレスなくっていう感じになってきました。

不動産投資を始めた理由はリスクとリターンのバランスの良さ

―数ある資産形成法の中で不動産投資を選ばれた理由はなんですか。

内田 私は元々、証券アナリストが本業で、投資分析っていうんでしょうかね、そういったことをしていました。

その観点から言っても、例えばFXだとか先物だとかそういったものはいわゆる「ゼロサムゲーム」、ギャンブルのようなものですから論外でした。

あと一般的なものとしては株とか投資信託とかだと思うのですが、こういうキャピタルゲインを狙って、値段を気にしていく投資先っていうのは性格的に合わないのかなっていう風に思いましたね。

他方で、不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンという形で、ほったらかしといても大丈夫。さらに投資効率としても良くて、自分に合ってるのかなと考えました。

―村野さんはいかがだったのでしょうか。

村野 私は最初、コツコツと定期預金をやろうと思っていました。ただいろいろありまして、債券をやってみたり、新規公開株をやってみたり。その後に不動産投資を始めました。

結局、不動産だけがお金を借りられる唯一の投資方法なんです。信用取引などはありますが、基本的に株をやりたいからお金を貸してくれって言っても貸してくれません。

「元本×利回り」が利益と考えたときに、やはりある程度大きな元本が欲しくて。不動産は融資が引っ張れるので、良い方法だと思いました。

先ほど内田さんがおっしゃっていたように、私も元々利息が欲しくて定期預金を考えていたくらいですので、売買で稼ぐより、毎月入ってくるものの方が安心できると思っています。そうした金融商品の中では、不動産投資が一番利回りはいいかな、と考え、不動産投資をやっている感じですね。

ただ私は今でも株などを含め、色々やってはいます。その中のうちの一つが不動産です。

「東京」「中古」以外は選択肢にない

―お二人とも東京都内の中古ワンルームを中心に不動産投資をされています。その理由はなぜでしょうか。

村野 実はワンルームだけではなく店舗や事務所用、ファミリー向けなども持ってはいますが、前提として「東京」と「中古」以外は考えられないですね。

理由は二つあって、まず日本の人口が減っていく中で、コンパクトシティ化が進んでいくと思うんですよ。すると結局東京に人が集まるとしか考えられないのですよね。最後まで残っていくところは人口が多く、あらゆる拠点が集約されている東京以外ないだろうと。

不動産で賃料を得るには人がいないとどうしようもないですし、また性質上10年単位の長期にわたる投資ですので、この先も人が残る東京がベストだと考えています。

もう一つの理由は、中古であれば投資の可否について判断する材料が多いということ。新築だと誰も住んだことがないので、賃貸需要や建物が今後どうなっていくのか予測が立てづらいですよね。

その点、中古だとそれまでの履歴が残っていますので、まだ判断できると。加えて中古は価格が安いですしね。

内田 私の場合はリスクに着目しました。東京都内の中古ワンルームという形で絞ることで、他の不動産投資に比べてリスクが極小化されます。

そのリスクも市場が成熟しているため対処法が確立されているので、自分の「経験値」を合わせると、もはやリスクと呼べるものはないのではないかと思えるほど安定しているんですね。

加えてそこそこのリターンも得られると。だからこそ東京都内の中古ワンルーム投資を中心に資産形成を進めてきました。

「人生終わったな」「5年間踏み出せなかった」…購入時は誰だって不安

―中古でワンルームといえど、都内であれば1,000万、2,000万円はします。購入の際には
迷いはなかったのでしょうか。

内田 私の場合はなかなか決断できませんでしたね。「買いたいな、買おう」と思ってから実際に買うまで5年もかかってしまったんですよ。これが不動産投資で最大の失敗だったと思っています。

購入する前「すぐに退去されたら嫌だな」とか考えていましたが、購入後は「次はどうしよう、どの物件がいいだろう、どういう立地がいいんだろう」ということの方がむしろ気になっていましたね(笑)。

―5年間、一歩目を踏み出せなかった理由は何だったのでしょうか。

内田 当時、初めて接触した不動産会社が良くない会社で。都合の悪いことをごまかして、良いことばかり説明をしていたんです。で、私もそれを間に受けていたんですけども、自分で色々調べていくうちに「これ違うんじゃないか?」っていうのに気付きました。

その段階ですぐ購入をキャンセルしたのですが、不動産会社へのイメージがもう最悪になって…。不動産会社は信じられないと思い、書籍を読んで勉強をするようになりました。

ただ当時は、成功体験を元に不動産投資法を書かれているものが多く「これなら真似できるんじゃないか」と思う手法が紹介されていませんでした。そうこうしているうちに時間だけがずるずると過ぎていくっていう感じだったんです。

それで5年が経って、たまたま日本財託の社長が執筆した書籍を初めて目にしました。本には自分が元々こうなんじゃないかなと思っていたことが体系的に説明されてたので「あ、これだ」っていう風にピンときました。この出会いがあったので、やっと一歩目を踏み出すことができました。

―なるほど。村野さんはどうだったのでしょうか。

村野 なかなか踏み出せなかったですよね。やっぱり怖いし…。最初に1戸目を買ったときは「人生終わったな」っていう感じがすごくしましたね(笑)。

―なぜそこまで思われたんですか?

村野 私が物件を購入したのが2004年で、その頃はまだ平成バブルが弾けてそれほど間もない空気感だったんですよ。周りの人で不動産投資をやっている人なんていないし、実際に「バカじゃないの?」みたいなことを散々言われたので…。

自分のなかでは多分大丈夫な気がしていましたが、これだけ周りに反対されるってことは良くないのかなと思って、どうしようと思っていました。

ただ、ある程度購入に向けて話も進めてしまっていたこともあり「しょうがない、ここで人生終わったとしてもまだ先挽回できる未来はある」「損をしたとしても、この先どこかで(損失を)解消すれば良いだろう」といった気持ちで購入しました。

また、ちょうど同じタイミングで会社の先輩が不動産を買うと言っていたので、それに背中を押されたことも大きかったです。

ですので、当時はそれほど主体的に動いていたわけではないですし、購入する際はもうすごく焦りました。

―今では経済的自由を実現しているお二人でも最初は多かれ少なかれ不安はあったのですね。ただ、正しく一歩目を踏み出せば恐るるに足らず、ということも分かりました。ありがとうございました。

村野 博基 Hiroki Murano
村野 博基 Hiroki Murano
1976年生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、大手通信会社に勤務。
社会人になると同時期に投資に目覚め、外国債・新規上場株式など金融投資を始める。
その投資の担保として不動産投資に着目し、やがて不動産が投資商品として有効であるこ
とに気づき、以後、積極的に不動産投資を始める。
東京23区のワンルーム中古市場で不動産投資を展開し、2019年に20年間勤めた会社をア
ーリーリタイア。現在、自身の所有する会社を経営しつつ、東京23区内に計30戸の物件
を所有。さらにマンション管理組合事業など不動産投資に関連して多方面で活躍する。

著書:『43歳で「FIRE」を実現したボクの”無敵”不動産投資法』(2020年・アーク出版)
内田 裕樹 Uchida Yuki
内田 裕樹 Uchida Yuki
広島県出身。55歳、中堅の銀行勤務。
大学卒業後、大手証券会社に就職するもバブル崩壊の影響で倒産。
中堅の銀行に転職した後、 42歳のときに不動産投資をはじめて半年間で5戸までマンションを増やす。
その後、マンションを買い進めて今では11戸のマンションを保有し、アパートや戸建て経
営にも着手。 2019年に『不動産投資で上がり(ゲームでいう上がり)の状態』に到達する。