急な転勤や行きたくもない部署への異動、馬の合わない上司や同僚たち…。

サラリーマンとして生活をしている以上、こうした「リスク」は常について回ります。

仕事は嫌いではないけれど、もっと自由に働けたら―。

そう考えている方も多いのではないでしょうか。

そんな自由な人生を不動産投資という形で後押しするのが元金融マン投資家の内田裕樹氏(55)の著書『元金融マンが明かす 資産を作るなら株や投資信託ではなく不動産投資にしなさい!』。

本記事では同書の一部を抜粋・再編集し、大手証券会社、都市銀行と渡り歩いてきた著者が実体験を通して得た不動産投資のホンネをご紹介します。

書籍
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55歳にして月間の手取り家賃収入100万円!元金融マンが明かす「資産を作るなら株や投資信託ではなく不動産投資にしなさい!」
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目次

  1. 不動産投資は一長一短、「うまい話」はない
  2. 失敗しない不動産投資のキーワード①:『都心』
  3. 失敗しない不動産投資のキーワード②:『中古』
  4. 失敗しない不動産投資のキーワード③:『ワンルーム』
  5. アパート経営は「一部の人」には良いが…

不動産投資は一長一短、「うまい話」はない

元銀行員/家賃年収1,600万大家が明かす不動産投資で失敗しない3つのキーワード
(画像=guy2men/stock.adobe.com)

ところで、不動産投資に関するいわゆる指南本には、「一度に億円単位の借金をして一棟物件を購入すれば、手取り(キャッシュフロー)数十万円を得られる」「物件をいかにして安価に購入して利回りを引き上げることがポイント」といった内容のものもあります。

これらの手法は長期間ハイリスクの状態が続いたり、交渉力や情報収集手段の確保といった特別な能力や環境が必須だったりします。 たしかに順調に進んでいる人がいる一方で、上手くいかなかった人も少なからず存在します。ハイリスクとはそういうものですから。

例えば、富裕層や高額納税者などで、そうした手法が向いている、面白そうだと思う人が、リスクをしっかりと認識して対策を講じたうえで行うのであれば良いのですが、普通の人にとってはギャンブル性が高い手法です。

本書の内容は、ハイリスク・ハイリターンな手法とは一線を画して、私が実際に行った普通の人が無理することなく再現できる手法です。

短期間の一獲千金狙いではなく、「老後のための資産形成」や「経済的自由の獲得」を目標にローリスク・ミドルリターンな手法で地道にコツコツと資産を積み上げていくものです。

不動産投資に興味がある人や検討している人は、書籍などを読み比べて、ご自身が無理なく再現できそうな手法をじっくりと考えて選別してください。

失敗しない不動産投資のキーワード①:『都心』

不動産投資と一口にいっても対象は様々です。例えば、立地では都心、郊外、地方などがありますし、その他にも一棟と区分所有、アパートとマンション、ワンルームタイプとファミリータイプなどといった様々な選択肢が挙げられます。

そして、それらの組み合わせによって経営の考え方やリスク管理が異なってくるのです。

こうした選択肢のうち、失敗する可能性が最も低い組み合わせは「都心」「中古」「ワンルームマンション」だと自信を持って言えます。

私が考える「都心の物件」とは、最寄駅が山手線のターミナル駅まで10~20分以内で、最寄駅から徒歩10分以内にあるものを指します。

もちろん、徒歩10分の物件は徒歩5分の物件より空室(家賃引下げ)リスクは高くなるので、できるだけ駅から近い物件のほうが望ましいです。

駅まで遠い物件は、物件価格が安いので買いやすいと思うかもしれませんが、徒歩10分辺りからアパートが増加して競合するので、駅まで遠い物件は避けたほうが無難です。一般的に駅までの距離が2倍になると、競合は4倍になると言われています。

特に世田谷区や練馬区、江戸川区など、元々農地が多かった地域では、相続対策として田畑が次々とアパートに変わっているので、駅まで遠い物件はより厳しくなります。

同じ都心でもちょっとした違いで空室リスクに差が生じるので、郊外や地方になるとその差はもっと大きくなるでしょう。

もちろん、地方の人が地元の物件に投資する場合など、その地域の特性を熟知しているのであれば良いかもしれません。

他方で地域の特性を熟知していないにも関わらず、利回りが良いという理由で安易に投資すると、空室や修繕費用などで苦労することになりかねないのです。余計なリスクはとらないように心がけましょう。

失敗しない不動産投資のキーワード②:『中古』

「中古」が「新築」より良いのは、単純に価格が安く利回りが良いからです。同じ立地なら中古と新築でリスクの違いはほとんどありません。

中古はその物件の時価で評価(売買)されますが、新築は時価ではなく建築費用に加えてディベロッパーの広告宣伝費や利益まで加算されるので、割高感が否めません。

また、新築での入居者募集は家賃を高めに設定できますが、数年後に退去が発生すると次の募集では家賃がガクッと下がります。ですから、当初の収支計画がギリギリだと採算割れに陥る可能性があるのです。

その点、中古であれば、基本的に家賃が急激に下落することはなく、安定した収益を確保することができます。とはいえ、「中古」だといつ設備が壊れて高い修繕費用が必要になるかわからない、といった不安があるかもしれません。

たしかにその可能性は否定できませんが、私の中古ワンルームマンションの10戸13年間の経験ではほぼ問題ありませんでした。

詳しくは後述しますが、設備交換やリフォームにかかった費用と更新料や敷金償却といった臨時収入との差し引きで20万円のマイナスでした。10戸13年間という規模、時間を考えると、収支計画上は誤差の範囲内と言っても過言ではないでしょう。

失敗しない不動産投資のキーワード③:『ワンルーム』

「ファミリータイプ」は転勤などで自宅をやむを得ず賃貸にする人や、転売目的で取得するのは良いのですが、あえて賃貸用として投資するのはあまりお勧めしません。

ファミリータイプは家賃が高いので一見すると良さそうに見えますが、退去があると修繕費用が高額になり空室期間も長くなる傾向があります。

入居期間が長くなる(特に戸建てでは)という意見もありますが、ファミリータイプを2室と1軒所有している私の経験では「ワンルーム」と比較して入居期間に大きな違いはありません。それ以上に空室の長期化と修繕費用の高額化のほうが気になります。

ですから、最初の物件にファミリータイプを選択するとリスクが高くなるので、ワンルームをお勧めします。

アパート経営は「一部の人」には良いが…

では、「アパート」はどうでしょうか。「ワンルームマンション」よりも利回りは高いので、アパートが良いと考える人は多いと思います。実際、不動産投資の書籍やネット上でもアパート経営をお勧めしているものは多いです。

たしかに、一般的にアパートの利回りはマンションよりも高いのですが、アパートといっても利回りが10%を超えるものからワンルームマンションとほとんど変わらないものまであります。

アパートのほうがいいと思う人が想定している利回りは人それぞれですが、利回りが高いということはそのぶんだけリスクも高いということ。失敗する可能性が一定程度あるということです。

私は2013年から利回りが10%を超えるアパートへの投資もやっていますが、普通の人には絶対にお勧めできません。例えば、不動産投資を何年もやって(経験を積んで)、リスクを十分に理解している人なら問題ないと思いますが、初心者やリスクに耐える力が弱い人がリスクを甘く見ると、痛い目(最悪は破綻)に遭いかねません。詳細は後述しますが、この点だけは改めて強調したいと思います。

資金に余裕がある人などが、ワンルームマンションを数十戸買う手続きや管理が面倒だからアパートから始めるのであれば、最初はリスク(利回り)が低い物件から始めることをお勧めします。

しかし、もし私が同様の立場だったら最初はアパート1棟ではなく、絶対にワンルームマンション数戸を買います。分散によるリスクの低減は、投資の基本中の基本だからです。

本書では、普通の人には資産三分割法ではなく不動産への一極集中のほうが効率が良い、と説明していますが、それはあくまでも「やむを得ず」リスクをとるのです。

ですから10 棟以上に投資する予定であれば問題ないのですが、当面は2~3棟しか投資できないのであれば、最初は区分所有のワンルームマンションで立地や築年数などを分散したほうが失敗する可能性は低いでしょう。

繰り返しになりますが、普通の人が不動産投資をする場合、余計なリスクをとらないことが成功の秘訣です。

内田 裕樹氏
内田 裕樹氏 Yuki Uchida
1966年生まれの55歳。国立大理系学部卒業後、新卒で山一證券に入社。営業・証券アナリストとして活躍するも31歳の時、バブル崩壊の影響で勤務先が自主廃業。中堅の銀行に転職する。
波乱万丈な会社員人生の傍ら、2009年、43歳のとき日本財託で不動産投資を開始。東京23区内の中古ワンルームを中心に物件を買い進め、11戸のマンションを保有し、アパート経営にも着手。 2019年に『不動産投資で上がり(ゲームでいう上がり)の状態』に到達する。
今年の6月末に銀行を早期退職し、現在は投資仲間とともに不動産関連の仕事に関わる。

著書:「55歳にして月間の手取り家賃収入100万円!元金融マンが明かす『資産を作るなら株や投資信託ではなく不動産投資にしなさい!』」(アーク出版)