不動産投資は興味はあるけれど、何だか胡散臭い…。

そう考えなかなか手を出せずにいる方も多いのではないでしょうか。

『元金融マンが明かす 資産を作るなら株や投資信託ではなく不動産投資にしなさい!』(アーク出版)の著者である元金融マン投資家の内田裕樹氏(55)も、

今でこそ家賃年収1,600万円を得るようになりましたが、
不動産投資を始めようとした際、危うく騙されかけるところだったといいます。

とはいえ、きちんとした知識を持ち、自分の投資スタンスを確立できていれば、
不動産投資自体が間違っているわけではありません。

本記事では同書の一部を抜粋・再編集し、大手証券会社、都市銀行と渡り歩いてきた著者が実体験を通して得た不動産投資のホンネをご紹介します。

書籍
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55歳にして月間の手取り家賃収入100万円!元金融マンが明かす「資産を作るなら株や投資信託ではなく不動産投資にしなさい!」
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目次

  1. 「危うく騙されかけた」不動産投資恐怖の一歩目
  2. 不動産投資は知識がないと破綻の可能性も
  3. 不動産投資自体は間違ったことではない

「危うく騙されかけた」不動産投資恐怖の一歩目

「危うく騙されかけた…」元銀行員/家賃年収1,600万大家が経験した不動産投資のコワい話
(画像=weerapat1003/stock.adobe.com)

2004年に日経新聞に、とある新築の投資用ワンルームマンションの広告が掲載されました。利回りはたしか3%弱。新築業者なので表面利回りだと思います。不動産投資の経験も知識もない私は預金金利と比較しただけで「悪くないかも」と思ってしまいました。

物件の見学ツアーの参加者も募集していたので、早速申し込みました。あとで振り返ると、単なる「ネギを背負ったカモ」です。

新築なので、綺麗で文句のつけようがありません。物件の所在地は本郷三丁目(文京区)と田町(港区)の2物件でしたが、知識がないので立地の善し悪しもわからず、「立地の善し悪しがわかっていない」ことさえわかっていませんでした。最悪です。

ヤリ手風の営業の女性から、「物件は気に入りましたか?」と聞かれても「そうですね」としか答えられません。今思うと、当時の私は本当に知識がなさすぎて恥ずかしい限り。とりあえず購入の即答だけは避け、ゆっくり考えることにしました。

1点だけ引っかかったことがありました。新築を買ったあとの価格の推移です。子どもの頃から中古住宅にしか住んだことがなかったので、住宅は中古で買うものという潜在意識があったのです。

ヤリ手の担当者に尋ねました。

「一般的に不動産の価格って新築で購入したあとはどう推移するのですか?」

担当者の回答は、「大丈夫です。不動産の『価値』は下がりません」でした。担当者は嘘をついていません。「価値」とは人によって異なるものだからです。しかし、話がかみ合っていません。価格を聞いたのに価値で答えるという応酬話法です。

残念ながら当時の無知な私には気づくことができず、とりあえず納得し、数日後に契約することにしました。大ピンチの予感すらありませんでした。

ところが、翌日になって、ふと思いました。

「下がらないと言っても中古になるのだから、少しずつは下がるはず。だったら値下がり率は事前に把握しておきたいな」

でも、知識がないのですから、調べ方も知りません。ここで持ち前の理系気質が活きました。とりあえず、その不動産会社(実際はデベロッパー)が過去に販売した物件について、現時点の中古価格と築年数をネットで調べてグラフ化しました。

すると驚きの結果が(当然の結果なのですが)わかりました。発売後1年程度でいきなり3割ほど下がり、その後に5~10年くらいまでに5割(つまり半値)、その後はほぼ横ばいというグラフになったのです。

ワケがわかりません。頭の中が「???」です。

質疑応答をじっくりと思い起こしました。たしか「価値は下がらない」と言っていた……、やっとすべてに合点がいき担当者に電話しました。

「先日、中古になっても価値は下がらないと教えてもらいましたが、一般的に中古物件の価格は5~10年で新築価格の半値になりますね。だったら、新築を買うのはやめて中古物件を考えます」

担当者は何やら言っていましたが、もう耳には入りません。「とにかく購入はやめます。契約はしません」と言って、電話を切りました。本当に危なかったです。

とりあえずピンチは脱出しましたが、心底恐怖を感じました。契約の直前に気づけたからよかったものの、何も知らずに契約していたらあとで悔やんでも悔み切れません。

不動産投資は知識がないと破綻の可能性も

不動産業界は以前から胡散臭いところがあると感じていました。しかし、実際に直接関わって、「売れさえすればあとはどうにでもできるということか」「担当者はいかにもヤリ手という雰囲気だったので、社風そのものということか」などと、とことん反省しました。

私はかつて証券会社で働いていたので、当時の証券業界では時には無理な営業が行われることを知っていました。不動産会社も売るためには手段を選ばないと理解しました。それが、この会社の固有のことなのか業界の体質なのかはわかりませんが、常に警戒感を怠れないことを痛感しました。

不動産会社のことを悪く書きましたが、私が基礎知識すらない状態だったことがそもそもの間違いです。この件はまさに「無知の知」でした。

見学ツアーで見た物件は相当な戸数を売っていたので、大勢の人が買ったはず。税金対策などを目的として納得して買っている人ばかりではないと思います。知識がないと、ぼったくられる。しかも、ぼったくられていることに気づきもしない。まさに「カモ」状態です。

現金で買う人は利回りが2%台とはいえ、キャッシュフローがプラスなのでまだましです。ところが、借入れで買ってしまうとキャッシュフローはマイナスです。返済額が大きいので複数戸買って空室期間が長引いた場合には、破綻の危険性すらあります。昔から「不動産投資は危ないからやめておけ」と言われているのは、こういうことなのです。

もっとも「無知はカモ」なのは不動産投資に限ったことではなく、世の中に満ち溢れています。皆さんおわかりですよね。

不動産投資自体は間違ったことではない

とりあえず、「ネギカモ」状態からは脱出できました。皆さんならこの後はどうしますか? 危ないからやめますか?

たしかに「不動産投資は危ない」のは事実でした。ただ、不動産投資自体が間違ったものではない、という直感的な根拠のない思いはありました。例えば、築10年で価格が半値になった中古物件はどうだろうか、単純計算で利回りが2倍になります。ただ、リスクについてはどうだろう、正直なところまったくわからない……。

書店で不動産投資に関する書籍がいろいろ出版されていることを知りました。「なぜ、ネットで調べないの?」と不思議に思われた方が多いと思います。

これは私感ですが、ネットの情報は玉石混交なので、情報の入手には便利ですが、解説書としては「玉」なのか「石」なのか、あるいはどこまで網羅しているのか無知なせいもあり判別がつかないのです。逆に超マイナーなこと(例えば、「屋根の雨漏り修繕をした場合の減価償却の考え方は?」など) についてはとても重宝しています。

さて、新築ワンルーム投資の書籍をとりあえず読みました。要旨としては、まずは税金対策、次に毎月たった数千円を払うだけでローンを完済し30年後に物件を入手できる、ということでした。賛同はできませんが、基礎知識を吸収することはできました。

中古のワンルーム投資に関する書籍を探しましたが見つかりません。その代わり中古アパートに関する書籍は多数あり、次々と読みました。これは参考になりました。購入時の工夫、維持管理にかかる費用とそれを抑える工夫など、不動産投資に必要な知識やリスクの考え方など概ね網羅できました。

成功者に「まねぶ」、つまり「成功者の真似をして学ぶ」ことが、初心者にとっては最も安全な道しるべになると考えていましたが、残念ながら私が同じことをやって成功するとは思えませんでした。

例えば、「購入時には、よさそうな売り情報を見つけたらすぐに売主に会い、とんでもなく安い値段の現金指値をする。ほとんど断られるが10~20件くらいやると、少しでも早く現金がほしい売主に当たって成立することがある」そうです。

その筆者は当初から専業大家だったので、何度でも機動的に対応できますが、サラリーマンの私には現実的ではありません。

あるいは「修繕費用を抑えるには、壁紙交換などを日曜大工として大家が自分で行えばよい」とありました。たしかにそのとおりですが、「乗り気がしない……」。その筆者からすれば、成功するためにはそれくらいするのが当然のことですが、私には引っかかります。

乗り気がしないとは、面白くない、楽しいとは思えないということ。今後何十年も続けることは困難です。正論でも、嫌々やるくらいなら最初からやらないほうがいいのです。

とはいえ、不動産投資自体は決して悪いものではありません。知識を蓄え、自分の投資スタンスにあった手法を選ぶことで、不動産は人生において心強い味方となってくれます。

内田 裕樹氏
内田 裕樹氏 Yuki Uchida
1966年生まれの55歳。国立大理系学部卒業後、新卒で山一證券に入社。営業・証券アナリストとして活躍するも31歳の時、バブル崩壊の影響で勤務先が自主廃業。中堅の銀行に転職する。
波乱万丈な会社員人生の傍ら、2009年、43歳のとき日本財託で不動産投資を開始。東京23区内の中古ワンルームを中心に物件を買い進め、11戸のマンションを保有し、アパート経営にも着手。 2019年に『不動産投資で上がり(ゲームでいう上がり)の状態』に到達する。
今年の6月末に銀行を早期退職し、現在は投資仲間とともに不動産関連の仕事に関わる。

著書:「55歳にして月間の手取り家賃収入100万円!元金融マンが明かす『資産を作るなら株や投資信託ではなく不動産投資にしなさい!』」(アーク出版)

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