「不動産投資は若いうちにはじめた方が有利」
ウェブで検索するとよく目にする言葉です。

とはいえ、周りの同世代で不動産投資をしている人は皆無。
これから何かとお金がかかる上、一回り上の世代と比べ潤沢な資金があるわけでもない。
とりあえずは積み立て投資と貯金でいいよね。

そう思い、なかなか踏み出せない20代、30代の方は多いのではないでしょうか。

確かに、不動産投資はローンを組むことができるとはいえ、金額の大きな投資です。 頭ではなんとなく「良いかもしれない」と思っていても、怖いものは怖いですよね。

そこで今回、20代から不動産投資を開始し、現在5戸の物件を所有する現役サラリーマンの渡辺瞬氏(35)と、同じく20代から不動産投資を始め43歳でFIREを達成した村野博基氏(46)に、ご自身の体験談をお伺いすることにしました。

若いうちから不動産投資を始めるにあたっての苦労や、始めてから感じたメリット/デメリットとは何だったのでしょうか。

若いうちから不動産投資をした結果は?現役オーナー2人が語るメリット/デメリット

目次

  1. 今は「テストと留年のない大学生」のような生活
  2. 「負けない方法」を探し行きついたのが不動産
  3. 不動産に求めたのは「地味さ」
  4. 気が付いたらローンが減っている
  5. 家族の説得の鍵は豊かな未来を想像させること

今は「テストと留年のない大学生」のような生活

―まずは自己紹介から、お願いいたします。

渡辺 はい、渡辺と申します。現在35歳ですね。

私が不動産投資を始めたのは今から6年前、当時は2016年になります。そこから都心の中古ワンルームマンションを毎年1戸、買い足していって、現在5区分になります。

日中は基本的に仕事をやっていますので、平日の夜だったり土日だったり時間を見つけて不動産の勉強をしつつ基本的には楽しみながらこの不動産投資をやっています。

村野 村野と申します。もう46歳になってしまいました。1999年に大手通信会社に入社しまして、約20年間サラリーマンをやっていました。

28歳のときに不動産投資を始めて、現在では都心中古ワンルームを中心に計32戸の物件を所有しています。2019年に会社を辞めて、現在は「テストと留年のない大学生」のような、気楽な生活をさせていただいております。

「負けない方法」を探し行きついたのが不動産

ー最初は株や投資信託から、という方が多いですが、お二人が不動産投資にシフトしたきっかけは何でしょうか。

渡辺 僕自身も、株式投資とか投資信託とか、ペーパーアセットも並行して持っています。ただ、基本的に株なども、うまく運用するためには相当分析の時間が必要なんですよね。

ですので、そうしたペーパーアセットでの投資をやりながら、自分自身のいわゆる労働力を使わない、不労所得はないかと考えました。

とはいえ、選択肢としては、株式会社を育てて、働き手を雇って自分以外の社員に働いてもらうか、不動産か、というどちらかです。やはり自分の会社を育てるって大変だな、と思い、単純な消去法で不動産しかないという、そういう経緯です。

村野 私は利息がもらえる外国債を一番最初にやっていて、そこから株にいって、今不動産という流れです。今も債券や株に加えてFXのようなすごくボラティリティの高いものもやってはいます。

不動産にシフトしたきっかけは単純に、株でリターンを得るためには相応のリスクを取らないといけないことに気づいてしまった部分があって。10万円稼ぐのは簡単なんですけど、200万稼ぐのは大変だなと思い始めました。

このまま続けてもいつか負けると考えて、「負けない」方法はないかなと思い、不動産の方にはしりました


不動産に求めたのは「地味さ」

―若いうちから不動産投資を行う上で、戸惑いや躊躇はなかったのでしょうか。

渡辺 正直、最初のイメージは必ずしもいいところばかりではありませんでした。ただ、いろんな人のいろんな投資への考え方を本で読むなかで、いわゆる不動産はリスクが高くて怖いっていうものを植え付けているような手法もあれば、そうではないものもあるんだっていう気付きがあって。

そこで僕自身が不動産投資に何を求めたかっていうと「地味さ」ですね。

―地味さですか。

渡辺 そうです。ですので、派手に「どかーん」とやって大金持ちになる、というイメージではなくて、自分のリスクをなるべく取らないでコツコツと資産形成できる手法があるんじゃないのかなっていうのを調べていました。

その結果、いわゆる区分でワンルームを買っていくっていうところに行き着いたんです。

村野 珍しいですよね、不動産に地味さを目指しにいくっていう人って。

渡辺 やっぱり怖いので、だったらコツコツいくしかないなってそういうところですね。

気が付いたらローンが減っている

―実際に若いうちから不動産投資をやっていてよかったと思うことはなんでしょうか。

渡辺 不動産を買うにあたって、当然僕も金融機関からローンを組んでいるのですが、それは投資信託などにはない力だと思うんです。よく「他人の力を借りる」という表現をされますけれど。

ローンを組むということは言葉を悪くすれば借金とも言いますが、それを返しているのはあくまで僕ではなく、住んでいる人の家賃からです。

当然、時間が経てば経つほど、返済額は減っていきます。そうすると、やっぱりある程度早いうちから物件を買って、空室リスクの少ない不動産を持ちつつ、自分でも少しお金に余裕ができたら繰り上げ返済をする、という形がベストです。

僕自身、不動産投資を始めて6年ほどですが、それくらい経つと「こんなに自分の負債減ってたの?」と少し驚きます。

ですので、蓋を開けてみたらやはり、早い時期に始めておいてよかったなというのはすごく感じますね。

村野 私の場合は若いうちから世の中の仕組みを知れたことじゃないかなと思っています。

税金のことだったり、法律や行政の仕組みだったりといったことは会社勤務だけではなかなか知らないってことが多かったんですよね。

不動産投資をやっていくと、そういったことを自然と色々知るようになります。その点でいうと、資産運用とは少し外れるかもしれませんが、若いうちに知識がついたのは本当によかったとは思いました。

家族の説得の鍵は豊かな未来を想像させること

―反対に、デメリットはありましたか。

渡辺 僕の場合は、妻を説得するのにすごく骨が折れましたね。不動産投資となると、どうしても家庭を巻き込む形になるので「こういう投資をこういう目的にやりたい」というのをちゃんと噛み砕いて説明するのは難しかったです。

―どうやって説得されたんですか。

渡辺 やはり妻と「楽しい老後」というのを一緒に思い描くところから糸口掴めた気がしますね。

もちろん、不動産投資は良いというところから押したい気持ちはあるんですけれども。不動産投資は結果的に、不労所得を得て、やりたいことをやることが目的じゃないですか。

そうなった時に、妻と仕事から離れて世界、好きなタイミングで好きなところに行くとか。そういうところからイメージさせてあげていきました。紆余曲折はありましたけれども、結果的には同意してもらえました。

―あくまでもご家族の幸せのためにやるってことで。村野さんはいかがでしょうか。

村野 正直あまりネックになったことってないんですけど…。強いていうと会社の中で「あいつ投資やってる」というのが広まってしまって、その影響で「どうせお前真面目に仕事してないんだろ」みたいな言われ方を結構されたのだけはちょっと(笑)。

結構、一生懸命に仕事をしていたつもりだったんだけどなあっていうのはありましたね。それ以外はあんまりなかったかもしれないです。


村野 博基氏
村野 博基 Hiroki Murano
FIRE投資家/元サラリーマン
1976年生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、大手通信会社に勤務。
社会人になると同時期に投資に目覚め、外国債・新規上場株式など金融投資を始める。
その投資の担保として不動産投資に着目し、やがて不動産が投資商品として有効であることに気づき、以後、積極的に不動産投資を始める。
東京23区のワンルーム中古市場で不動産投資を展開し、2019年に20年間勤めた会社をアーリーリタイア。現在、自身の所有する会社を経営しつつ、東京23区のうち18区に計32戸の物件を所有。
さらにマンション管理組合事業など不動産投資に関連して多方面で活躍する。

著書:『43歳で「FIRE」を実現したボクの”無敵”不動産投資法』(2020年・アーク出版)
渡辺 瞬氏
渡辺 瞬 Shun Watanabe
サラリーマン投資家
1987年生まれの35歳。
大学院修士課程修了後、民間企業に研究職として就職。仕事をしながらも博士課程を修了する。
社会人になると同時に投資に目覚め、26歳から投資の世界に。株やドル建ての投資信託などの運用をする傍ら、29歳のときに東京中古ワンルームを購入。
現在東京23区内に中古ワンルームマンションを5戸所有する。
今後もポートフォリオの中心に不動産を据えながら資産拡大に向け歩みを進める。